神なる冬

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[SF] 孤児たちの軍隊3 ―銀河最果ての惑星へ―

2015-01-15 23:59:59 | SF

『孤児たちの軍隊 3 ―銀河最果ての惑星へ―』 ロバート・ブートナー (ハヤカワ文庫 SF)

 

《孤児たちの軍隊》シリーズの3作目。今回の舞台は太陽系外のとある惑星。そこではなんと、人類にそっくりな異星人がナメクジに支配され、恐竜が家畜として使役されていた!

2作目のエピローグにまったく繋がらなくて、無理矢理引き伸ばした感が満載。残念ながら、対テロ戦争からインスパイアされたゼロ年代の戦争SFという範疇からは完全にはみ出した凡作レトロSF。

そもそもが行き当たりばったりすぎる成り行き任せのストーリー展開に加え、舞台となる惑星に人類がいる理由は説明されているけれども、恐竜が存在している理由の納得できる説明は無く、ダメさ加減マックス。

いったいどうしちゃったのだろう。著者ブートナーの中の人が変わったのか、化けの皮が剥がれたのかわからないが、これなら読む価値無しでしょ。

一応のテーマとしては、部下に死ねと命じるのが指揮官の仕事であり、軍隊は孤児にとっての家族という前作までのテーマと重ね合わせることにより、家族に死ねと命じなければならない苦しみを描くということなのだろうけど、ストーリーから見るといかにも取って付けたように感じる。

家族と言っても、実際には名付け子であるし、正直異言って、この絆の重さも理解できないんだけど。

最後のどんでん返しに使われているのは、軍隊補給に関するあるあるネタなんだろうけど、あれもこれも突然のご都合主義っぽくて、いまひとつ。

次の4作目で完結らしいので、対テロ戦争時代の戦争SFとして、新たなビジョンを見せてくれることを期待する。

 



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