前の日の朝、ごはんを食べたがらなくて、
薬を飲ませるために、前のフードを混ぜて、はげまして、食べさせた。
キドニアの味が気に入らなくてなのかな、と思っていたからだ。
でも違った。
その晩、遅くに帰宅すると、巣の中でまるむしのようになっているこん。
枕の上にそっくりそのまま朝ごはんがもどされていた。
よくない話だが、以前は腎臓の不調のせいで、よくもどしていて、
(今は薬のおかげで戻さなくなった)それを食べてしまうこんちゃんだったので、
残しておくということは、具合が悪いということなので、びっくりして巣を調べる。
おしっこか、胃液か、毛布に黄色いしみ。
匂いを確認したがどっちかわからない。
濡れたもの、汚れたものはすぐに洗濯機へ。
こんの寝床をあたらしくして、あったかくして、ルーチンワーク。
散歩はよたよた。おしっこしかしない。ごはんは食べない。
流動食みたいなのを用意したのだが、だめである。
仕方がないので、そのまま寝てもらった。
私がこの部屋で寝るとオレコが来るから(お父さんはいなかった)、
こんちゃん落ち着かないだろう、というので、部屋を閉め切り、ひとりで寝てもらった。
別室でorekoとふたり眠っていると、寝床が違うと寝にくい私は、1時間おきにごそごそと起きだし、
気になってこんの様子を確認しにいくということをしていたら、すぐ朝が来た。
まんじりともせず、朝のルーチンワークをこなしながら、こんの様子をうかがう。
お水を大量に飲んでいるので、おしっこがしたいだろうと外へ連れて行くと、
お散歩はしたくないが、おしっこは立たせた場所にすぐにした。
そしてもうかえりたいという。
夏にオレコが大腸炎になったときのことを思い出していた。
あのときは激しい下痢だった。
多少吐いたのだが、それは腸の不調のせいだった。
完全に治るのに3日くらいかかったか。
でもあの大腸炎とはちょっと違うようだ。
だけどつらそうなので、車に乗せて30分かかりつけまで連れて行くのは、ちょっとかわいそう。
大腸炎のときの近くの先生に見て頂くか、どうするか。
ルーチンワークをこなしながら、ぎりぎりまで悩む。
一日絶食したらなおるケースもある。でもこんちゃんの今回のはなにか違う気がする。
近くのお医者さまに行っても、手術の経緯をしらないわけだし、具合の悪さを追及する可能性を狭めることになるのでは。
じりじりと悩み、えいやっと思い立って、かかりつけへ向かうことにした。
ごめんね、こんちゃん。ちょっとつらいと思うけど、行こう。
ぐったりしたこんを車に乗せて病院へ。
つくころには午前の営業時間が終わりそうだったので、先に電話をしておいた。
様子を伝えて、みてもらえるように手筈を整えてあった。
病院は院長の休み明けの診察日だったので、混み合っていた。
まもなく院長は手術に入ると聞き及び、では、こないだ説明してくれた医師に、
といったはいいが、名前が思い出せない。
2Fの待合室の壁に貼られた獣医師のプロフィールからこの先生だと思うと指さし、
具合が悪いので下の待合室で待たせてもらいますね、といって、降りて行った。
いつもと同じくらい待ったが、その間に、看護師さんやら受付事務の方やら、
入れ替わりたちかわり、こんの様子を見に来てくれて、声をかけてくれた。
こんは帰りたくてうろうろしてしまうので、時々抱っこ。
抱っこが嫌いなのと、その体勢ではからだが苦しいようなので、時々床におろしたり。
そんなこんなして、やっと先生に見て頂けた。
すぐに熱、便、血液検査。
血液検査のあとは昨日のブログのとおりである。
病院にこんちゃんを預けて、おとうさんに一連の経緯を説明して、
仕事道具をなんにももってこなかったし、オレコに一旦もどるからねと約束していたので、帰宅する。
途中、神社に寄った。
家族四人分のお賽銭の製造年を一けたになるまで足していくと3になった。
3日で返してください。元気で返してください。
そのことだけお願いして、急いで家へ。
朝のオレコの散歩はちょっと短かったので、つれ出したのだが、
町は小学生にのっとられていて、オレコはパニックになり、最小限の用を足して、家に逃げ帰った。
朝、ごはんをちょっと少な目にしていたのと、多分これから会社に行ったら遅くなるので、オレコは中間食。
もりもり、うれしそうに食べる。食べるのがほんと好きだね。
各部屋のカーテンを閉めて、オレコを抱っこ。
おててをにぎにぎしながら、こんちゃんが入院したこと、これからのこと、
ゆっくり話して聞かせ、だからこれからお仕事してこないといけないの、ごめんね、と言って会社へ。
少し仕事をしてからと思ったが、都合で、おとうさんを連れてすぐ病院へ向かう。面会のため。
夜もやはり混んでいて、受け付けて30分以上は待ったと思う。
面会室へ通されると、そこにはこんちゃんがいた。
まだ元気ではないけど、昼間よりはずっといい。
お父さんにしきりに甘え、慣れないエリザベスカラーのために、あちこちぶつかりながら歩いていた。
やっとこんちゃんらしさが出てきて、ほっとして笑う。
この子は病院が嫌いというか苦手だから、はやく家に連れて帰りたいけれど、まだ無理だろうな。
点滴してもらって、明日には少しでも元気になるといいけど。
何の根拠もないけども、3日で帰ってくるような気がして、あと少しがんばろうね、明日また来るね、といって、病院を出てきた。
会社に戻って仕事。
終電に乗りはぐれ、終バスで大宮駅まで。
歩いて帰ろうかと思ったが、どんよりと疲れていて、京浜東北線の最終に乗り、新都心へ。
ぼんやり深夜の街を歩く。何にも考えていないけれど無意識のうちにこんのことを思っている。
いつも疲れているときは長く感じる道のりが、あっという間に家についた。
家に帰ると、オレコがとても喜んで、抱きしめていい子いい子。
病院でのこんちゃんのことを話して聞かせて、帰ってきたらおかえりっていってあげてね、と頼む。
そしていつものとおりに夜のルーチンをこなす。
廊下をいったりきたりしている間に目に入るこんの巣。
主のいない巣の敷物の真ん中あたりがまるくへこんでいる。
はやくかえってきてよね。
ぶんぶんと頭を振って、オレコと散歩に出かけ、もどってきてごはんを食べさせ、
御風呂に入って、天気予報をぼんやりながめながらすこしごはんを食べて、
なるべくこんの巣を見ないようにして、ベットに入る。
見回りを終えたオレコがどどっどどと駆け上ってきて、スポ!と布団にもぐりこむ。
布団の中であったかい大きなかたまりをなでながら、オレコはわたしに抱きつきながら、
ふたりであっためあって、眠りについた。
こんちゃん、おやすみ。
オレコとお母さんももう眠るよ。
またあした。
はやく会いに行きたい、と思いながら、目を閉じた。