本当のヨーガを体得しましたので皆さんにご紹介したいと思い、これからいろいろと活動していきます。

 私の体験したヨーガの創始者はゴータマブッダ、即ちお釈迦さんで、日本には大正時代に中村天風によってもたらされました。

8正道とヨーガ8則

2015-08-24 17:29:30 | 日記
 「ヨーガ学派の開祖とされるパタンジャリは、当時存在していた種々の行体系を統合しようと、根本経典『ヨーガ・スートラ』(2~4世紀頃)を編纂した。」(ブリタニカ国際百科事典)とされます。

 また、世界大百科事典(平凡社)はヨーガ・スートラについて「この経典は古くからさまざまな形態で存在していたヨーガを、仏教の影響のもとに、サーンキャ学派の学説を借用して体系化したものである」と言っています。

 ヨーガには3種類(古典ヨーガ、ハタヨーガ、現在のヨガ)ありますが、ヨーガスートラのいうヨーガは古典ヨーガです。

 ヨーガ・スートラは「無想三昧を(古典)ヨーガである」と規定しますが、スートラ自体が仏教の影響の基にまとめられた、という点が需要です。釈迦在世時の仏教者はヨーガ行者とも評されていました。

 釈迦が生まれた当時はバラモン教の時代でした。

 釈迦は出家後(2大)仙人のもとで修行しましたが彼等のレベルの低さに失望し、次に苦行に打ち込みます。
 それでも何も得られなかったので苦行を捨て菩提樹の根元に坐り悟り(無想三昧)を会得しました。
 その悟り(無想三昧=無我の境地)を得た行法を4禅にまとめ、仏教理論を四諦にまとめて元の仲間に説法しました。これを初転法輪と言います。

 ヨーガは釈迦が出る以前から存在し釈迦もそれによって修行をしたのです。彼は誰も無し得なかった無想三昧を体系化し教えました。だから何の実績も名もない彼の元に沙門達が集まったのです。

 ところが彼が死ぬと不出来の弟子達は急速にバラモン教化して行きました。この点は原始経典にも多々見られます。
 彼等は釈迦の4禅、四諦が分からず、4禅の一部にバラモン教の考えを取り入れて8正道を作りました。

 仏教の影響を受けてまとめられたヨーガにはヨーガ8則と言う修行法が有ります。この二つを比較してみましょう。

 仏教の8正道            ヨーガ8則
①正見(正しい見解)         ①制戒 五戒(不殺生、真実語、不盗、不婬、無所有)
②正思惟(正しい思惟)       ②内制(内外の清浄、満足、苦行、学習、専念) 
③正語(正しい言葉)        ③坐法
④正業(正しい行ない)       ④呼吸
⑤正命(正しい心の落着き)     ⑤制感(感覚の抑制)
⑥正精進(正しい努力)       ⑥総持dharana
⑦正念(正しい心の落着き)     ⑦浄慮dhyana
⑧正定(正しい精神統一)      ⑧三昧samadhi
 (岩波仏教辞典)           (ヨーガとサーンキャ思想 中村元著 春秋社刊)

 いかがですか?これだけではなんのこっちゃ?となりますか。ところが⑤以降の絞ってみると分かるのです。
 ⑤はじっと座って心が落ち着き(仏教)、五官が静まってきた状態(ヨーガ)です。
 ⑥、精進とは心を何かから遊離させるための行。総持とは、その為に鼻の先や指先などに精神を集中し余計な事を考えない精神状態に入ることです。
 ⑦はdhyanaとあるように「本当の自己を知得しようとする」行法です。
 ⑧はsamadhiとあるように本来は無想三昧を会得する行法です。しかし仏教はヨーガで言う無想三昧を喪失してしまいました。そこで本来⑦の禅定(dhyana)に入るべき有想三昧4をここに入れてしまいました。

 これらの事はヨーガ・スートラと仏教とを見比べて考えて分かる事です。

 他方、ヨーガ8則の①~④はバラモン教そのものでしょう。
 
 仏教の8正道のそれ(①~④)はバラモン教とは関係ないようです。恐らく「われわれはバラモン教のとは違うのだ!」と主張するために考え出したものでしょう。だから何の事やら分からぬものになったのです。

 それなのに現在の仏教理論は
 四諦ー苦
    集  
    滅
    道 ー 正見
        正思惟
        正語
        正業
        正命
        正精進
        正念
        正定 ー 4禅
などと解説しています。是では釈迦の仏教は分かりません。

 ところで仏教には六波羅蜜多が有ります。
①布施(dana-paramita)
②持戒 (sila-paramita)
③忍辱 (ksanti-paramita)
④精進 (virya-paramita)
⑤禅定 (dhyana-paramita)
⑥智慧 (prajna-paramita)

 これをヨーガ8則と見比べてみるとまた違う事が分かります。ヨーガ8則の①制戒は不殺生、真実語、不盗、不婬、無所有ですが、仏教の持戒には無所有が無く代わりに不飲酒(酒を呑むな)と有ります。無所有は布施として一番に入っています。

 因みに布施(ダーナ・dana)が日本語で言う檀那(ダンナ)です。檀那とは出家(沙門)に食物を無償で提供する人の事を言います。

 六波羅蜜の④精進が精神を一点に集中した後、一切の思いを捨て去る行法。⑤禅定が「真実の自己を知得する行」。本来はこの事を(⑥の)智慧と言います。
 智慧の意味を「この世の真実を知る事」などと考えたのは、仏教が無想三昧(=無我の行=涅槃=空)を喪失した事を表しています。

 このようにあれもこれも総合的にみて行く事が重要です。

 ところで、南方上座部仏教は十派羅蜜多です。①布施 ②戒 ③出家 ④智慧 ⑤精進 ⑥忍 ⑦真実語 ⑧決意 ⑨慈 ⑩捨
 本当は⑩の捨とは⑤の精進のことです。

 さて皆様は六波羅蜜と六波羅蜜多どう違うのか分かりますか?中味は同じです。パーリー語ではパーラミーと言いますがそれを漢訳して波羅蜜、サンスクリット語ではパーラミータ、それを漢訳して波羅蜜多です。


 本日は是にて失礼します。

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