W-league第5戦、dasさん対hinagataさん。
開始直前にdasさんの急用で、
「中止か!?」
というような情報が飛び交ったりバタバタしたようだが、時間遅れで無事対局は行われた。
まぁ、こういうのはネット碁対局では日常茶飯事。
気にせずいきまっしょい。
対局の方は、ここまでの碁から両者が
「じっくりした、地の碁を好む」
という傾向がわかっていた。
だから予告には書き損ねたが、細かい碁になるのではという期待が。
結果はその通り、W-league初の作り碁に。
棋譜はコチラ。
ここまでの対戦のように「潰すか潰されるか」という対局も、勿論ハラハラドキドキで楽しいが、
「うーん、黒が厚いんじゃない!?」
「うわぁ、この手で白がかなり稼いだぞ」
「級位者には難しくて、わかんねぇ」
なんて会話を交えながら高段者のヨセを鑑賞するのも、また違った味わいと楽しみがあるように思う。
もっとも実際、そういうチャットがあったかは知らないけど。
今回はあまり、口出しの余地がない。
というのも表現が正しいかわからないが、両者ともとても綺麗な碁、教科書通りの碁で観ていてホレボレしたから。
nipparatさんやosamaさんの碁が綺麗でないというわけではないが、
「高段者だから使える工夫」
が随所に散りばめられていて、理解しにくいところもあるように思う。
対して本局の布石は、級位者でも理解しやすいのではないか?
お手本にしたい。
そんな中でも単純な新小林流ではなく、黒5の一間ジマリというスパイスを利かせているのも嬉しい。
私は一間ジマリが好きなのだ。
黒25と打って
「白26なんか小せぇ!」
というのは梶原(武雄プロ)流。
配石からいっても当然か。
そして黒55-63手順が、いかにも高段者らしく変幻自在で、「格好エェ」とまず感心。
中央の黒二子を犠牲に、右辺を見事に囲う。
どの程度の成算があったのかはわからないが、実戦でこういう手が打てたら気持ちいいでしょうね。
私もこういうのを時々猿真似するが、大抵崩壊(汗)。
もっとも気持ちいいとはいえ、白72までのその損得は難しい。
右下隅は白地だし、一子を打ち抜いて、中央にも相当な発言権を得たからだ。
中央の勢力争いが今後の焦点。
黒73の様子をきいたのに、白74のグズミは仕方ないのかな。
サガリだと断点があって、白も下手すると中の黒と攻め合いになったりしそう。
それは怖い。
ただこの後のここの白の利かされは、何だか悔しい気が。
そう考えると、まさに黒73は「機をみるに敏」にだったろうか。
黒79に挨拶せず、白80のタイミングは学ぶところがある。
さらに黒89から大ヨセに入ったが、黒97に対する白98からの対処も感心。
級位なら黒97で簡単に、中地をガラガラにされそう。
hinagataさんだって負けてはいない。
白118も「なるほどねぇ」と嘆息。
返す調子で白132から黒模様に入っていくのは、両者折り込み済みだったかもしれないが、高段の味。
これですでに級位には訳の分からない形勢だが、hinagataさんの判断は白158からコウを仕掛けて勝負!
これはコウダテの大きさや多寡がとても難しく、両ブログの読者や観戦者の興奮はクライマックスに達したと想像される。
面白い!
結果このコウは黒の勝ち。
白184のコウダテの得失は全然わからないが、これはご両者の解説を待ちたい。
ただ結果からすると、ここのコウに黒が勝ち、しかも黒191からのコウにも黒が勝っているのに、5目半しか差がつかなかったのは不思議だ。
この差なら白にもここらのコウ争い次第では、チャンスがあったのではないか?
例えば白200からポンポン抜かせたのは、どうだったかという不思議さは残る。
でも私には難しくて、変化図が作れん!
白220からは、ほとんど大きいところはない。
両者、大体勝敗は見えていただろう。
作るのは嬉しいファンサービス?
dasさんの5目半勝ち。
dasさんおめでとう。
しかし本局はhinagataさんにも、大いに拍手を送りたい。
布石から中盤、そしてヨセまで私には参考になることが多く、正直ここまでのリーグ戦の中で一番面白かった。
「真似したい、このレベルに達したい」
という気持ちを強く起こさせてくれた一局。
わかりやすくも難しい。
低段者以下には、並べて研究する価値があるのでは。
今日からW league hot3連戦なので、本当は本記事は簡単な感想にするつもりだったが、長くなってしまった。
それもこれもご両者の力量、棋風あってのことだと思う。
ありがとうございました。
尚、dasさんの自戦記はコチラ。
nipparatさんの観戦記はコチラとコチラ。
ルーラさんの観戦記はコチラ。
pgさんの現場の声はコチラになります。
【追記】
hinagataさんの自戦反省も届きました。
感想にもいろいろな発見があって、読み応えがあります。
開始直前にdasさんの急用で、
「中止か!?」
というような情報が飛び交ったりバタバタしたようだが、時間遅れで無事対局は行われた。
まぁ、こういうのはネット碁対局では日常茶飯事。
気にせずいきまっしょい。
対局の方は、ここまでの碁から両者が
「じっくりした、地の碁を好む」
という傾向がわかっていた。
だから予告には書き損ねたが、細かい碁になるのではという期待が。
結果はその通り、W-league初の作り碁に。
棋譜はコチラ。
ここまでの対戦のように「潰すか潰されるか」という対局も、勿論ハラハラドキドキで楽しいが、
「うーん、黒が厚いんじゃない!?」
「うわぁ、この手で白がかなり稼いだぞ」
「級位者には難しくて、わかんねぇ」
なんて会話を交えながら高段者のヨセを鑑賞するのも、また違った味わいと楽しみがあるように思う。
もっとも実際、そういうチャットがあったかは知らないけど。
今回はあまり、口出しの余地がない。
というのも表現が正しいかわからないが、両者ともとても綺麗な碁、教科書通りの碁で観ていてホレボレしたから。
nipparatさんやosamaさんの碁が綺麗でないというわけではないが、
「高段者だから使える工夫」
が随所に散りばめられていて、理解しにくいところもあるように思う。
対して本局の布石は、級位者でも理解しやすいのではないか?
お手本にしたい。
そんな中でも単純な新小林流ではなく、黒5の一間ジマリというスパイスを利かせているのも嬉しい。
私は一間ジマリが好きなのだ。
黒25と打って
「白26なんか小せぇ!」
というのは梶原(武雄プロ)流。
配石からいっても当然か。
そして黒55-63手順が、いかにも高段者らしく変幻自在で、「格好エェ」とまず感心。
中央の黒二子を犠牲に、右辺を見事に囲う。
どの程度の成算があったのかはわからないが、実戦でこういう手が打てたら気持ちいいでしょうね。
私もこういうのを時々猿真似するが、大抵崩壊(汗)。
もっとも気持ちいいとはいえ、白72までのその損得は難しい。
右下隅は白地だし、一子を打ち抜いて、中央にも相当な発言権を得たからだ。
中央の勢力争いが今後の焦点。
黒73の様子をきいたのに、白74のグズミは仕方ないのかな。
サガリだと断点があって、白も下手すると中の黒と攻め合いになったりしそう。
それは怖い。
ただこの後のここの白の利かされは、何だか悔しい気が。
そう考えると、まさに黒73は「機をみるに敏」にだったろうか。
黒79に挨拶せず、白80のタイミングは学ぶところがある。
さらに黒89から大ヨセに入ったが、黒97に対する白98からの対処も感心。
級位なら黒97で簡単に、中地をガラガラにされそう。
hinagataさんだって負けてはいない。
白118も「なるほどねぇ」と嘆息。
返す調子で白132から黒模様に入っていくのは、両者折り込み済みだったかもしれないが、高段の味。
これですでに級位には訳の分からない形勢だが、hinagataさんの判断は白158からコウを仕掛けて勝負!
これはコウダテの大きさや多寡がとても難しく、両ブログの読者や観戦者の興奮はクライマックスに達したと想像される。
面白い!
結果このコウは黒の勝ち。
白184のコウダテの得失は全然わからないが、これはご両者の解説を待ちたい。
ただ結果からすると、ここのコウに黒が勝ち、しかも黒191からのコウにも黒が勝っているのに、5目半しか差がつかなかったのは不思議だ。
この差なら白にもここらのコウ争い次第では、チャンスがあったのではないか?
例えば白200からポンポン抜かせたのは、どうだったかという不思議さは残る。
でも私には難しくて、変化図が作れん!
白220からは、ほとんど大きいところはない。
両者、大体勝敗は見えていただろう。
作るのは嬉しいファンサービス?
dasさんの5目半勝ち。
dasさんおめでとう。
しかし本局はhinagataさんにも、大いに拍手を送りたい。
布石から中盤、そしてヨセまで私には参考になることが多く、正直ここまでのリーグ戦の中で一番面白かった。
「真似したい、このレベルに達したい」
という気持ちを強く起こさせてくれた一局。
わかりやすくも難しい。
低段者以下には、並べて研究する価値があるのでは。
今日からW league hot3連戦なので、本当は本記事は簡単な感想にするつもりだったが、長くなってしまった。
それもこれもご両者の力量、棋風あってのことだと思う。
ありがとうございました。
尚、dasさんの自戦記はコチラ。
nipparatさんの観戦記はコチラとコチラ。
ルーラさんの観戦記はコチラ。
pgさんの現場の声はコチラになります。
【追記】
hinagataさんの自戦反省も届きました。
感想にもいろいろな発見があって、読み応えがあります。
左上の劫は白が損してますが、形勢悪いので、思わずやってみたのでしょうね。実際はその直前にチャンスがありました(私のブログ参照)