仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

違いがわかる・・・漆のこと。

2016-02-20 11:16:40 | 商品のこと

ご訪問いただき、ありがとうございます。

 

お位牌の話です。

こちらの2本のお位牌。

形も大きさもほぼ同じ。

(右側は戒名を彫ってる途中なので、

ちょっとお見苦しくなってますが・・。)

 

なのに、右側のものは、左の4倍近いお値段。

 

違いは、

左の普及品は合成漆を使用し、漆に特有の、「塗り」「研ぎ」「磨き」の

工程を簡略にすることで、お手頃価格になってます。

もちろん、「合成」とはいえ、耐久性でも、美しさでも

それなりの品質は備えています。

 

そして、右側は、本漆を使用し、「蝋色仕上げ(ろいろしあげ)」 

と呼ばれる、最高の仕上げを施したもの。

上塗りを済ませたものを、

さらに炭で研ぎ、綿で磨く、という作業をくりかえすことで、

鏡のように、滑らかな表面に仕上げていくものです。

 

 

・・・とはいえ、

普及品だって、ぱっと見は十分なめらか。

どこが違うの?という感じですが、

店内の照明を映してみると

左が普及品、右が蝋色仕上げ。

 

 

滑らかさのちがいが、わかって頂けると思います。

 

戒名の仕上げのために、金箔を載せてみると

左が蝋色仕上げのもの。右が普及品。

写真では、わかりにくいですが、

蝋色仕上げのものは、置いたとたんに、金箔が吸いついていくようでした。

  

 

改めて、手間暇かけた、仕事のチカラを実感した次第。

 

 

 

 

余談ながら、

「金仏壇の良しあしは、塗りの回数で決まります」なんて説明をするお店もあるようですが、

塗りの回数なんて、確かめようもないもの。

 

蝋色仕上げのものは、

そうそうないけれど、

照明の映り方、

塗りの良しあしを見る時の、参考にでもなれば、という次第です。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿