kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

寄生獣

2014年12月07日 | 邦画
日時:12月6日
映画館:バルト11

連載はリアルタイムで読んでいて、コミックも全巻そろえているので、四半世紀を経て実写映画化というと感慨深いものがあるなあ。

「寄生獣」の話をする時、必ず人に言うのが連載開始時は全3回の短期集中連載予定だったということ。(前号予告で明記されていたことをはっきりと覚えている。)それが順々に伸び、全10巻になるとは思っても見なかったし、そのせいでストーリー展開にムラがあることは否定できないだろう。(早々の母親の死や2回に渡る学校襲撃など)

【以下、ネタばれあり】

全10巻のコミックを2回の映画にするのだから、ストーリーの整理は止む得ないが、手堅くまとまっていると思う。「A」と「母親」のエピソードを1つにまとめるのは予想外のアイディアだが、映画全体の流れからいうと少し浮いてしまっているのが残念。

ラストの対決の仕掛けは原作好きとしては少し受け入れがたいものもあるが、映画的には泣ける場面。

岩明均の作品はどうでもいい脇役が光っており、原作にもジジイ・ババアや公安当局など印象的なセリフを吐く面々が揃っていたが、そういうのはカットされている。当然だけどね。完結編では「加奈」は割愛されそうだが、「浦上」のブッとんだキャラに期待しよう。

誰しも口にする第1話の「うばあ~、ばくん」のシーンは衝撃的だったが、数々の残酷シーンを実写でみると原作以上にイヤ~な感じが伝わってくる。元々原作自体、クセのないタッチと白っぽい画面と残酷描写のギャップが良かったのだが、映画にしてみるとどうしても白っぽい絵がゴチャゴチャした映像とならざるえない。

そんなことを言いながらも、「島田」の学園大パニックなんてもっと派手な映像を期待していたのだが・・・。完結編の「市役所」攻防戦を楽しみにしていよう。

高校生が主人公でありながら、時代背景をあまり描きこんでいないおかげで、25年を経ても学生生活にさほど変化がないのだが、中でも橋本愛の「村野里美」は原作の雰囲気にかなり近くていい感じ。

國村隼の関西弁の「平間」も原作の空気感でよい感じです。
阿部サダヲの「ミギー」はイメージとちょっと声が違うかな。悪くはないけどね。

なんだかんだいいながらも、映像化としては成功しているんじゃないだろうか。






題名:寄生獣
監督:山崎 貴
出演:染谷将太、深津絵里、橋本愛

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