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おすすめ小説第9弾

2010-07-10 09:16:03 | おすすめ小説
最近読んだ小説の一言レビュー第9弾。
今回ご紹介する本たちは、不思議な世界、ちょっと変わったストーリーが多いです。
現実逃避にはうってつけ。
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■脳男

自我を持たないというのがどういうことなのか考えたこともなかったので、鈴木一郎の存在は新鮮な驚きだった。なので、彼がどんな行動をしていくのか興味がわき読み進めた。全体的にスピード感があり、知らない世界も覗けて面白かった
---あらすじ---
連続爆弾犯のアジトで見つかった、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが…。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。


■リヴィエラを撃て(上)

スケールの大きさと複雑な組織関係で、誰が誰の敵なのか混乱しながら読んだが、それが飲み込めてくると面白くなる。裏社会の非常さと裏切りの中で生きていく人間の苦悩が伝わってくる
---あらすじ---
1992年冬の東京。元IRAテロリスト、ジャック・モーガンが謎の死を遂げる。それが、全ての序曲だった―。彼を衝き動かし、東京まで導いた白髪の東洋人スパイ『リヴィエラ』とは何者なのか?その秘密を巡り、CIAが、MI5が、MI6が暗闘を繰り広げる!空前のスケール、緻密な構成で国際諜報戦を活写し、絶賛を浴びた傑作。日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞受賞。


リヴィエラを撃て(下巻)
何かを守るために人を殺すという人間の愚かさを感じた。各国の陰謀、複雑な組織、歴史的背景などがすべて緻密に絡み合って、とても読み応えのあるものだった。ラストは若干気が抜けたが、次々変わる場面展開で引き込まれ十分に楽しめた
---あらすじ---
CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。二重・三重スパイの暗躍。躍らされる者たち。味方は、敵は誰か。亡命中国人が持ち出した重要書類とは?ジャック亡き後、全ての鍵を握るピアニストは、万感の思いと、ある意図を込めて演奏会を開く。運命の糸に操られるかのように、人々は東京に集結する。そして…。


■東京島

なんだかどれもが中途半端な感じで終わってしまった。「31人の男とたった一人の女」というふれ込みの割には、清子の女帝ぶりもイマイチだし、途中で他の女が登場するし、その設定があまり活かされていない。ホラーにもミステリーにも冒険小説にもなりきれなかった気がする
---あらすじ---
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震える─。東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。


旅のラゴス
無性に自分も旅に出たくなった。あの異国の地を歩き回るときの高揚感をすごく感じた。その一方、文明と科学の進化ゆえに、危険思想の出現や貧富の差、近隣諸国との戦いなど、どうしても避けられない人間の愚かさと弱さも実感した
---あらすじ---
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。


■占星術殺人事件

完全にやられた。この中の誰かが犯人なら、この人だろうというのは検討がついたが、それ以外のことはまったくわからなかった。御手洗のキャラクターも魅力的で、この物語を盛り上げてくれた。ラストも納得で感動
---あらすじ---
密室で異様な死体となって発見された画家がのこした奇怪な遺言状。その内容は“肉体を支配する星座に従って、6人の若い女性から必要な各部を切り取り、新しい不滅の肉体を合成する”というものだった。そして1ヵ月後、6人の女性が行方不明となり、遺言通り次々にバラバラ死体となって発見された……。日本ミステリー史上に燦然と輝く傑作。御手洗潔(みたらいきよし)初登場!


■六枚のとんかつ

バカだアホだとあまりに言われているので、逆にどんだけアホなのか期待して読んでみた。どんなことがあっても最後まで全うしようと心に誓い挑んだが、覚悟していたほどではなく、どうせならもっとアホでもよかったとさえ思う。こういうのは嫌いじゃない
---あらすじ---
『メフィスト賞』第三回受賞作。大笑いか激怒かっ!?決して読む者の妥協を許さぬ超絶アホバカ・ミステリの決定版、遂に登場!流麗にしてクレバー。この“難問”を自力で解いた時には感動すらおぼえる表題作。思わず“ナルホド”とヒザを打つ『音の気がかり』。“ウゲッ”と絶句する『しおかぜ17号四十九分の壁』他、全15編+αを完全収録。



■虐殺器官

深い、暗い、重い・・・。近未来の話だが、妙にリアルで描写も生々しい。虐殺を誘発する原因は原始的だが納得できるものがあり、それをする理由も共感はできないが、理解はできた。こんなことを考えた作者に感服。これからもどんどん斬新な作品を出してもらいたかった
---あらすじ---
9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。


■ボーダーライン

生まれながらの悪人といわれた信吾という人物をもう少し深く掘り下げてほしかった。親という絶対的な味方の存在を改めてありがたく思った。ラストはちょっと救われる
---あらすじ---
ロサンゼルスの日系企業で働く探偵のサム永岡は、一人の若者を探すように命じられた。国境に近い町で見つけた彼は、天使のような笑顔を見せながらいきなり発砲してきた―。人としての境界を越えた者と、そんな息子の罪を贖おうとする父親。ふたりにかかわった永岡もまた、内なるボーダーラインを見つめる…。重層的なテーマが響く傑作長篇。


■照柿(上)

高村薫の本は最初はしんどくてなかなか辛いものがあったが、結構な作品数を読んだ今となってはこの描写にも慣れ、逆に軽い文章を読み続けると妙にまた読みたくなる。あのクールな合田の新たな一面が見れる作品。熱い
---あらすじ---
ホステス殺害事件を追う合田雄一郎は、電車飛び込み事故に遭遇、轢死した女とホームで掴み合っていた男の妻・佐野美保子に一目惚れする。だが美保子は、幼なじみの野田達夫と逢引きを続ける関係だった。葡萄のような女の瞳は、合田を嫉妬に狂わせ、野田を猜疑に悩ませる。『マークスの山』に続く合田刑事第二幕。


■照柿(下)

なんだか「合田のからまわり物語」という感じだった。恋愛も嫉妬も、特に実を結ぶというほどでもなく終わってしまった
---あらすじ---
難航するホステス殺害事件で、合田雄一郎は一線を越えた捜査を進める。平凡な人生を十七年送ってきた野田達夫だったが、容疑者として警察に追われる美保子を匿いつつ、不眠のまま熱処理工場で働き続ける。そして殺人は起こった。暑すぎた夏に、二人の男が辿り着く場所とは―。現代の「罪と罰」を全面改稿。





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