けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

「国民総背番号制」に組み合わせた社会保障制度の提案

2012-06-19 22:58:15 | 政治
昨日のブログで「国民総背番号制」の導入について言及した。実は、この制度が導入されて国民の収入や資産を国家が確実に把握できるようになた場合、新たに導入が可能な制度があると考えている。今日はその制度の提案をさせて頂く。

昨日のブログの中でも少し触れたが、以前のブログ「社会保障の財源への提案」の中で提案した内容を発展させると、幾つかのバリエーションを考えることができる。ここでの基本的な考え方は、一旦は年金や介護保険や社会保障などの形で国民に支給された財産に限定して、死後には子供世代に引き継がさせず、高い相続税率で回収するという方式である。

ひとつ例を挙げてみよう。少し話が逸れるが、日本航空の破綻に関連し、JALは様々な形で生き残り策を協議した。現役社員に対してはリストラや減給、退職金の減額など様々な厳しい条件を強いるのに対し、すでに逃げ切りとでも言うべき企業年金の受給者に対し、(これまで通りの高額な年金ではもたないので)年金支給額を減額させて下さいと提案した。最終的な決着はともかく、この問題は中々折り合いがつかなかった。今後も企業年金の破綻などの様々な問題が起きるだろうが、既得権益となっている人々に対して痛みを強いらなければ、企業自体が潰れて年金も破綻することになる。一方で、年金の減額は既に生活設計が出来上がっている高齢者世代に対し、急激な生活水準の低下を余儀なくすることにもなる。この様な場合、本来は減額されて受け取れなくても仕方がない差額分に対し、国が一旦肩代わりして支給し、その代わり、死後に財産が残された場合には残された財産から肩代わりして国が支給したその総額を、相続税率100%で課税するとすれば、少なくとも年金受給の当事者には影響を排除することができる。影響を受けるのは、その財産を相続する子供世代である。しかし、緊急避難的な肩代わり支給は当事者を救済するためであり、その子供世代まで便宜を図る必要はない。その様に割り切れば、肩代わり支給を何処まで後のち回収できるかにもよるが、回収率がある程度期待できればこの手の問題の救済策として、少ない真水の投入金額に対してその何倍もの効果を上げることが出来るかも知れない。生前贈与で資産を移動して逃げることがないように、適宜、贈与に関する法整備なども必要になるのだろうが、基本的な考え方は理解頂けると思う。

ちなみにこの手の方式は、別にこの様な特殊な(年金の3階部分に相当する)企業年金などを想定しなくても、ごく一般的なケースを想定しても適用可能である。例えば、現在、年金の支給開始年齢の引き上げの話題が出ているが、人によっては再就職も出来ずに稼ぎがなければ路頭に迷うことになる。その様な人々に特別年金制度と称して「つなぎ年金」を支給する代わりに、その支給総額に対しては相続時に100%の相続税を課税すればよい。他にも考えられる。現在の国民年金の支給額は7万円程度で、生活保護受給者の受給金額よりも国民年金のみの額は遥かに低額である。この様な状況を考えると、民主党が主張する最低保障年金ではないが国民年金に月額1~3万円程度の上乗せを行い、この上乗せに相当する支給総額に対しては同様に相続時に100%の相続税を課税するという方法も考えられる。

さらに発展させてみよう。子供手当てとして支給した税金に対し、その子供が成人後(ないしは「大学(院)卒業と25歳のいずれか早い方」としても良い)に親が死亡した場合、その支給総額に対しては相続時に100%の相続税を課税するとしても良い。大抵の人は子供が成人後に死亡するから、これはそれなりの回収率を期待することが出来そうである。もちろん、支給済みの子育て手当を回収できるのは20年以上先であろうから、短期的な財政の穴埋めには役に立たないが、少子化対策や財政再建は既に長期的な視点に立った制度設計が求められるから、長期的に見れば子育て手当に必要な真水の財源は、単年度の支給総額に比べれば大幅に節約できるのではないかと思われる。

とまあ提案を説明してきたが、この様に言うと、生活に困る低所得者にお金をばら撒き、結局、回収できなければそれを税金で埋めなければならないだろう・・・と思う人が多いと思う。確かに、正確な試算は専門家に行って貰うしかないが、大抵の人は、もしもの時のために幾ばくかの資産を貯めておき、死期が近づいたからといって全額使い切ってから死ぬわけではない。さらに、持ち家があれば、それが相続財産として残ることにもなる。国民年金の1号被保険者の中には、確かに非正規雇用などの低所得者も多く存在するが、農家や自営業などでそれなりに財産がある人は多い。当然、全額が帰ってくる訳ではないが、ある程度の割合で相続税として戻ってくるのであれば、税金で補填するのはその差額だけで良いことになる。受給者が、「相続税を払うくらいなら使ってしまえ!」と思うなら、それは消費刺激策にもなるかも知れない。

とまあ、色々書かせて頂いたが、相続の話は色々と考慮しなければならない話があるだろうから、追加の工夫は必須である。当然ながら、配偶者がいれば夫婦はセットで考えるべきだから、配偶者がなくなった時点で相続のリセットを行う必要があるだろう。また、マイナスの財産を子供世代に引き継ぐことはあり得ないので、相続財産がなければそれでチャラである。葬儀費用を子供世代に強いるのもなんなので、葬儀費用の実費ないしは固定で100万円ないし200万円程度は別枠で無税にしても良い。さらに生前贈与などをどの様に扱うべきかなども検討が必要である。この辺は幾らでも工夫してもらえば良い。

しかし、隠し財産を作って脱税しようというのは許せないから、この制度の導入には必然的に国家による国民の資産の完全把握が必要になる。だから「国民総背番号制」の導入が、私の提案する上述の制度には前提として必要になる。この「国民総背番号制」を併用し、色々議論を尽くせば、きっと良いアイデアは見つけられると思う。如何だろうか?

←人気ブログランキング応援クリックよろしくお願いいます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿