かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

国内総生産的風景

2006年03月30日 | 数の風景
 デジタル化時代の象徴として、600m超の第2東京タワー(すみだタワー)が墨田区に建ち上がる事が内定したという。手書きがコンピュータに代わり、レコードがCDに代わり、手紙はメールに代わった。そういうデジタル化のいちいちに逆らっていては、食いっぱぐれてしまう。
 新しいモノが生まれる代償に何かが古びていく。新しいモノに目を奪われるうちに知らず知らず、消えていくモノがある。今に始まる事ではない。 遠い昔、レコードが登場したおかげで町からは演歌師も流しも消えていった。風俗や文化には必ず光と影がある。
 
 浪花節ばかりでもない。たまには客観的になろう。 
 『国内総生産』という言葉がある。小学校当時、第1、2、3次産業の比率は確か同じくらい(30%前後)だったと記憶している。産業構造はこの30年で激変した。もう学校で習ったことはほとんど通用しない。
 驚くことに、第一次産業(農林水産業)は今や1%にすぎない。第二次産業は30%キープというところだが、重工業からハイテク産業へと内容は移行している。それに引き換え、第三次産業(サービス、情報)はついに70%を越えた。
 ここにみる数字はただ事ではない。我々が目にする現実の風景はこれをそのまま反映している。モノカネ情報を右から左に動かすことでほとんどの人が食いぶちを稼いでいる。なんてこった。この第3次産業を限りなく100%にするのが資本主義の行き着く先なのか、という気にさえなってくる。
 さて、ここから先にある世の中をどのようにイメージしていけばいいか、どのような世の中をイメージできるか、設計屋としてそこから目をそらす訳にはいかない。あきらめてはいけない。

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