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野口美佳さんからあなたへ「やり切れない腹だたしさを感じた日」

2005年10月02日 02時58分40秒 | 浜崎あゆみ
以下は、10/01の『朝日新聞』に載った「みかじょん」こと野口美佳さんの文章です。少子化問題と子育て支援について書かれたものです。



  ある日、銀行の待合席で親子連れと隣り合わせた。2歳くらいの女の子と4歳くらいの男の子。隣にはあか抜けた、知的な雰囲気の母親。でもなぜか表情は硬く、目つきも険しかった。
  女の子が小さく声をあげると母親はすかさず「言うこと聞きなさいと言ってるでしよ!」と大声をあげ、ほおを2、3発ぶった。女の子が泣き始めると、母親は自分の体で隠しつつ、今度は腕をつねり始めたのだ。女の子は泣きやんだが、私は見てはいけないものを見た気がしで、ただただ動揺していた。
  次は男の子がロビーをうろつき始めた。パンフレットをさわったり、テレビの裏側をのぞいたり。すると、すぐに警備員が駆け寄って制止した。「危ないからさわらないでね」
  その時、私はやり切れない腹だたしさを感じた。一体、子どもをどう連れて歩けばいいの?
  あの程度で注意されたら、連れで行ける場所などない。親は常に神経質に、子どもを見張っていなければならないの?
  私は4人の子を産んだ。末っ子の三男はもうすぐ2歳だ。子どもは皆、愛しいが、アクマに思える時もある。コンビニでは商品を床にぶちまけ、電車の中では興奮して大はしゃぎ。遊ぶことしか考えず、こちらの思惑には合わせてくれず、すべての行動に付き添いが必要。
  振り回されてヘトヘトになった時、周りの人たちの手助けが心にしみた。あやしてくれたおばさん、ベビーカーを持って階段を上ってくれたお兄さん。
  昔なら、大家族や地域が若いお母さんを支えていたのだと思う。でも、今の多くのお母さんたちは、夫と2人、あるいはたった1人で、子育てに向き合わなくてはならないのだ。
  その苦労や不安を思って、そもそも子どもを産むことをためらう人がいても、おかしくはない。少子化の一因は、そんなところにもあるように思う。
  私自身、家族や友人に助けられたからこそ、今までやってこられた。ぐちを聞いてもらったり、子どもを預かってもらって遊びに行ったり。家と仕事で生活にメリハリがあったことも、気持ちの切り替えに役立った。
  あの日、隣り合わせた母親はどんな日々を送り、何を思っていたのだろうか。
  せめて私が子どもと遊んであげればよかった。今、とても後悔しています。

  のぐち・みか  65年宮城生まれ。94年に女性用下着などの通信販売会社「ピーチ・ジョン」を設立し、社長兼バイヤーを務める。カタログ「PJ」は250万部発行。




  ちなみに「みかじょん」は、浜崎あゆみがつけたあだ名です。w

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