杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログ

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メタモデルに惹かれて その2「歪曲」

2007-01-29 | クリニック通信
前回からの続きです.

第二に「歪曲」というメタモデルがあります.
「歪曲」とは必ずしも事実ではない意味づけや決めつけのことです.

例えば「前提」というカテゴリーでは、子どもに向かって「なんでキチンとやらないの!」というメッセージがあるとします.この場合、「キチンとやること」が大前提になっており、そもそもやらなくてもいいかもしれない、という選択肢は隠されてしまっています.

私がよく使う「前提」は、注射をうちにきた子どもに
「痛くない注射にする?それとも痛い注射にする?」という質問です.
この場合、注射をしないという選択肢を隠してしまっているので、
子どもは「痛くない注射にする..」と応えざるを得ません.(^_^;)

また「因果関係」というカテゴリーでは、「妊娠中に牛乳をのんだから、子どもがアトピーになった」というメッセージを例にとりましょう.この場合、妊娠中に牛乳を飲む事が子どものアトピー性皮膚炎の原因になったと信じ込んでいる事がうかがえます.

サイエンスは常にこの因果関係をいかに多くの人を信じさせる事ができるかで決まるようなものです.「恐竜が絶滅したのは、巨大隕石が衝突したせいである」「胃がんの原因はピロリ菌である」といった学説はあくまで仮説であり、未来永劫つづく事実とは限りません.

特に医学の分野では因果関係が数年でひっくりかえされることが多く、(傷には消毒とガーゼ、と思っていたりしませんか)風邪をひいたら抗生剤を処方するのが間違っていたりしても、なかなか変化に対応できない医師もいます.

また、根拠のない憶測というカテゴリーでは、
「あの人から嫌われている」というように、その人に本当の気持ちを聞いてみたわけではないのに、証拠もなく他人の考えが分かると決めつけてしまう人が少なくありません.

もし、貴女が「いやらしい目つきでみられた」と思っても、もしかするとあなたの洋服につけっぱなしになっている値札をみているだけかもしれません(^_^;)

 私の場合はよく子どもから「怒っている?」と質問されることがあります.
実はぼうっと考え事をしているだけなのですが、そのときの顔が怒っているときの顔と似ているようなのです.子どもの様に質問さえしてくれれば「いいや、怒っていないよ.ごめんごめん.考え事してた」とか、「うん、怒っているよ.おもちゃを散らかしっぱなしにしないで片付けてほしい」と正しく自分の気持ちを伝える事ができるのです.

そして、次は「省略」に続きます.
To be continued...

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