勝秋雄太の放談室

当面は口腔癌治療体験と闘病記を中心にして載せていきたいと思います。

口腔癌闘病記・続1

2010-04-30 22:27:57 | 健康
2007.3.3退院から1年間の状況

  まだ、時々誤嚥が起きる状態なので、胃ろうを継続している。食卓の後ろの食器棚の上から栄養食を入れたボトルをつりさげて、食事をしていた。1日約1,800Kcalで、栄養は満点である。したがって、体重も51Kgをキープできていた。食事の関係から、自由に外出できないのが不便であった。

飲み込み力の改善と誤嚥の防止

 この目的のためにG研時代から指導を受けていたS大学歯科病院・リハビリテーション科に通うことにした。

3/16 G研M副部長による退院後初めての検診(内視鏡による頸部検診);経過順調 。とりあえず、安心する。
3/22 S大歯科病院リハビリテーション科T科長による嚥下検査。おかゆ、杏仁豆腐等、持参して飲み込んだ時の食物の嚥下状態をレントゲン撮影し、誤嚥がないかどうかを調べる。これは、一回で合格した。
4/6 G研第2回検診;鼻から内視鏡を挿入して咽喉の検査及び口内検査。咽喉もきれいで問題なし。入院中、血圧が高かったので薬(ノルバスク)を服用していたが、しばらく、続けることになった。

   (これはすこし余談になるが、日本酒を舐めてみたが、喉にしみて全く、旨
   くなかった。味が全く分からない状態で、びっくりした。)


5/18 第3回G研検診;のどもきれいで問題なし。胃ろうも、外しても良いとの許可が出た。
5/30 G研消化器外科、M医師担当で、「ちょっと我慢してくださいよ」といわれ、瞬間的にチューブを引き抜かれた。「うっ」となったが、はい、 それまでといった感じで終了した。

    いよいよ、胃ろうを外し、飲み込みもできるようになったので、問題は
    歯のケアーということになる。右下は歯が無いため、左半分で咀嚼するこ
    とになる。もともと、歯周病があったりして歯は弱く一部欠けていたため、
    さっそく,部分入れ歯を作った。念のため、近くの歯科医院とS大歯科病
    院との二か所で用意した。 
6/29 第4回G研検診;のどの検査と血液検査。異状なし。手術の際に輸血をしてるので、C型肝炎の感染が心配であったが、大丈夫のようである。

7/12 湯島清水坂クリニック
長女がインターネットで調べて見つけてくれた、自律神経免疫療法(癌の再発防止)の専門クリニックである。ここで、週一回治療を受けることにした。医師の問診とハリ治療が主体である。免疫療法では有名な福田、安保両先生の指導によるものらしい。交感神経と副交感神経のバランスが重要で、血液検査ではく血球中のリンパ球と顆粒球の比率を調べ、35-40/65-60程度がベストとされる。検査結果は、リンパ球が28%とやや、低めであった。

その後、週一回ないし二回の割合で東京、湯島天神まで通うことにした。体調は徐々に回復し、特に、胃腸の具合が素晴らしく快調な日があるようになった。これは、ここで受けるハリ治療が良いような気がした。(2008.3月まで通院した。ハリ治療の先生が退職したため治療を中断した。)

入院時の回想

今日(2009.1.14)朝日新聞の記事で、市川団十郎さんが白血病で入院闘病中の気持ちを「自分が亡者の中でもがいているよう」と表現されていたのを読んで、自分も集中治療室に肺炎で二か月もいたときは、まさにそのようだったと突然思い出した。夜は眠れず、毎晩、仕方なく睡眠薬を服用するが、眠るとこの悪夢が襲ってくる。今にも死にそうでもがき苦しんでいる大勢の人たちの中に自分が埋没している夢。看護士さんに云うと、「それはみんなが通る道ですから、辛抱してください」と云われて涙が出てきた記憶が甦る。手術後、半年はかなり、ひんぱんに思い出したが、2年も経つとさすがに、たまにしか思い出さない。忘却は、ときとして、大事なことのように思える。神から授かった人間の特技かと思う。

8/3G研検診;のどの内視鏡、頭頚部CT(造影剤使用)、パノラマレントゲン異常なし。高血圧の薬(ノルバスク)服用を中止。
9/28G研検診;のどの内視鏡。異状なし。
10/4湯たんぽ購入、使用開始。これは、湯島清水坂クリニックの紹介によるもので連絡先は(株)サンワヘルスデザイン(Tel:03-3835-0183)。ウエットスーツ素材の湯たんぽで、使い心地がとても良い。現在、愛用中です。
それと同時に、乾布摩擦を開始した。首から足先まで。起床時に行う。その他、健康管理としては、毎週日曜日の起床時に体温と血圧を測定。特に体温については、36度以下の低体温には気をつけるように心がけている。

11/16 G研検診;肺CT、頸部CT(造影剤使用)異常なし。

12/21 G研検診;肺CT(造影剤使用)異常なし。手術後、1年3ヵ月経過。

2008年(平成20年)退院後、2年目に入る。

 家族他皆のおかげで気持ちの良い正月を迎えることができて感謝、感激である。昨年は、まだ、病院にいたわけだから、感慨ひとしおである。みんな、有難う。
2/8 G研検診;のどの内視鏡のみ。異状なし。
3/28 G研PET検査。水500cc持参。9.15検査着に着替えて、造影剤を注射、50分安静
 に待つ。10.15検査開始。11.00終了。M医師診察、異常なし。(検査費用;
 ¥25000ー3割負担)

5/7 チタンプレート破損。
 夕食時にざりざりと云う異音がして、顎の骨の代わりとして装填されていたチタンプレートが、丁度、中央部の湾曲部分で破壊した。特に固いものを食べたことはない。まったく、普通の状態で破壊してしまった。このまま放置すると、破壊部分が頬を突き破る恐れがあるということで、手術でチタンプレートを除去する必要があるとのことであった。さっそく、再入院の手続きをとる。ところが、担当医師の手術予定が混み合っていて、なかなか、予定がとれなかった。この間、G研、S大歯科病院で、2回レントゲンで破壊部の状態をチェックしてもらった。(日が経つにつれて、折損部がずれてくるのが明確にわかる。)

6/19 再入院。6階西病棟608号室。前回と同じ病室。
6/24 Tiプレート除去手術(14.30-16.30)
  左右のボルトを取り外し、プレートを除去。プレートには周囲の肉が密着していたため、手術は困難を極めたらしい。(手術後、家族が先生の話の様子から想像して。)
6/25 ちょっとした出血があり、止血処置が行われた。採血と胸部レントゲン撮影。肺は非常にきれいで、問題なし。
 今回の手術で非常に印象的だったことは、深呼吸が気持ちよく楽にできるようになったこと。手術後の酸素吸入が楽だった。
7/1 鼻のチューブを抜く。
7/4 抜糸。体重47.6Kg(手術前48.6Kg)
7/19 退院。ちょうど、一か月。
7/30 G研検診。のどの内視鏡。異状なし。
8/11 S大歯科病院リハビリテーション科T科長診察。マウスピースの調整。部分入れ歯の作製。
8/25 S大。入れ歯出来上がり。T科長診察。パノラマレントゲンにより顎のずれ確認。問題なし。「噛めるものはどんどん噛んでよろしい。むしろ、柔らかいものは、歯につきやすいので、歯周病には良くない。顎関節については、それほど心配はいらない。」とのことであった。
9/10 G研検診。頭頸部CT(造影剤使用)、のど内視鏡。異常なし。
 今年は、お陰様で特別な異常もなく過ごすことができた。神様に感謝です。今回のチタンプレートの破損についての反省点と考えさせられたことは、次のようである。
1)反省点;体重の減少(10Kg)を早期に取り戻したくて、発芽玄米入りご飯を懸命に食べたこと。過ぎたるは、及ばざるがごとし。悔やみても、悔やみ足りず。まず、お粥からゆっくりと始めるべきであった。良くいえば、体調はそれだけ元気が回復してきたということもいえる。
2)考えさせられたこと;プレートの形状設計、強度設計等はどのようにされるのか。骨との固定は、ボルトによる固定で、異常に大きい荷重が掛った場合にはボルト部分で破壊するように設計されているといわれる。私の場合は、プレートの中央の湾曲部分で破壊が起こっているから、原因として考えられることは、材料欠陥によるか、形状設計の不適切さによるか。かなり難しい問題であろう。機械部品と違って人間の場合は各人各様だから、構造設計は一様にはいかないであろう。金属の疲労破壊にしては、使用を始めてから約9か月であるから短すぎる。形状不良と応力集中の問題か、いずれにしても、厄介な問題で、ケースバイケースで処理するしか方法はないのかもしれない。各事例を積み重ねて適切な手法を発見してほしいものである。

これで2回の手術を乗り越えてきたわけだが、再発の危険性は残っているわけで、これからはまず、体力をつけ、免疫力を向上させて再発防止に全力を傾注する覚悟を決めた。具体的な生活改善やリハビリテーションについては、闘病記続2で公開していきたいと思います。

同じ体験をお持ちの方、何かお役に立ちましたでしょうか。是非、コメントをお寄せください。
















1 コメント

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はじめまして (かとん)
2010-03-20 09:37:36
はじめまして。
主人が2009年8月に左下顎歯肉がんと診断され、10月末に手術を受けました。
この病気は非常に症例も少なく、インターネットで検索してもなかなか資料がなく苦労しました。
今は落ち着いて、経過観察に入っています。
主人は左下顎骨を2/3ほど除去し、肩甲骨皮弁手術を受け、肩甲骨にチタンプレートを入れて丸みを出しております。実は私もブログ(アメーバブログ)を開設していて、訪問された方の中にプレートが折れた方がいらっしゃいました。また、主人が入院中も以前別の病院で手術を受けたがプレートが飛び出して主人が入院している病院に転院してきた方もいらっしゃいました。
プレートのトラブルは少なくないようですね。
主人も気をつけないとと思っております。
よろしければ今後とも情報交換をさせていただけたらと幸いでございます。先輩として見習わせていただきたいと思っております。

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