けやき便り

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転倒に気をつけましょう!

2013-01-28 14:06:44 | Weblog
皆様こんにちは。
年が明けたと思ったらもう1カ月が過ぎようとしておりました・・・

遅くなりましたが、本年も宜しくお願い致します。

1月に入り盛岡は冬本番となってきましたね。
毎日降り積もる雪を眺めたり、
時には格闘したりと
しばらく雪とのお付き合いが続きそうです。

そして、やはりこの時期1番気をつけていただきたいのが
転倒です。
転倒は不意に起こります。
明るい日中でも、
雪で見えなくなった段差につまづいたり、
滑ってバランスを崩したり、
冬道にはあらゆる危険が潜んでいます。

転倒によりけがや骨折へと至ってしまった患者様が
当院にも目立ち始めました。

先日あるデータを目にしました。
2001年から8年間の間に鳥取大学の先生が集めたものです。
高齢者の大腿骨近位部骨折(股の付け根の部分です)
で受診した患者を調査したところ、引き金となるのは
単純な転倒が77.7%と最も多く、
次いで交通事故が8.3%
階段での転倒が5.6%であるというものです。

大腿骨近位部骨折は現在わが国で約20万人あまりおり、
1度起こすと寝たきりになりやすい上に、
生命予後を悪化させ
生存率を大きく低下させることも明らかとなっています。

骨折は1度起こすと次々と他の部位の骨折を起こしやすく
なることは広く知られています。

骨折の発生部位でみると、50代から60代では
手や腕の骨折が多く、
高齢になるに従って脊椎、大腿骨と重篤な骨折が
増加していきます。

若い時期から軽微な骨折でも軽視せずに、危険な骨折に
つながる可能性がある事を知っていただきたいと思います。

雪の道路での転倒には環境の要因も多く潜んでおりますが、
室内の段差などでの転倒の背景には
加齢による筋力低下や
複数の薬剤を服用していることによる関連もあります。
そして、骨折の要因としては
骨粗鬆症に伴う骨強度の低下が考えられます。

骨折を以前にしたことのある方は骨密度が低下しており
治療の対象となる事もあるので
ご心配な方は骨密度の計測をおすすめいたします。

転倒予防には下肢のバランス強化を意識した
トレーニングが欠かせません。
背骨の周囲や下肢の筋肉をバランスよく鍛え、
転びにくい身体を作り、
冬の季節を楽しめることを願っております。