ボランティアグループきずな活動BLOG

東日本太平洋沖大震災復旧・復興ボランティアグループ「きずな」の活動ブログです。

第二回被災地スタディツアー報告

2012-09-01 15:31:42 | スタディツアー
どうも、こんにちは。ぷうこと中嶋治子です。

8月18日~20日まで、「東日本大震災 被災地スタディーツアー」へ参加したのでその報告です。



福島県二本松の仮設住宅。被災地に訪れて最初の出会い。
一発目がこの方だったのはインパクトが強かった!
自治会長として強力なリーダーシップを発揮しておられる鎌田さんです。

自治会の仕切りだけでなく、自治会の皆さんの気持ちを「+」の方向へと引っ張っておられます。
鎌田さんのものすごくエネルギッシュな生き様が、逆に、震災が奪ったものの大きさを想像させました。
悲しみ、葛藤、矛盾いろんな思いの中、それでも「人の営み」は続くのです。


(仮設住宅のイベント中にも関わらず快く話しを聞かせてくれる鎌田自治会長ときずなメンバー)



続いて南相馬市へ。移動中、原発事故の道路封鎖のせいで道を外れてしまい山の中をぐるぐる。
車酔いで車外へ出てゲロゲロしてる私の頭の上を降りしきる雨。「放射能を浴びているのか・・・。」
ふと怖くなった。そんなことを心配しなければいけなくなったこの国の現状、とても悲しくなった。私にできることは何だろう。


南相馬市でサラダ農園「Jin」を運営されている川村さん。素敵な方でした。


「高齢者も障がい者もみんなごっちゃになった地域づくりがしたかった」前述の鎌田さんと同じで、
震災後も、もっと言えば震災を力に変えて、前へ進んでおられます。
原発後は「命に満ち溢れた風景・農」を実践し、障がい者と共に有機農業を展開し野菜のブランド化を目標にがんばっておられます。


(遅刻したにも関わらずお茶と一緒に出して頂いたとれたてのきゅうり!みずみずしくておいしかったです)

他にもいろんな事業を展開されており、その人の気持ちに寄り添い、そしてつぶやきを形に変えていくセンスが抜群な感じです。
「これから地域を支えていくのは障がい者と高齢者かな」その発想にビイーンッとしました。




宿泊先の「ひなたぼっこ」
CLC(全国コミュニティライフサポートセンター)が運営しています。






2日目。宮城県石巻市へ。市内を見て回りました。まだまだ津波の跡が残っていました。
被災家財もいっぱい。ここではいろんな光景を目にしました。

ぐちゃぐちゃになった建物、新しいお店、建物を解体するパワーショベルの音、
「石巻まちなか復興マルシェ」の売り子さんの声、視察に来られている方を案内するガイドさん、
ぐちゃぐちゃになったお店を震災1カ月後に再開したシェフが振るフライパンの音&オムライスのにおい、
しーんと静かな路地、砂埃、サンサンと降りしきる太陽・・・・。

そんないろんな音・におい・空気が混沌と入り混じった街のありように頭がくらくらになったけど、
それが被災地であり同時に復興へ向けて進んで行こうとする「人の営み」なのかと感じました。












おいしいオムライスを食べて、石巻開成仮設団地へ。
仮設の一部を間借りして、制度の狭間にある人たちの支援を続ける「あがらいん」。


(かわいいペイントがされていた北芝から持って来たキッチンカー)

そのスタッフである長沼さんから仮設の現状についてお話を聞きました。
なんかものすごく大切で、壮大なテーマを気づかせてもらったような気がするのだけど、今はうまく言語化できない。
今はぼんやりこんなこと「所属」「居場所」「いくつもの所属」「つながり」「文化の継承」「営み」「家族」「地域家族」・・・!?



その後、報道でも頻繁に取り上げられた大川小学校へ。
子どもたちの元気な声が鳴り響いていたであろう、そしてこれからも鳴り響くはずだった
校舎。今はそれとはま逆の光景。しーんと静まり返り、とてつもない存在感で私に迫ってきました。合掌。

長面地区、女川町にも訪れました。










3日目。気仙沼市・南三陸町へ。

気仙沼小学校で子どもたちと風船バレー。これを教えておられる浜田さんは実は箕面にお住まい。
トシくんのお知り合いで宮城県で「はじめまして」。箕面では出会わんのに、気仙沼で出会うなんて何か面白かったです。
風船バレーも楽しくて、気仙沼の子どもたちもいっぱい体を動かして発散できた様子でした。よかった。




その後浜田さんたちと一緒に復興商店街「紫市場」へ。副理事長の坂本さんは、眼光鋭い感じで、でも笑うととても優しい雰囲気。渋い方でした。
やはり坂本さんも気仙沼が、みんなが、被災地が元気になるようにと頑張っておられて、その為に今の自分たちに何が必要か、
今はどんな時期なのかを見極めながらスピーディに動いておられました。
坂本さんだけでなくこの間出会った方々みなさんの動きに共通するのは「リサーチ」「見極め」「スピード」あと「直感」。








仮設住宅の中でも高齢者の多い(多く集められた?)場所、山の中にある場所など救援物資やボランティアが後回しになる場所が多々あるという話を聞き、ハッとしました。
このことに限らず、報道だけでは知りえていない情報を意識したいと感じました。



車の中から見えるガランとした風景が普通であるかのような感覚に陥る自分に「ちがうで」と突っ込みを入れながら仙台駅へ。大阪に帰ります。









ずっと、被災地をこの目で見たい、テレビでは感じられない空気、「人の営み」を肌で感じたいと思っていました。
被災地の日常のほんの1コマしか見れていないのだろうけど、今回は本当にいい機会でした。
帰って来てかららいとぴあのボランティアグループ「絆」のブログを改めて読み返しました。内容がより具体的に自分の中に入ってきました。
「絆」以外のメンバーも例えば地域のおばちゃん、子育て中の親、子どもたちなどたくさんの人が被災地に訪れる機会ができたらいいなあと思います。
被災地の現状・日常・矛盾・人々の思い等にじかに触れ私たちが感じて考えて、思いをしゃべっていくことをしたいです。
そうすることで被災地やこの閉塞感のある社会に風穴を開けていけるような気がします。

被災地の子どもたちのこととか親のこととか、復興住宅移住後の地域のこととか、福島のこととか、今回出会った方々の今後とか、まだまだ気になることがたくさんあります。
また訪れたいです。