昨日は、高校3年生の基礎クラスをの後で、向陽の2年生バスケットボール部の生徒を個別に補習を行って、そのあと、8時半から、北高校と那賀高校の野球部の1年生に授業をしました。今まで、家に帰っていた時間を、補習に使うのは、なかなかいいです。日頃の授業ではわからない、その生徒の姿が見えてきます。せっかく、たくさんある塾の中から、KGを選んでやってきてくれた生徒に、少しでも、行ってよかった!と思ってもらいたいのです。
昨日の新聞に、大卒で就職をした人の、3年以内のそれぞれの業種での離職率が出ていました。1位は、「教育支援業」いわゆる塾や、予備校、私立の学校です。48%を超えていました。半分の人が3年以内にやめてしまう業界、それが塾です。
辞める理由は、「思っていた仕事と違う!」、それが一番の要因だと思います。たとえば、化学薬品の会社で働くとします。その業界のことについて詳しい学生なんて、ほとんどいませんよね。だから、かえって与えられた仕事を、「こんなものか。」と思いながらやり続けられると思うんです。
ところが、塾の業界だと、学生時代に、何らかの形で、教えてもらったり、バイトに行ったりして自分にとっては、親しみのある業界です。こんな先生になりたいという自分なりの夢も持っています。しかし入ってみると、教えるという教師の役割と、営業活動をするという、経営を考えた面との、相反するギャップに耐えきれなくなってしまうのです。真面目に、生徒のためにと思ってこの業界に入ってきた人ほど、悩みます。
入社するとすぐに、自分の受け持ったクラスの、夏期講習の出席率を上げること、それをまずひたすら、要求されるのです。生徒のこと、その家庭のことを考えると、日ごろの月謝に加えて、高い夏期講習代をさらに請求するのは、心が痛みます。しかし、それでも出席率を上げないと上からしかられる。経営第一だったんだということを思い知らされるのです。
ある、株式を上場している塾の経営者と話をしたときに、彼がこう言ってました。「日本人は、なかなか自ら進んで手をあげたりしません。夏期講習に参加する人?と言っても反応はないです。そこで、うちの塾では、夏期講習に参加しない人手をあげてというようにしてるんです。そうすれば手をあげないでしょう。出席率が高いですよ!」
そりゃそうかもしれません。しかしなんか、あくどい業者のようなやり方に思えて仕方がなかったです。そういうことをしないと、株式を上場するような大きな塾になれないんだと思いました。ただ、大きな塾になって、それでその経営者の心が満たされるのか、いや、そんなことを考えるこころさえもない人間にならないといけないのかと思ってしまいました。
今、町の中から、塾がどんどん消えていってしまっています。個人でやってるような塾が少なくなってしまいました。フランチャイズの塾か、大手の傘下に入った塾ばかりになってきました。ただ、個人塾が生き残っていくためには、「生徒のことを一番に考える」、その姿勢をしっかり示すことだと思います。