ミハ缶ブログ

ヘタレ大学院生が綴る日常と非日常。
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個人が宇宙開発へ参入できる時代に

2010年11月14日 | 2010年以前の記事
80万円で打ち上げられるDIY衛星キット(WIRED VISION 2010年8月5日付け 2010年11月13日確認)
先日、とある授業で雑談として、「こんなのがあるよ」と、先生から教えて貰いました。
アメリカの航空宇宙関連企業が販売しているものだそうです。キューブサット程度の大きさの人工衛星のキットで、打ち上げ費用(多分、相乗りでしょうけど)を含めて、8000ドルだそうです。8000ドルを今の相場で調べてみたら、なんと、60万円程度でした。20万円OFFとは、いやぁ、円高って良いですねぇ(何
60万円というと、一昔前のノートPCと同じような価格ですし、大学レベルというか、もはや、部活レベルでも(やろうと思えば)できちゃいそうです。いやはや、凄い時代になったものです。

……とか思っていたら、もっと凄いものを発見。しかも、日本製!
新製品:空庵、「人工衛星キット」の販売開始(街の灯 2006年8月7日付け 2010年11月13日確認)
空庵:超小型衛星キット CANSAT KIT(2008年3月7日付け 2010年11月13日確認)
情報が大分古いですが、もし今も売ってるなら、21万円だそうです。
ただしこちらは、打ち上げ別途ですし、そもそも、宇宙空間に対応していないそうです。主な用途としては、観測用ロケットや、気球で打ち上げて、パラシュートで降りてくる間に撮影などのミッションをこなす……といったもののようです。
ただし、気球レベルでも、高高度まで飛ばす事ができるので、それだけでも、個人レベルでは、なかなかのものでしょう。

予算7万円弱で高度35000mから地球を撮影する事に成功した英国人男性、NASAから撮影方法について問い合わせがくる(デジログ! 2010年4月3日付け 2010年11月13日確認)
この人の場合は、普通のカメラを気球にぶら下げたようです。尤も、耐寒のために断熱材に入れたり、回収のためにGPS装置を入れたりしたそうですが。
リンク先に、画像と動画がありますが、この画像を個人で撮影したというのは、容易には信じられませんよね。左上の方に「NASA」のロゴが入っていたり、右下に「JAXA」のロゴが入っていても不思議じゃないぐらいだと思います。
これらの画像や動画が、たった7万円で撮影できるとは……、凄い時代になったものです。

携帯や玩具を使った低コストのNASA衛星(WIRED VISION 2010年8月16日付け 2010年11月14日確認)
「アポロ宇宙船に積まれているコンピューターは、現代の100円電卓と同等レベル」だとか、「人工衛星のコンピューターは、ファミコンと同等」などといった話は、割と知られているように思います。……まあ、今の人工衛星については、もう少しマシなコンピューターが使われているような気もしますが。宇宙空間というのは、特殊な環境なので、様々な部品も、それ専用に作られています。結果として、どうしても、性能的に劣るんですよね。
しかし、一方で、「本当に、宇宙空間専用の部品じゃないと、本当にダメなの?」というアイデアも、あります。「はやぶさ」に積まれていた探査ローダー「ミネルバ」は、大半の部品が、民生用だった事で知られています。搭載カメラなんか、SONYのVAIOのものを流用しているとの事でしたが、記録的な太陽フレアをものともせず、ちゃんと動作しました。
民生部品を使った低コストの人工衛星が実現できれば、もっと気楽に人工衛星を打ち上げる事ができるようになりますし、必要に応じて打ち上げて、数ヶ月で再突入・消滅するといった、「使い捨て人工衛星」みたいなものも作れるようになるでしょう。それに併せて、個人でも、丁度、PCを組み立てるみたいに人工衛星を組み立てて打ち上げる……なんて事も、できるようになるのではないでしょうか。
うはwwwwww夢広がりまくりングwwwwwwwwwwwwwwwwwww



ただし、問題が一つ。日本では、色々と法律による手続きやら規制が厳しく、JAXA以外が、一定高度以上に飛ぶロケットを作れなかったり、気球を上げるのに面倒な手続きが必要だったりするんですよね。
そりゃあ、航空機とニアミスしたら困るというのは、解りますが、どこか南の方に特区を作って、自由に打ち上げれるようにできればいいのに。

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