船坂圭之介さん 2009 /2005
2009
触れ得ざるもののひとつよ遥か日の美しき水玉模様のドレス
掌の上に屯ろする影 しろがねの月のしづくのごとく透明
むらさきの冠一斉に向かしめて桔梗自生のままいさぎよし
対向車無きここち良さ→(標識)のままに進めばやがて洞爺湖
戯れ言の一つになれがかかづらふ夜は「氷室」のごとき静寂
ふゆ一夜 惑星直列なせるがに津守の宮に音消えて在り
清浄の波を鎮めて瀬戸内は一夜ひととき訝しき 静
早ばやと窓閉づごとく一枚の画像外しぬ 冬ぞいま逝く
温む田に泳ぐ音符のごとくして若き蛙の仔たちの群れは
吊るされて四肢のあるがに夕映えを拒みつつ編む蓑虫の孤高
みづからを愛(いと)しむ心 約(つづ)まりは薊(あざみ)倒れし後の夕焼け
http://blog.goo.ne.jp/kei5132 (kei's anex room)
http://blog.goo.ne.jp/hiro5713 (日々の歌日記)
またゆっくりと他の作品も拝見させて頂きたく思っております。
2005
葬列へ雨降らすがに雲は寄れど死はつねに濡れたる乾電池
陥(おと)しめて母を哭かしむおとうとの掲ぐ黄薔薇にカインの殺意
たわやすく死の立ち上がる夕まぐれ十字砲火のごとく木枯らし
かすみゆく砂塵の中に隻腕の少女それのみ食(は)むパンの耳
ままならぬ夢のあまたを散らし舞う洗濯機在り春の黄昏
歌ひとつ成すくるしみに疲れたり銀月よ そこを動くな!
桔梗(きっきょう)の濃ゆき薄きをかかへ来て午後の額をひとは白くす
2009
触れ得ざるもののひとつよ遥か日の美しき水玉模様のドレス
掌の上に屯ろする影 しろがねの月のしづくのごとく透明
むらさきの冠一斉に向かしめて桔梗自生のままいさぎよし
対向車無きここち良さ→(標識)のままに進めばやがて洞爺湖
戯れ言の一つになれがかかづらふ夜は「氷室」のごとき静寂
ふゆ一夜 惑星直列なせるがに津守の宮に音消えて在り
清浄の波を鎮めて瀬戸内は一夜ひととき訝しき 静
早ばやと窓閉づごとく一枚の画像外しぬ 冬ぞいま逝く
温む田に泳ぐ音符のごとくして若き蛙の仔たちの群れは
吊るされて四肢のあるがに夕映えを拒みつつ編む蓑虫の孤高
みづからを愛(いと)しむ心 約(つづ)まりは薊(あざみ)倒れし後の夕焼け
http://blog.goo.ne.jp/kei5132 (kei's anex room)
http://blog.goo.ne.jp/hiro5713 (日々の歌日記)
またゆっくりと他の作品も拝見させて頂きたく思っております。
2005
葬列へ雨降らすがに雲は寄れど死はつねに濡れたる乾電池
陥(おと)しめて母を哭かしむおとうとの掲ぐ黄薔薇にカインの殺意
たわやすく死の立ち上がる夕まぐれ十字砲火のごとく木枯らし
かすみゆく砂塵の中に隻腕の少女それのみ食(は)むパンの耳
ままならぬ夢のあまたを散らし舞う洗濯機在り春の黄昏
歌ひとつ成すくるしみに疲れたり銀月よ そこを動くな!
桔梗(きっきょう)の濃ゆき薄きをかかへ来て午後の額をひとは白くす