『時の地図』 フェリクス・J・パルマ (ハヤカワ文庫 NV)
そもそもSFでいいのかとか、ネタバレしないでどうやって書くんだとか悩みながらも、なんとか感想を書いてみようと思う。
そもそも、この小説はどんでん返しがあると聞かずに読む方が絶対に楽しいので、万が一読んでない人はすぐにブラウザを閉じて、本を買いに行きなさい。いや、ポチってもいいけど。
その昔、『高機動幻想 ガンパレードマーチ』というゲームをやったときに、いろいろな評判を聞かずにプレイするべきだったと後悔した。同じような後悔をこの作品にも感じる。いや、そんな評判を聞かなければ読まなかった作品ではあるんだけどね。NVレーベルだし。
で、結局何がすごかったかというと……なんだろうね。やっぱり、読者の裏切り方がイカシてるってことじゃないだろうか。
タイムスリップ物のSFだと思って読み始めて最初の裏切りに会い、そういう話なんだと納得してから次の裏切りに会い、最後の最後にあれっという驚きの中、すべてはロンドンの霧の中に消えていくというすばらしい構成。いや、こんなこと書いちゃうと、完全なネタバレなんだけどさ。
その凄さというのは、「そういう話なんだ」と思わせる仕掛けの上手さと、それを後でひっくり返したときに気付く伏線の上手さの両方を兼ね備えているというところだ。たぶん、この手のSFを読みなれている読者ほど、その術中に嵌るんじゃないだろうか。というか、その罠にみごとにはまったのが自分なんだけど。
そういった意味では、『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』に満足できなかったひねくれ者に最適な一冊だと思う。
この作品はタイムトラベルSFで、スチームパンクで、さわやかな恋愛小説で、H・G・ウェルズの伝記で、不可能もののミステリで、あれでこれで……もうとにかく凄い。
で、最後に行き着くところが、多世界解釈とSF作家の妄想力が拮抗するワクワクな世界なのである。
さあ、カラフルな紐で網目のように組まれた時の地図を眺めながら、無限に枝分かれしていく妄想の世界に想いを馳せよう。それこそが、意識の力でタイムトラベルを可能とする道なのだ!
……結局、ネタバレ全開じゃん……。
そもそもSFでいいのかとか、ネタバレしないでどうやって書くんだとか悩みながらも、なんとか感想を書いてみようと思う。
そもそも、この小説はどんでん返しがあると聞かずに読む方が絶対に楽しいので、万が一読んでない人はすぐにブラウザを閉じて、本を買いに行きなさい。いや、ポチってもいいけど。
その昔、『高機動幻想 ガンパレードマーチ』というゲームをやったときに、いろいろな評判を聞かずにプレイするべきだったと後悔した。同じような後悔をこの作品にも感じる。いや、そんな評判を聞かなければ読まなかった作品ではあるんだけどね。NVレーベルだし。
で、結局何がすごかったかというと……なんだろうね。やっぱり、読者の裏切り方がイカシてるってことじゃないだろうか。
タイムスリップ物のSFだと思って読み始めて最初の裏切りに会い、そういう話なんだと納得してから次の裏切りに会い、最後の最後にあれっという驚きの中、すべてはロンドンの霧の中に消えていくというすばらしい構成。いや、こんなこと書いちゃうと、完全なネタバレなんだけどさ。
その凄さというのは、「そういう話なんだ」と思わせる仕掛けの上手さと、それを後でひっくり返したときに気付く伏線の上手さの両方を兼ね備えているというところだ。たぶん、この手のSFを読みなれている読者ほど、その術中に嵌るんじゃないだろうか。というか、その罠にみごとにはまったのが自分なんだけど。
そういった意味では、『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』に満足できなかったひねくれ者に最適な一冊だと思う。
この作品はタイムトラベルSFで、スチームパンクで、さわやかな恋愛小説で、H・G・ウェルズの伝記で、不可能もののミステリで、あれでこれで……もうとにかく凄い。
で、最後に行き着くところが、多世界解釈とSF作家の妄想力が拮抗するワクワクな世界なのである。
さあ、カラフルな紐で網目のように組まれた時の地図を眺めながら、無限に枝分かれしていく妄想の世界に想いを馳せよう。それこそが、意識の力でタイムトラベルを可能とする道なのだ!
……結局、ネタバレ全開じゃん……。
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