「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

リビアに記録的豪雨災害をもたらしたメディケーン「ダニエル」<2023年9月

2023-09-13 18:31:57 | 自然災害・気候変動

リビア東部、嵐でダム決壊 2千人超死亡、最大6千人不明と当局発表
2023.09.12 Tue posted at 10:47 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208959.html
リビアで「破滅的」洪水、死者2000人超の恐れ 当局
2023.09.12 Tue posted at 07:57 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35208949.html

亡くなった方にはお悔やみを申し上げ被災者の方にはお見舞い申し上げます。

モロッコ大地震の次はリビアの大洪水で、何か呪われたような気がします。地震の方は関係ないですが、洪水の方は地球気象変動が関係しているようです。

「メディケーン」とは、地中海で発生する熱帯低気圧に類似した低気圧を指した呼称だそうです。ハリケーンから来ているそうです。ハリケーンほどには強力ではないようですが、時々発生して地中海沿岸地域に豪雨災害をもたらします。

2021年10月23日から11月2日にかけてシチリア島からイタリア半島に豪雨をもたらしたのが、「Apollo」と言う「メディケーン」です。
アフリカ大陸北岸で発生し、イタリア半島に豪雨をもたらし、その後東に進路を変えてトルコの内陸部で消滅しました。

今回の「ダニエル」はギリシャ方面で発生し、ギリシャに豪雨をもたらした後、南下して地中海を縦断するうちに勢力を増してリビアに上陸して、リビアでは記録的な豪雨をもたらしたようです。これまでリビアでは、このような豪雨がなかったので、まったく洪水に対するインフラがない状態で豪雨が降ったために甚大な被害が発生しました。

まだ、現地は救助隊も入れないような惨状のようです。被害の実態すら全く分かりません。広範囲で大洪水が発生したために、全てはこれからのようです。

ワールド
2023年9月5日8:55 午前Updated 7日前
スペイン中部で大規模洪水、3人死亡 記録的降雨で
https://jp.reuters.com/article/europe-weather-spain-idJPKBN30A1CG
スペインの沿岸地方を中心に豪雨災害があったばかりです。こちらは、「メディケーン」なのかは不明ですが、地中海で発生した低気圧であることは確かです。

どうやらこれまでは、どちらかと言うとアフリカ大陸の北岸の方で発生し、それが地中海を北に横切ってヨーロッパ側に豪雨をもたらすパターンだったようです。

今回は、ギリシャのエーゲ海かイオニア海で発生し、いったんギリシャに豪雨をもたらした後、地中海を南下してリビアに上陸しました。

こうなってくると地中海中どこででも発生し、どこに豪雨災害をもたらすか予測のつかないことになります。今後は、降雨のほとんどないアフリカ大陸北岸諸国でも、今回のリビアのように豪雨に見舞われるケースが出てくるかもしれません。ほぼ、どこの国も普段雨が降りませんから甚大な豪雨災害が発生するかもしれません。

地球気象異常は、これからはどの地域にどんな災害をもたらすのかは、予測不能になりつつあるのかもしれません。

欧州の熱波と干ばつは、もう異常気象ではなく普通になってしまいました。豪雨が降ったからギリシャの大規模山火事は消えたと思いますが、降らなければまだ燃え続けていたかもしれません。豪雨が降らないと大規模山火事は消えません。

その意味でギリシャには恵みの雨と言えますが、リビアでは地獄の雨になりました。

※物凄く無責任だと思う報道
『リビア東部に「壊滅的」な嵐、洪水で150人死亡』
2023年9月12日 12:33 発信地:ベンガジ/リビア [ リビア トルコ 中東・北アフリカ ギリシャ ブルガリア ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3481176?cx_part=top_topstory&cx_position=1

「東部のメディアは、ハマド氏のコメントを大きく取り上げているが、被災各地から寄せられた情報を見ると、犠牲者数はこれを大きく下回っている。」
これを読むと、それほど死者はいないような印象を受けます。

「代表議会首相のオサマ・ハマド氏はデルナ市だけでも2000人以上が死亡、数千人が行方不明になっている」と述べています。
「ただし、この数字について医療および救急当局は確認が取れていないと指摘している」

当然ですね。取り敢えず豪雨がやみこれから本格的に救助活動が始まります。数など分かるはずがありません。沿岸地域の住民は、どれだけが海に流されてしまったのかは当分、確認しようがありません。道路も連絡網の寸断されている状況では、実際の被害者の総数が判明するのは、かなり後になります。取り敢えずは、死体を探してその数を数えていくしかありません。

「被災各地から寄せられた情報」は単にその時点での死体の数を数えたに過ぎません。すでに今の段階で犠牲者は4000人~5000人を超えるのではないかと言うのが、オサマ・ハマド氏の見込みです。最低の数を推測して言っているのであって、実数はそれ以上で不明だと言っています。

1000人にも満たない数と5000人以上総数不明では、全然意味が違ってきます。記事を読むと少ない方になります。

そして今回の被害は、反政府勢力の地域に集中しています。それが更に被害の把握と救助を困難にしています。現在、国際的に認知されているのは政府勢力の方です。

いやしくも通信社が、誤解を巻き散らかすような軽はずみな記事を配信してはいけないと思います。フランス語系の地域や日本には、この情報が流れます。


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