サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

NHK大河ドラマ「花燃ゆ」 吉田松陰の弟は聾唖

2015年01月12日 | 手話・聴覚障害

忙しさにかまけてブログの更新が滞ってました。
前回から1か月以上、そして今年初めての更新です。
この間いろんなことがあったのですが、今日はNHK大河ドラマ「花燃ゆ」のことなど、さくっとということで。

大河ドラマを久しぶりに見ました。たまたまということは以前もあったけれど見ようと思って見たのはおそらく38年ぶり!38年前も吉田松陰を描いたドラマでもあったわけですが、今回見た理由は、吉田松陰の弟・梅三郎が聾唖でドラマで取り上げられると聞いたから。

大河ドラマ「花燃ゆ」は、主人公・文(ふみ)が遠くにいる吉田松陰の口形を読むというくだりから始まります。いわゆる読唇ですね。
2回目の放送を見ると、どうやら文は梅三郎の口形を読み慣れているからそういったことができるということでもあるようです。そこで疑問がわくのは、梅三郎の頭の中に日本語はあるのかという点です。
2回目の放送では、少なくとも江戸という文字を知っていて空書していました。学問の一家だということで書物を通じて書記日本語がある程度できたということでしょうか?
どの程度かは現時点ではよくわかりません。今後、取り上げられていくでしょう。

ちなみに梅三郎と文とのやり取りは手話ではありません。ホームサインと呼ばれるものです。ホームサインとは家族内や母子間だけで通じるサインのようなものです。身振り手振りで意思疎通をはかることもあるかと思います。 手話は英語で言えば、サイン・ランゲージ。ホームサインは言語ではないわけです。江戸時代以前、聴覚障害者が孤立して生活しているなかでは手話は生まれません。もちろん記録には残らないが手話を使っていたろう者集団、ろう者の2人が存在した可能性はあるでしょうが、少なくともドラマ上の現時点では、梅三郎は身振り手振り、ホームサインを駆使して家族間コミュニケーションをとっているわけですね。

梅三郎に関しては、米内山明宏さんがろう指導ということで関わっておられます。
(米内山さんから手話を習ったこともあります。奥さんからはさらに長期間習ってましたが)
梅三郎に関しての記録はあまり残っていないようです。ディティールに関しては米内山さんが作っていくことも多いと思います。

但し2回を観た限りにおいては、梅三郎の特色を描くべきとスタッフ側が認識しているシーンは米内山さんの意向も汲み取られきちんとしている感じですが、彼も、出ているシーンでは妙に察しのいい都合のよい子どもになり過ぎている印象もあります。
ちなみに現在、聴こえる人の文化(日本)を察する文化、ろう者文化ははっきりものをいう文化と言われています。

まあいずれにせよ、今後も楽しみです。



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