☆ 土産品売り場のヒット商品を狙え
国内旅行における支出額調査によると、土産代・買物代は飲食代より多く、その額2,9兆円。この約3兆円の市場に活路を見いだそうとする動きをみる。
「白い恋人」の賞味期限改ざん問題で主力商品を失った北海道千歳空港の土産物売り場に、隠れたヒット商品が生まれている。
カルビーが提供する「じゃがポックル」は北海道産ジャガイモを皮付きでカットし揚げたスナック菓子で、2,30分で売り切れる人気商品。ほぼ手作りで中身のほくほく感が人気の秘密だ。
さらに、生産量の少なさもあって希少価値を生みネットオークションでも取引されるほどになっている。
小売りの現場では、カルビーに対し増産の希望をだしているが、年間を通して販売数にばらつきの大きい土産物は、その生産コントロールが難しいようだ。
それでも、少子化で一般の菓子市場が縮小する現在、メーカーにとって3兆円市場は魅力的であることも確か。また、土産物は配送コストを吸収できることや、消費者の即時購入のため、価格競争にならないというメリットもある。
しかし、その市場でヒットを生むのは思った以上に簡単なことではないようだ。同じ北海道で9月から販売予定のコラーゲン入りラーメンは、割高感もあって、試験販売での反応は鈍い。
東北新幹線の終点となる青森県八戸駅は、街を代表する土産品がない。
そこで、八戸商工会議所が動き出した。青森県特産のリンゴ紅玉を利用しようと考案されたのは、街のラーメン店が所属するラーメン会と協力してつくった「冷やし八戸中華」だ。リンゴから作った酢がタレに含まれるという物。
ねぶた祭りを初めとする東北夏祭り期間中の夏季限定として販売を開始した。
八戸駅では、2010年新青森駅開業で途中駅となってしまうため、利用客の減少が予想される。新たな土産品で集客をできるかが大きな課題のようだ。
駅ナカの店舗化が進み、土産品市場も拡大が予想されていますが、限られた購入時間、限られた販売時期、そして限られた販売地区という制約があります。
その制約を逆手にとって、うまくメリットへ転換できることがヒットの鍵になりそうです。
冷やし八戸中華