喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

荻野寿美子『タバコに奪われた命 父の「闘病MEMO」に寄せて』

2014-02-25 19:39:56 | 書籍

拙著『タバコに奪われた命』は、あけび書房から2月15日に刊行されました。

出版を決意したきっかけは、本ブログでも御紹介した生島壮一郎著『肺が危ない!』に出合ったことです。
博物館学芸員の資格を持っていた私は、埼玉県や県内市町村史の調査員などを務めたこともあり
文章を書くということに関しては、全く不安はなかったものの
自分で書いた物が読むに値するか、また、出版まで行くかということには
とても大きな不安を抱えていました。
それでも、私が少しずつでも出版に向けて行動を起こしたのは
特発性間質性肺炎と肺気腫を併発し、いわゆるタバコ病だった父の闘病や最期が
あまりにも壮絶で、それをなす術もなく見守るしかない、家族としてのつらく悲しい状況を
他の誰にも味わってほしくないという気持ちがあったからです。


父は、約2か月の入院中に、『闘病MEMO』と題した日記を書いていました。
壮絶ななかにもユーモア溢れる、父そのものといった文章で
遺された私たち家族にとってかけがえのない遺品となりました。
しかし、『肺が危ない!』と出合ったことで
私は、父が遺した『闘病MEMO』を、父の遺品の一つにしておくのではなく
遺された家族の視点を加えた作品にして、形にしようと考えました。
喫煙者を家族に持ったゆえの悲しみ
喫煙者であった父が自分の喫煙行為に対して抱いた無念と悔恨
苦しむのは、喫煙者本人だけではないと知ってほしい
タバコを吸う人も吸わない人も、自分の身に置き換えて考えてもらうきっかけになるのではないか
そう考えたのです。
愛する人を悲しませない方法は、喫煙者であるあなたが、一刻も早くタバコを断つことなのです。


拙著の「はじめに」と「おわりに」は、あけび書房のホームページから閲覧することができます。
何気なくタバコに火をつけている喫煙者の方
絶対タバコはやめないぞ、タバコのために死んでもいいと思っている喫煙者の方
わかっちゃいるけどやめられない喫煙者の方
家族にタバコをやめてもらいたいと考えている方
自分の子供にはタバコを吸ってほしくないと考えている親御さん
タバコに興味はあるけれど、タバコを吸っているとどうなるのかを知りたい方など
タバコを吸う方も吸わない方も、「喫煙」という行為について
今一度深く考えてもらいたいと願ってやみません。
タバコを吸うことによって苦しむのは、タバコを吸っている本人だけではないのです。
あなたの愛する人を、あなたが吸っているタバコによって苦しめてもいいのですか。
あなたはタバコのお蔭で、先にあの世へ行けるかもしれない。
その後、あなたの吸ったタバコによって、遺された愛する人が悲しむことを知ってください。
私は、それを伝えたくて、出来うる限りの力をこの一冊に注ぎました。
ぜひ読んでください。


3月10日ごろ、大手書店・ネット書店から発売を予定しています。
ネット書店の場合、掲載までに数日を要するかもしれません。


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24 コメント

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読ませて頂きます! (cellist)
2014-02-26 19:27:59
こんにちは。
これまでは山の話題でしかコメントをさせて頂いたことがなかったのですが、実は極度のタバコ嫌いでもありまして、この世の中からタバコがなくなることを願っているひとりだったりしますので、今後はこちらにもお邪魔させて頂きたいと思います。

私のタバコ嫌いは、専らこれまでに多々被ってきた不愉快な体験に起因するものです。
今のところは幸いにも、不愉快を超えて、悲しいと感じるほどの出来事までは経験せずにすんでいるので、タバコの是非についてはマナーという観点から考えることがほとんどでした。
でも、タバコのために悲しみを味わう人を増やしたくないという思いはとても共感できますし、もっと早くから自分もそう考えるべきだったとも思っています。

思い立ったが吉日とAmazonに行ってみたら、さすがに現時点では何の情報も入っていなかったのですが、ご案内によれば来月の中頃になれば注文できそうなのですね。発売を心待ちにしております。
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喫煙者が知らないこと (荻野寿美子)
2014-02-26 20:28:44
cellistさん、ありがとう。
そして、とても勇気づけられました。
私も、喫煙者にマナーを説くには限界があることを常々感じていました。どうも、喫煙者と非喫煙者の間には、深くて広い河が流れているようなのです。
しかし、遺された家族がどんな思いをしているかということは、今まであまり取り上げられてこなかったように思います。
私は、父を病院に行かせることさえできなかったことで、激しい無力感にさいなまれ、母は街頭でタバコを吸っている人を見ると、「お願いだから、あなたを大切に思っている人のために、タバコをやめてください。あなたのことを愛している人を、悲しませないで。」と、声を掛けたい衝動に駆られるそうです。
父の最期は壮絶で、私は4年たった今でも脳裡から離れず、自分の鼻が詰まって息苦しくなるとパニック発作が起きてしまい、これがけっこう日常的なダメージになっています。
喫煙者が知らないことのなかに、大切なことがあるのではないか、そこを訴えたかったのです。

大切な人を悲しませたい人なんて、いないと思っています。
大切な人との限りある時間を、喫煙に費やすには、あまりにも悲しい。
タバコを吸う人にも吸わない人にも、「喫煙」について深く考えてもらいたいと思います。
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読ませていただきます。 (can)
2014-02-28 17:45:00
私もタバコは吸いません。嫌煙家まではいきませんが、それに近い。命とりになることもあるタバコ、テーマ重いですが、楽しみにしています。
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考えてもらうこと (荻野寿美子)
2014-02-28 23:21:47
canさん、ありがとうございます。
本を読んでいただけたら分かると思うのですが、禁煙を強要する内容ではないのです。
ちょっと不思議な感じを受けられるかもしれませんが、「寛容な周囲の人達の範囲内でどうぞ」「一人で吸って一人で死ねるなら止めはしない」とも書いているのです。
それでも、何気なく日常の動作の一環としてタバコに火をつける、惰性で吸っているような方にも、その行為がどういう影響を及ぼすのか、考えてもらいたいのです。
考えて、考え抜いて、一人で吸って一人で死ねるなら、どうぞ、です。
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遅ればせながら、 (芝刈り爺さん)
2014-03-08 09:20:49
本日、注文しました。あまり好きではない(?)のですが(地元書店で買えるe‐honで頼んだけれどダメでしたので)Amazonで注文。私もたばこは大大嫌いですが、そのダメ押しのために読みます。先日、半分仕事で大阪に行き、大阪駅前、梅田の町を歩き、いやいや煙いこと煙いこと。路上喫煙、盛ん盛ん。お店には「全席喫煙可」とあったり。
おい!大阪!!レベル低いぞ!!と思いました。昔学生のころ、今から40年以上前、大学の地理の先生が、教室でたばこを吸う学生を「何をしている!お前は今、弱い者いじめをしているのだぞ!!」と怒鳴りつけました。当時、学生運動盛んなころ、当たらず障らずの先生の多い中、気骨ある感じがして、とても心に残ります。(その先生は愛煙家でした、たぶん)たばこを吸う方はご自分をもう少し、いとおしむ心を持ってほしいと思います。勿論公共の場での喫煙は言うまでのないし。私は佐野ラーメンが好きで、まあ食べに行きますが店によると、お隣で喫煙をされたりして、うんざりします。どうしても吸いたいという人のための喫煙室はあってもいいのかなとも思います。長くなりました。
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全てがタバコの臭いに支配される (荻野寿美子)
2014-03-08 11:59:28
芝刈り爺さん、本を読んでくださるとのこと。
ありがとうございます。
大学の地理の先生のお言葉、本質を突いていますね。
弱い者いじめ、ですか。
でも、タバコを吸っている人達は、自分たちが迫害されている、いじめられていると思っているのでしょう。
タバコを吸う人によるそういった論調をよく見かけますが、大いなる勘違いだと思います。

飲食店での喫煙は、本当に嫌ですよね。
おいしいはずの料理の味が、全てタバコの臭いに支配されて、何を食べているのかさっぱり分からなくなりますね。
最近は分煙を謳う店舗も多くなりましたが、そのほとんどが私から見れば分煙とは言えない体たらく。
その店舗で自信を持って出している(はずの)料理をタバコ味にされて、店の人はなんとも思わないのかな、と不思議に感じます。
私だったら、精魂込めて作った料理を、タバコ味なんかにしてほしくないですけれどね。

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紹介させていただきます (脱タバコ被害の会)
2014-03-09 16:46:32
タバコは、健康を損なうというレベルではなく、
ご本人の命、そして家族の幸せを奪います。
フェイスブックページでも貴著をご紹介させていただきたいと思います。
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ありがとうございます (荻野寿美子)
2014-03-09 19:58:10
脱タバコ被害の会様、フェイスブックページで拙著を紹介してくださるとのこと。
ありがとうございます。
貴会の活動がますます発展されることを楽しみにしております。
タバコによる被害をなくすために、共に歩んでいきましょう。
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喫煙者というなの被害者を救おう (たらお)
2014-03-10 17:03:36
私の父も喫煙から肺がんを発症し、早逝いたしました。喫煙者は悪ではなく、タバコの被害者だと思います。

しかし、タバコ会社を中心として築き上げられた偏見の中で、喫煙者の自己責任だ、自業自得だと追い込まれ、はてはタバコを止めるきっかけさえ奪われているのが今日の日本社会です。

喫煙者は悪ではない
新たな被害者を産まないためにも、正しい情報の拡散と、政府によるタバコ規制を!
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タバコは薬物です (荻野寿美子)
2014-03-10 20:50:55
たらおさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、喫煙者はタバコによる被害者であり、タバコは薬物だと私は考えています。
私も、タバコが政府による薬物規制の対象となることを理想としていますが、タバコ会社と政府は金に目がくらんだ持ちつ持たれつの関係です。
この壁を打ち破るのは容易なことではありませんが、同じ理想を掲げるものとして、共に考え、行動していきましょう。
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