きょうの新聞で、北陸電力の株主総会で臨界事故隠蔽について批判続出という記事を読んでいて、ふと思い出したこと…。
昔、ある電力会社の原発建設予定地の事務所で地元対策をしている人と、仕事の関係でお酒を飲む機会がありました。楽しくなかったけど、興味深いお話もきけました。
酔いがまわってきて、いろいろ本音がポロポロと…。
ほどんど毎日、夕方5時少し前になると事務所にやってくるおっさんがいる。ひとりのときもあるし、2、3人連れてくることもある。
自分の顔をみるなり、「きょうはどの店に行く?」。
必ず2軒、3軒とはしご酒。財布を出そうとしたことは一度もない。そのくせ、連れてきた人には、まるで自分がおごってやったみたいに恩を売るようなことを言う。
会話は愚にもつかない与太話ばかり。
建設予定地近くの区長をしているので、機嫌をそこねると何を言い出すか分からず、それで仕事が遅れたら上からしかられるし、会社の金だからつきあっているが、たかり根性のきたならしさがどうにもいやだ。虫酸が走る。
こういうのが一人やふたりじゃない。
こんな連中をたよりにしているようでは、原発なんかできないし、できたところで地域振興なんてありえない。
……と、まあ、こんなお話でした。
事務所の職員はそれぞれ同じようなおっさんをひとりかふたり抱えていたそうです。
みんなの願いはひとつ。早く本社に帰りたい。
仕事をがんばらないと本社に呼びもどしてもらえないし、あんまりがんばりすぎると「あいつは現地になくてはならない」となって帰れなくなるし、加減がむずかしいと嘆いておられました。
気の毒といえば気の毒ですが、何やってんだか、あまりにトホホな話で返事にこまりました。
そういうお仕事の延長に原発完成があったら、たまったものではありません。