■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

■ 【 ツナグキオク 】 (2)

2010年08月19日 | へたっぴな小説もどき


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 【 ツナグキオク 】 (2)
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 今日もそのルーティーン通りにでかけて彼女の家の前に着く...。すると、彼女は少し

大き目の荷物を持っていた...。

  ボク : 【 どうしたの?? 】

  彼女 : 【 何時もみたいに迎えに来てもらうと時間掛かるでしょ?
         だから着替え持ってきたの!! 】

  ボク : 【 えっ、何時もシャワー浴びてるけどソレはどうするの?? 】

  彼女 : 【 確かあったよね。シャワー...。 】

  ボク : 【 えっ...。 】

  彼女 : 【 そう、借りるわよ!! 】

  ボク : 【 シャワーをですか...。/// 】

  彼女 : 【 な、何赤くなってるの!! 】

  彼女 : 【 あ、今変な事想像したでしょ!!ヘンタイ!!! 】

  彼女 : 【 変なことしたら...。 】

  ボク : 【 いや、絶対そんな事は致しません!!! 】

 一気に血の気が引いた...。と言うか、覗こうモンなら、今日見た太陽が人生最後の

太陽になりそうな恐ろしい目に遭うじゃないか...。誰がそんな命懸けで覗くか....。

しません、しませんよ。そんな事は...。

 結局、その日は彼女がボクの家のシャワーを使う事になった...。


  彼女 : 【 ねぇ、ボディーソープ切れてるけど....。 】

  ボク : 【 えっ、嘘??残ってたと思ったんだけど。振ってもダメ?? 】

  彼女 : 【 ダメみたい。変わりになるモノないの?? 】

  ボク : 【 詰め替えだったらあるよ。 】

  彼女 : 【 じゃあ、持ってきて。 】

  ボク : 【 うん...。。 】


 と言って、持っていったのだが....。


  彼女 : 【 ちょ、ちょっと、コッチ見ないでよッ!! 】

  彼女 : 【 覗かないって言ったでしょ!! 】

  ボク : 【 わ、あッ...。ご、ゴメン....。 】


 即座に顔を背け遠くで手を伸ばして渡した。


  ボク : 【 こ、コレだから....。 】

  彼女 : 【 あ、ありがとう。 】


 お、終わったのか...。短い人生だった...。春...。幾つモノ桜が散り、その花びらに

思いを馳せた日々...。夏...。蝉の命の短さに叙情を感じた...。秋...。牡丹の花の最後

にヒトの命のはかなさを感じた...。冬...。命の終わりを感じた季節...。


  ボク : 【 多くの時間ありがとう...。キミ達の事は忘れない...。 】


 走馬灯のように流れる時間が暫く続いていた。


  彼女 : 【 あぁ~っ。サッパリした。夏ってコレだからあんまり好き
         じゃないのよね。 】


 そして、ボクの前に彼女がやってきた。太陽を見て、空に微笑む花も秋には次世代へと

命を引き継ぎ、その一生を全うする...。そうか、これも一つの命の終焉なのか...。ボク

の世代がダメだった事は次の世代がやってくれる...。頼んだぞ....。


  彼女 : 【 ねぇ、何やってるの??生きてる?? 】

  ボク : 【 えっ?? 】

  彼女 : 【 いや、魂抜けてたみたいだったから...。 】


出てきた途端にパウンドの雨あられで恐怖の地獄絵巻がその部屋に敷き詰められるモノ

だと思っていたのだが、どうもおとがめなしのようだった...。


  彼女 : 【 ねぇ、顔色悪いけど今日大丈夫?? 】

  ボク : 【 いや、全然平気だから。】


               :
               :
               :


とりあえず、1秒が数年にも感じる恐怖の時間は去り、平和な日常がやってきていた。早

速身支度をし、昼と言うのに夜景を見る為に出かけることになった。

 そして、マジックアワーを見つめる。湿度の関係と海の波の高さの関係だろうか。明ら

かに昨日とは違うその空が見えていた。


  彼女 : 【 ほんとだね。こんなに違うんだね。 】

  ボク : 【 今日は特別かもしれないよ。こんなに違うのは見たことないから。】

  ボク : 【 君の為に微笑んでるのかもしれないね。】


そう言いつつ、しっかり夕日が沈むまで眺めていた。焼ける水平線が眩しく、茜色に染ま

る水平線が夜と昼の境界線を描き、そして、太陽は眠りに就いた。


  彼女 : 【 今日こそは、イルミネーションみるんだから!! 】


流石に、 【 本当にたどり着けるのだろうか? 】 と思いつつ昨日走っただけの事は

あり、今日は、しっかりその場所に閉館前に辿りついた。

 辺りは、LED電飾によるイルミネーションで光のゲージが迎えてくれた。


  彼女 : 【 ...綺麗...。 】


 光のアーチは、そのまま続きその奥にはオブジェを象ったイルミネーションが揃ってい

た。


  彼女 : 【 なんだか、季節外れのクリスマスみたいだね。 】

  ボク : 【 そうだね。南半球は今が冬だから、この時期にサンタが来るんだけ
         どね。 】

  彼女 : 【 そうなの?? 】

  ボク : 【 うん。だから、南半球だとこの時期が子供達が楽しみにしている季節 
         だったりするようだよ。】

  彼女 : 【 暑くないの?? 】

  ボク : 【 多分、痩せてしまいそうに暑いと思う....。 】

  彼女 : 【 だよね。 】


 そんな話をしながら、ゆっくりとその夏の夜に見るイルミネーションを堪能した。

そして、強行軍で、星空観察へ...。やっぱり天の川銀河はしっかりと出ていた。


  彼女 : 【 綺麗だね。 】

  ボク : 【 そうだね。 】

  ボク : 【 そうそう、今日はこっち後にしたのは理由があるんだ...。 】

  彼女 : 【 えっ?何?? 】

  ボク : 【 今日は、ペルセウス座流星群が流れるんだ...。 】

  彼女 : 【 ペルセウス座??? 】

  ボク : 【 そう、あそこにWの形したのがあるでしょ? 】

  彼女 : 【 うん...。 】

  ボク : 【 あれがカシオペア座で、あの斜め下にあるのがペルセウス座。 】

  彼女 : 【 そうなんだ...。 】

  ボク : 【 そこの左上の辺りから放射状に流れてくるんだよ。 】

  彼女 : 【 知らなかった。 】


              : 
              : 


じつは、日付を見て今日気が付いたことだったんだけど、丁度流星が流れてくれている

ので時間をずらしてみた。


  彼女 : 【 あっ、流れた。。 】

  ボク : 【 ほら、もう一つ...。 】


 暗い夜空に、星の奇跡が帯を引く。オリオンを越えて流れる星、カシオペアを跨ぐ星。

放射状に流れる星は、1分に1つ程度の数で流れていく。


  彼女 : 【 こんなに流れるの?? 】

  ボク : 【 今年は当たり年なんだよ。 】

  彼女 : 【 これだけ流れると、願い事もいっぱい適いそうだね。 】

  ボク : 【 そうだね。 】


               :
               :


 結局、お互いに何をお願いしたのかは内緒にして(彼女いわく、お願い事は心の中で大

事にしまっておくとソレが適うらしい...。)おいて家路に就いた。

 車を回し、彼女の家に向かおうとすると、


  彼女 : 【 ねぇ、着替え持ってきてるから泊まっていい?? 】


というビックリするような発言が飛び出す...。


  ボク : 【 ハイ?? 】

  彼女 : 【 いや、泊まっていいって聞いてるの。 】

  ボク : 【 いや、いいけど...。/// 】

  彼女 : 【 じゃ、こっちじゃなくて家に行こッ!! 】


               :
               :
               :


 そして、家路に着いた。


  ボク : 【 ねぇ、泊まるって僕の家って寝具ってこのダブルベッド
         しかないけど...。 】

  彼女 : 【 じゃあ、ワタシはここね。 】


と彼女は、ベッドの手前に手を置いた。


  ボク : 【 じゃあ、ボクはフローリ....。 】

  彼女 : 【 一緒じゃダメ?? 】

  ボク : 【 ///// 】

  彼女 : 【 嫌かなぁ....。//// 】

  ボク : 【 一緒がいい...。///// 】


             :
             :


とりあえず、彼女がシャワーを浴び出てきた。と言うか....。


  【 パジャマ姿がデタラメに可愛い....。 】


  ボク : 【 こんな可愛い格好で何時も寝てるの?? 】

  彼女 : 【 変かなぁ...。 】

  ボク : 【 何時もとのギャップが...。 】

  彼女 : 【 ダメかなぁ?? 】

  ボク : 【 可愛くて好きだよ....。//// 】

  彼女 : 【 ありがとう...。/// 】


 その後、ボクもシャワーを浴びてきて、着替えていた....。


  彼女 : 【 な、何それ?! 】

  ボク : 【 いや、スウェット上下だけど...。 】

  彼女 : 【 今、夏だよ!!なんでそんな冬の格好してるの?! 】

  ボク : 【 寝汗凄いから、こっちのほうが吸うんだよ。 】

  彼女 : 【 そうなの?? 】

  ボク : 【 うん....。 】


             :
             :


 お互いに初めて寝るときの格好を見たのだが、彼女はかなりこの格好に驚いていた。

別に減量している訳じゃないんだけど、なんだかこっちのほうが薄着よりもベタつかない

のでそうしている。

 そして、寝入りかけた時、彼女が言った。


  彼女 : 【 ねぇ、手を繋いで寝ようよ 】

  ボク : 【 いいよ...。 】


少し狭く感じるベッドで仰向けになって手を繋いで寝ていた。流石に強行軍で疲れていた

のでボクは寝落ちていた....。

 少し眠りが浅くなると、手に暖かく柔らかな感触が...。彼女はボクの手を頬に当てて

いた。プックリとした頬の感触がした。


  彼女 : 【 暖かい....。 】

  彼女 : 【 起きてる時ってこうして撫ぜてくれる事って本当にないよね。 】

  ボク : (た、確かに...。)

  彼女 : 【 それに、まだ、プロポーズされてないし....。 】

  彼女 : 【 ホントはどう思ってるんだろう?? 】

  ボク : (そっか、そうだよな。結構経つもんなぁ....。)


 そう言うと、彼女は頬にあった手を下へと移動させていった。そして、腹筋をなぞるよ

うに通過し、へその少し下に当てた....。


  彼女 : 【 ねぇ、解る??パパだよ!! 】

  ボク : (な、何!!パパだと?!)


               :
               :
               :


 眠気が一気に吹き飛び、思わず飛び起きてしまった!!


  彼女 : 【 キャアッ!!! 】

  ボク : 【 あっ、ごめん...。 】

  彼女 : 【 もう、びっくりした....。 】

  ボク : 【 今何て言った...。パパって....。 】

  彼女 : 【 いや、よく解んないんだけど、最近調子が変なの。後来ないし。 】

  ボク : 【 えっ、来ないって...。 】

  彼女 : 【 うん...。 】

  ボク : (覚えがない...。全然覚えがない....。)

  彼女 : 【 もし、そうだったら....。 】

  ボク : 【 責任取るよ....。 】

  彼女 : 【 うん...。 】


 その夜、全く眠れなかった...。そして目にクマを作りながら翌日薬局に行き検査薬を

購入した...。

 お、覚えがない...。真剣に...。なぜ??と言うか、あの聖書とかで生まれてくるアレ

みたいに宿る事ってあるのか??なんだか解らない不安を感じながら、彼女を待った。

 すると、彼女が出てきた...。


 彼女 : 【 あのね...。私...。二人の赤ちゃん...。 】


 い、居るのか...。そうか...。覚えはないけど、きっとボクに彼女を手放すなって神の

使いが二人を繋ぐ架け橋をくれたんだね...。

 キミに似ているのかな...。ボクに似ているのかな...。今は解らないけど、二人に似て

いるのかも知れないね。僕が見たこの子はキミに見えて、キミが見たこの子はボクに見え

るのかな...。ボクがキミを愛するように、そして君がボクを愛するように、この子に愛

情を注いでいけるかもしれないね...。

 キミと同じ愛をこの子にあげるよ。だから、キミもこの子に愛を与えて。三人で生きる

新しい人生を幸せに生きよう....。


                : 
                : 
                : 


 彼女 : 【 想像妊娠だったみたい....。 】

 ボク : 【 そうか、二人に似て可愛い赤ちゃん....。 】

 ボク : 【 何?!想像妊娠....。 】


 そう、たんなる錯覚だったらしい...。過激な生活で体調が変化していて遅れていたよ

うで全然陰性だったようだ...。


 彼女 : 【 ごめんね。驚かせちゃって...。 】

 ボク : 【 いや、いいよ...。 】

 彼女 : 【 アレ?!なんか寂しそうだけど...。 】

 ボク : 【 いや、キミの想像と一緒に想像出産してたから...。 】

 彼女 : 【 いや、あなたは出来ないし...。 】

 ボク : 【 た、確かに....。 】


                 :
                 :
                 :


 ボク : 【 あのさ...。 】

 彼女 : 【 何?? 】

 ボク : 【 今日の事があったからじゃないけど、今日みたいな日をこれから続けて 
        みない?? 】

 彼女 : 【 えっ、想像妊娠?! 】

 ボク : 【 いや、短命になるからヤメテ....。 】

 ボク : 【 そうじゃなくて、一緒に暮らさない?? 】

 彼女 : 【 えっ、それって...。 】

 ボク : 【 居てほしいんだ...。ずっと....。//// 】

 彼女 : 【 うん...。//// 】


 それから、僕達の新居はボクの部屋になった。変わったのは、ひたすら増えた荷物と狭

くなった部屋。そして、響く君の好きな音楽と、キミの声があること。

 そして、何よりも、そこに新しく紡いでいく時間があることだろうか...。

 距離のある時に感じたルーティーンも今はいい思い出で、同じ場所に居ても気持ちはあ

の時と変わらない。

 二人で居て知った事は、君が寝返りを打ったときのバックブローが致命傷になりかねな

い威力だと言うことと、キミが素顔でも素敵だということ。そして、一日一日見せる君の

姿がボクにとって生きる意味を与えてくれるものだという事だった。


  彼女 : 【 ねぇ、今日は夜景見に行きましょッ!! 】

  ボク : 【 いいよ。 】

  彼女 : 【 やっぱり出発は...。 】

  ボク : 【 お昼からだよね。 】

  彼女 : 【 ウン!! 】


彼女のお気に入りのコースが決まって外出しやすくなった分彼女のわがままを聞ける時間

が増えた気がした。これも一緒になってからの変化かもしれない...。


  彼女 : 【 ねぇ...。 】

  ボク : 【 何?? 】

  彼女 : 【 地球って自転運動してるでしょッ?? 】

  ボク : 【 そうだね。 】

  彼女 : 【 って事は、夕日の時にアレが出るって事は朝焼けの時にも
         アレって出てるんじゃないかしら!! 】

  ボク : (ハァッ!!気付いてしまった...。)

  彼女 : 【 ねぇ、出るの?出ないの?? 】

  ボク : 【 で、出るよ...。 】

  彼女 : 【 じゃあ決まりね!!流星群見て朝焼けも見ましょ!! 】

  ボク : 【 いや、それはちょっと!! 】

  彼女 : 【 見るの!!解った?! 】

  ボク : 【 ハイ、ハイ....。 】


 彼女のルーティーンワークが強烈になる中、もっと君が好きになっている僕が居た。

これから、もっと多くのキミを見ていくことになるんだろうけど、多分、キミの事が

もっと好きな僕が居ると思う。


  彼女 : 【 ねぇ、行こう!! 】

  ボク : 【 星空や夜景は逃げないから!! 】

  彼女 : 【 ダメなの!!今日は昨日と違うんだから...。 】


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