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ウソ<4> 大筋合意は「歴史的快挙」…玉虫色、茶番だらけ
2016年10月28日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192786
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著者のコラム一覧
鈴木宣弘東京大学教授
1958年、三重県生まれ。82年東大農学部卒。農水省、九州大学教授を経て、06年から東大教授。専門は農業経済学。「食の戦争」(文芸春秋)、「悪夢の食卓」(角川書店)など著書多数。
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茶番の合意だった(甘利TPP担当相・右とフロマン米通商代表)/(C)AP
昨年10月、アトランタでTPPの「大筋合意」が行われ、「歴史的快挙」などといわれたが、その裏で何があったのか。
日本政府は訪米前から「オバマ政権のために、今回こそ決めてやる。譲れるものはすべて譲る」という方針だった。
農林水産業に関しては、すでに1年前に譲り終えていたし、日本にとって数少ない利益が確保できる分野とされた自動車ですら譲ってしまっていて、もう他に譲るものがないから、日本の担当者は交渉会場をブラブラしていた。
それを見て他の国は、「あれほどの経済大国の日本が、国民の利益をよくそこまで譲れるものだ。日本は米国の草刈り場みたいなものだ」と感心していたという。それに対して日本は「何だ。まだアメリカと闘っているのか。早く譲ったらどうだ」と怒っていたという。
日本が最終合意に向けた切り札として用意していたのが“玉虫色”だ。政権党幹部がアトランタに行く前にこう漏らしていた。
「最後までもめる案件が残ったら、そこは日本の得意技『玉虫色』の出番。どっちにも取れるような表現の条文をつくって、形式だけでも合意した形をつくろう」
実際、新薬のデータ保護期間で、日本は本当にそれをやった。
政治と結びつく米国の巨大製薬会社が、「人の命を縮めてもデータ保護期間を長くして、安いジェネリック薬をつくれないようにせよ」と要求していた。
それに対して豪州やマレーシアが、「そんなことをしたら人の命が救えない」と反対した。保護期間を米国は当初20年、最終的には12年と言っていたが、豪州やマレーシアは5年を主張、隔たりは縮まらなかった。
そこで日本が登場して、8年とも5年とも取れる曖昧表現をつくって条文にしてしまったのだ。
だから、条文の解釈をめぐって今でももめている。豪州は「5年だ」と言って、米国は「そんなわけはないだろう」と怒っている。これが実態である。
“茶番の演出”といえば、こんな話もある。
アトランタ合意の2カ月前のハワイ会合が決裂した際、記者会見で甘利担当相(当時)が血相を変えて、「ニュージーランドが酪農分野で頑張ったのが戦犯だ」と言った。
あれはごまかしである。
日本が自動車での利益確保にこだわったのが大きかったと海外のメディアは一斉に書いていた。
ところが日本のメディアは全部ニュージーランドが戦犯だと書いた。後に自動車で譲歩することになるのは明らかだったので、それが国民に知られるのはマズいと、日本政府が日本のメディアを抑えたからだった。
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柴山補佐官、南スーダンへ 新任務にらみ情勢把握
(2016/10/30 23:48カテゴリー:政治) 福島民報
http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2016103001001865
柴山昌彦首相補佐官(自民党衆院議員)は30日夜、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊部隊の状況を視察するため、現地に向けて民間機で成田空港を出発した。キール大統領らと会談し、安倍晋三首相の親書を手渡す予定だ。安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」などの新任務付与の最終判断を見据え、現地情勢を把握する。
出発に先立ち、柴山氏は成田空港で記者団に「部隊の活動状況をしっかりと視察し、その実情を把握したい。新たな任務の判断に有用な資料となるような報告をしたい」と強調した。
当方注:
「ハッハ、ハ」とうとう、稲田防衛相は、役立たずと言う事を明らかにしたようだ。
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次期陸自部隊、南スーダンへ 来月20日、新任務も付与
(2016/10/28 19:50カテゴリー:政治) 福島民報
http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2016102801001998
防衛省は28日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)で、陸上自衛隊第5普通科連隊(青森市)を中心とする次期派遣部隊の先発隊が11月20日、青森空港から現地に出発すると発表した。
政府はこの派遣部隊に、安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」などの新任務を初めて付与する方針を固めている。
派遣される11次隊は、隊長の田中仁朗1等陸佐ら約350人の態勢。先発隊は約130人で、残りの主力隊員は11月30日と12月14日に分けて、青森空港を出発する。現地で活動中の10次隊との交代は、12月上旬~中旬になる見込みだ。
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安倍政権に激震 日ロ首脳会談は北方領土“ゼロ回答”確実に
2016年10月30日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192889
握手を交わしてはいたものの…(C)AP
やっぱり北方領土は“ゼロ回答”に終わりそうだ。「有害だ」――27日、ロシアのプーチン大統領は、いつまでに日本との平和条約を締結するか、期限を設けることについてこう発言した。
菅官房長官は「簡単にすぐ(締結)できるものではない」と冷静を装っているが、安倍政権に激震が走っている。
12月15日の地元山口での日ロ首脳会談で、北方領土問題での進展を目指していた安倍首相。しかし、島の返還どころか、スケジュールすら立てられない空っぽの外交交渉になりそうだ。
さらに、プーチンはこうも言っていて、政府関係者はショックを受けている。
「強い信頼関係にある中国との国境画定交渉ですら40年を要した。残念ながら、日本とはその水準に達していない」40年とは気が遠くなる。安倍首相が胸を張っていた“信頼関係”は、完全に足蹴にされた格好だ。元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「プーチン大統領は国民から高い支持を得ているイメージがありますが、ナショナリズムをベースにしたもので、安定したものではない。5月のロシアでの世論調査では8割が日本への島の引き渡しに反対しています。国内世論を無視してまで、日本との交渉を進展させるつもりはないでしょう。日本側は歯舞、色丹でリップサービスしてくれるのではと期待がありましたが、今回の発言でそれもなくなりました」
■日ロ経済協は着々
ロシアサイドは、8月ぐらいまでは、色よい返事をしそうな姿勢だったという。だから日本側も経済協力を約束し、ロシア経済分野協力担当大臣までつくった。ところが最近になって、突然、かたくなな態度になっているという。安倍首相はプーチンの術中にはまってしまった可能性もある。
12月の日ロ首脳会談はどんな内容になるのだろうか。
「酒を交わして、真剣に協議していきましょう、という感じでしょうか。“成果”とは呼べないレベルで、解散総選挙の土産にはならないでしょう。そもそも、本気で締結に向けて詰める気があるなら、東京で開催すべきです」(孫崎享氏)
ロシア政府は25日、日ロ経済協力計画で、極東ロシアの事業規模が約1.7兆円超に達すると発表した。安倍首相は5月、ソチでプーチンに経済協力のプランを提案している。経済協力の方は着々と進行している。
当方注:
私がプーチンの立場なら同じ対応をするであろう。
日本への領土返還は、国際法上問題と認識しつつも、最後の切り札として利用を意図しているからである。
2兆円程度の安易な経済協力には乗らないであろう。
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民進・野田、自由・小沢氏が会談 野党共闘で意見交換か
(2016/10/30 13:20カテゴリー:政治) 福島民報
http://www.minpo.jp/globalnews/detail/2016103001001265
民進党の野田佳彦幹事長と自由党の小沢一郎共同代表が29日に東京都内で会談していたことが分かった。関係者が30日、明らかにした。次期衆院選での野党共闘の在り方や衆院東京10区、福岡6区の両補欠選挙の敗因について意見交換したとみられる。
民進、共産、自由、社民の野党4党は両補選で民進党候補に一本化したものの、民進党は共産党などの推薦を断ったため、小沢氏は野党共闘が「不十分だった」と批判している。
旧民主党時代の2012年、当時の野田政権が成立させた消費税増税法を巡り小沢氏らが造反し、集団離党した経緯がある。
当方注:
小沢氏が集団離党した後、民主党政権は、崩壊した。
今回、民進党の野田は、何とか日本共産党は外せないかと要求したと思料されるが、「連合に振り回されるな」と、小沢氏は、きっぱりと「断った」と推量できる。
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愛国心教育で日の丸・君が代強制 当の本人は「歌わない」
2016年10月29日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/192764
「奉仕」を必修教育化(C)日刊ゲンダイ
石原都政では、教育行政も歪められた。「心の東京革命」と称して、愛国心教育を強制したのだ。
慎太郎のウェブサイト「宣戦布告」を見ると、「心の東京革命」というタイトルでこんなことが書かれている。
〈動物行動学者コンラート・ローレンツの主張の中に非常に興味深いものがある。それは「幼い頃に肉体的な苦痛を味わったことのない子供は、成長して必ず不幸な人間になる」というものだ〉
だから、子供に苦しさやひもじさに対する我慢を覚えさせる必要があると説く。スパルタ教育を信条とする慎太郎は、過剰な体罰で知られる「戸塚ヨットスクールを支援する会」の会長も務めている。こういう偏った思想の持ち主が、トップダウンで都の教育行政を変えていったのである。
2001年、まずは都教育委員会の「基本方針」「教育目標」から「日本国憲法及び教育基本法の精神に基づき」の文言を削除し、代わりに「わが国の歴史や文化を尊重し」と加えた。国が教育基本法改正で目指す愛国心教育を先取りしたのだ。
その真骨頂が、「日の丸・君が代」の強制だろう。03年10月23日の都教委通達で、入学式や卒業式などの行事の際は「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」ことを指示。違反者は処分するという強権で、式典で起立しない生徒がいた場合も含め、担任や校長を大量処分。この通達は現在でも生きていて、都教委によれば「平成27年度の卒業式までに、のべ450人の教職員が処分を受けた」という。
ところが、当の慎太郎は「文學界」(14年3月号)のインタビューで「僕、国歌歌わないもん。国歌を歌うときはね、僕は自分の文句で歌うんです。『わがひのもとは』って歌うの」と話していた。他人には強制しておきながら、こんなフザけた男が教育に介入する資格があるのかどうか。
07年度からは、すべての都立高校に「奉仕」が必修教科として導入された。年間35単位時間。ボランティア活動などを通して、「奉仕活動の理念と意義を理解させる」というものだ。「公(国家)に奉仕する」という国家主義的なイデオロギーを公教育で叩き込むものだと批判されたが、教育現場に右翼的な思想を押し付けていくやり方は、現代版の教育勅語とも言える。
「『奉仕』の時間は、現在の高校1年生から『人間と社会』という新教科に移行しました。道徳的な内容や生き方について考える時間です」(都教委)
右翼教育の“負の遺産”は教育現場に今なお残っている
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