へぶつい (Heavenly Twins)

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雀凰

2009-11-01 14:00:42 | コミック・ラノベ
雀凰 感想




 雀凰という麻雀漫画を買ってみたのだが、色々とアレだった。


 まず気になったのが、本の紙質。
 何だか、コンビニ版の漫画みたいなのだが、この出版社の漫画は全部こうなのだろうか?



 第1話

 主人公は「スイートロンリーバード」というHNのネット最強雀士。
 ネット麻雀の世界では「負けた事がない」そうだが、トップ率は85%。
 自称20年間無敗の人並みに「無敗」の定義が分からない。マイナスなしって事だろうか?

 まぁ、トップ率85%でも充分無茶というか、ありえない数字ではある。
 その強さの秘密として、SLBは「一索待ち」なら必ず和了れるという特殊能力を持っているのだそうだ。
 また、「うざさウミネコ級」とか「翔びたて鳳凰級」などと、何かを鳥に喩えるのが口癖。



 第2話

 SLBの父は、麻雀で殺されたらしい。
 そのため、SLBは、父を殺した相手を探し、ソイツを倒す事を目標にしているそうだ。
 よくある設定だけど、これって逆恨みだよね。

 ネットで100勝を上げたSLBは、次のステップとして雀荘へ行く事にした。
 ……って、ネットでは有名人なのに、これまで100試合しか打っていなかったのか?
 100試合なんて、集中して打てば、1か月もかからない気がするんだけど。

 主人公がやって来た雀荘は、第1話で倒した見城プロのいる店。
 初対面なのに、見城プロは割とアッサリSLBが本物だと信じる。
 また、この雀荘には無数の隠しカメラがあるらしく、謎の人物がその様子を監視していた。



 第3話

 SLBと見城プロの再戦……と思いきや、SLBは脇の2人のオヤジギャグに翻弄される。
 「これがネットとリアルでの一番の違いだ」
 「目の前にいるヤツの話はパソコンの画面と違って完全には無視できない」
 見城プロ、それはひょっとして、ギャグで言ってるのか?


 更に、SLBの必殺技「一索待ち」も、名もないオッサンに破られてしまった。
 どうやら、この必殺技は「鳴きでツモがズレると不発に終わる」らしい。弱っ。
 もしかして、ネット麻雀では、一度もリーチ後に鳴かれた事がなかったんだろうか?


 このしょうもない雀荘編が、第7話まで延々と続く。



 第4話~第6話

 麻雀牌を使って、何かやっていた。



 第7話

 オーラス、SLBはトップ目なのに、白を落としてタンピン三色を狙う。
 挙句、見城プロの染め手に危険牌を強打し、倍直を喰らって逆転負けしてしまった。

 これで、よくトップ率85%も出せたなぁ……。
 まぁ、見城プロが第1打に五索を切った時点で「染め手」と見抜く辺りは人外だけど。


 もっとも、SLBが危険牌を強打した理由は、見城プロの小手返しにもあったらしい。
 見城プロは第1打からずっと小手返しを使い、手出しをツモ切りに見せ掛けていたのだそうだ。


 「保留せずに五萬切っとけば 放銃をかわせたんだ…!!」
 SLBは2巡目に五萬を切らなかった事を悔やむが、そこじゃないだろ。
 トップ目なんだから、素直に白のみで和了っておけよ。


 「……ま コレもリアル麻雀の戦略ってヤツだ ネット雀士さん」
 ネット麻雀での借りを返し、勝ち誇る見城プロ。
 どうやら、リアル麻雀で大事なのは「オヤジギャグ」と「小手返し」らしい。
 ……どっちも、公式戦じゃ使えない気がするんだけど。



 第8話~第9話

 見城プロに負けたSLBは、国際麻雀連盟「雀凰会」の一員となった。
 雀荘の隠しカメラでSLBを見ていたのは、ここの会長だったらしい。


 テコ入れなのか、新キャラ大量投入。
 手牌を倒し、手役と点数を言うだけの麻雀っぽい何かをやっていた。



 第10話~第14話

 唐突に脱衣麻雀が始まった。
 面白さ朱雀級。


 父親の仇という話は何処に行ってしまったんだろう?
 それと、第1話で何度も鳴っていた携帯は、伏線でも何でもなかったのか?



 第15話

 最終話。
 主人公が一索待ちの国士を和了って、脱衣麻雀に勝った。
 ……そういや、そんな設定もあったね。



 巻末

 読者サービスなのか、唐突に温泉シーン。

 チラっと、SLBが父親の仇を探している事に触れられていた。
 そういや、麻雀をしているのは、叔母さんには内緒なんだっけ?
 雀凰会の寮に入ってしまって大丈夫なんだろうか。



 総括

 まぁ、こんな感じの、よくある麻雀風漫画だった。

 たまに、咲は、麻雀に萌えを足したら成功したとか聞くけど、そう単純なものじゃないよね。
 つか、咲以前にも、女の子を主人公にした麻雀漫画は、掃いて捨てるほどあるし。

 個人的には、『まきの麻雀クラブ』という作品が好きだったなぁ。
 長門みたいな生物部のキャラが、手牌変化を生物の進化に準えて打つのが好きだった。みみずー。
 ラストで、面混混老七対子のツモ和了りを拒否し、字一色七対子を和了ったシーンは今でも印象深い。
 あれを見て、僕はサイト名を「Heavenly Twins」にしたのだった。嘘だけど。

 こんな事を書いていたら、また読みたくなって来たな。
 竹書房は、今からでも単行本化してくれないだろうか?
 『まきの麻雀クラブ』だけではなく、『凌ぎの哲』や『東風のカバ』など、近代麻雀の作品は、名作でもちゃんと最後まで単行本化されないものが多く、非常に勿体無い。

 つか、近代麻雀オリジナルに、アカギやむこうぶちを再掲載するくらいなら、単行本化されていない作品を載せた方が、売り上げは上がるんじゃないだろうか?



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