奇乃堂

ゲーム「文豪とアルケミスト」からよぎったこと その2

 ※攻略でもないし、小道のたわごと。二次創作もどきありで、口調は適当なのでご容赦を。

 朝、ふとよぎったことがあったので、思わず書き込む。

●新しい、文豪がきた!
 その日、新しい文豪が来たという話は瞬く間に図書館中に広がった。
「でもよー、誰も、見てねーじゃん?」
 一升瓶から酒を注ぎ、中原中也が首をかしげる。
 この一言でただいま助手をしている江戸川乱歩に視線が集まる。
「で、どーなん? キリキリ吐いた方が楽になるでー」
 小田作之助に言われ、乱歩は「ご自身の目で確かめられることを勧めますよ」と答えた。
 つまり、新しい文豪が来たということは否定しない。
 ならば、アルケミストの執務室に行ってみるべしと、数人が行く。全員行こうとして、さすがに止まった結果だ。
 アルケミストの執務室の前で猫がいた。
「アルケミストは今、取込み中にゃ」
「新しい文豪とか」
 ざわつく。
「……お前たち、自分たちの目で確かめるがいい」
 猫は立ち去った。
 ノックの後入る執務室。
 部屋にいるのはアルケミスト一人。
「君たちも、文豪、見に来たのかな!」
「紹介してくれねーのか?」
「ほらこれ、これ! この時代にもまだあったんね!」
「はぁあ?」
 やってきた文豪たちの不審げな声は重なった。
 アルケミストがさすのは机の上のブラウン管のついた大きなパソコンのようなもの。
「本当、入力するだけなら、こっちでも十分だモノねぇ」
「はい?」
「これね、パソコンが普及する前にあったワープロだよ」
 この図書館に召喚された人たちはほぼほぼ知らないものだ。
「ワープロにはメーカーごとに名前があってね、これはね、文豪だよ!」
 アルケミストは笑う。
 屈託なく、楽しそうに笑う。
「やっぱり、文豪は違うよねー。てか、懐かしいってだけで、他のメーカーの使ったことないけど」
 文豪たちは机の上に鎮座するワープロ機を見て、大きく息を吐いた。その意味をアルケミストは知らない。

 おしまい
 

今後ともよろしく~。

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