軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 4月 9日(金) 「犀星」印は本物か? 007

2010-04-21 14:30:10 | 日記

 「♪大き信濃のめざめには・・・」で始まる軽井沢高校の校歌は、町立から県立に移管したことを機に、昭和29年、室生犀星作詞、信時潔作曲により作られています。

 『軽井沢高等学校四十年の歩み』という記念誌によると、昭和29年5月に校歌制定委員会を結成、7月中旬に室生犀星に作詞を依頼することを決定し、伝を頼って7月28日に軽井沢にある犀星の別荘を訪ねています。
 即日「8月一杯で」という期限を設けて承諾をもらい、8月30日に作詞が完成、すぐに信時潔に詞を送り、9月6日には楽譜が完成しています。
 3日間の「完全県立移管祝賀行事」の最終日、9月19日に、なんと、室生犀星・信時潔両氏を招いて校歌発表会を行い、両氏から挨拶もいただいています。

 室生犀星は、「ふるさとは遠きにありて思ふもの/そして悲しくうたふもの」(抒情小曲集)で知られる、日本を代表する詩人・小説家であり、校歌を依頼することを決定してから2か月足らずで完成という、今では考えられないような簡単な手続き、短い作成期間、もったいない発表会であることがわかります。
 これだけのことを今やろうとしても、まあ、そもそも引き受けてくれないでしょうし、引き受けてくれたとしても膨大なお金と時間を要することでしょう。

 本校の校門を入ってすぐ左のところに犀星直筆の校歌碑があって、これも本校の宝物のひとつですが、実は、「犀星」と彫られた、24mm角と15mm角の二つの印が最近になって出てきたのです。
 落款印(らっかんいん)と言うのでしょうか。
 印もかなり使い込まれていますし、印箱がまたかなり年季が入っていますので、いかにも本物っぽいのですが、果たして本物なのか?
 テレビの「なんでも鑑定団」に出そうかという話もありますが、急いで結論を出してしまっては面白くありません。
 宝くじを買った時の楽しみが、当たったらどうしようかと考える、当選番号の発表までの間にあるように、ゆっくりと時間をかけてこの印が本校に辿り着いたいきさつを調査し、本物かどうかもゆっくりと楽しみながら探っていきたいと思っています。
 ちなみに、現在あるところで時間をかけて鑑定してもらっています(鑑定結果が判明したら、この日記で報告します)。
 なお、経緯をご存知の方からご一報いただくことは、もちろん、大歓迎です。

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