KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

ふたたび、オタク研究へ:窪田光純『同人用語辞典』

2008-05-16 21:47:26 | 研究
水戸芸術館のフィールドワークと、学会発表原稿の準備がようやく一段落したので(学会発表は今月末ですが)、
ふたたび、オタク研究へ舞い戻ってきました。

実は今年の9月までに、共著で「腐女子」論文を書く予定なのです。
うーん。久々のオタク関連仕事。
超がつくほど、うれしいです。

・・・というわけで、数年ぶりに資料をあさるためネット・サーフィンしてたら見つけちゃいました。

窪田光純『同人用語辞典』(秀和システム)

発行日は2004年8月17日。

わたしが本格的に「やおい」の研究をしだしたのが、2004年4月。
修士論文を出したのが2005年1月ですから、ちょうどリファレンスしにくい時期だったんですね。(さすがに修士論文提出まであと半年になってからネットサーフィンをする余裕は・・・たらーっ(汗))
しかもそのあとも怒濤のごとく、文化部調査だ、水戸芸術館の調査だと走ってまいりましたので、ゆっくり文献探す暇もなかったような気がします。

そんなわけで、今の今までその存在を知らぬままにきてしまった『同人用語辞典』。
これがあったら、どれだけ論文執筆を楽に進められたことか・・・!
と、ガックリきました。
・・・いや、もう最近だと『現代用語の基礎知識』にも出てるし、フリー百科事典Wikipediaの定義を論文に引用しても(サブカル研究界では)認められるような風潮になってきたし、それほど問題にはならないんですけどね・・・。

『ニューデイリー新語辞典』か何かで無理矢理調べていたころがなつかしい・・・。

しかし、この『同人用語辞典』。
なにが面白いって、ヲタ(男オタク)用語も腐女子(女オタク)用語もどちらも掲載されていることです。イラストはめっちゃヲタ向けなんだけど、内容はそれほどヲタ向けではなくて、「やおい」の語源が、1979年に発行された同人誌『らっぽり やおい特集号』でのフリートークだという・・・イマドキの腐女子の中には、けっこう知らない人がいるような情報まで掲載されています。
(「やおい=やまなし・おちなし・いみなし」だということはけっこう知っているらしい。)

そんなわけで、パラパラ読んでると、ヲタ用語にも詳しくなってきて、なかなか異文化体験です。
実を言うと、この本で
「♪つるつるぺったん もちぺったん♪」
の「つるつるぺったん」=「つるぺた」の正確な意味を知りました。
てっきり「巨乳」の対義語だと思ってたら、
どっちかっていうと「ロリ」の類義語だったのね・・・。

「わたしは「貧乳」ではあるけど、「つるぺた」ではない」ということを理解しました。
・・・なんだかこの文、例文として使えそうでイヤだなぁ。

オーディエンスの男オタクのみなさん。
この用法、合ってますか?


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1 コメント

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続報 (kimsiteva)
2008-05-17 18:06:45
この記事をアップして、5分後くらいに、
現役男子高校生から、
「えっ!『つるぺた』って常識だと思ってました。オレマズイナー」というような、コメントを(個人的に)いただきました。


・・・ったく。イマドキの高校生は・・・(汗)
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