やんちゃでいこう

5歳の冷めた男の子の独り言

奇妙な同居人―121話

2011-11-10 07:24:39 | 小説
「わかった。その線はこっちで捜査する。とりあえずそのボロボロの手紙を持って帰ってくれ」

「わかりました。」

4時間ほどで戻れる。

その4時間は何も捜査できないわけではない。

電車から指示を出せれれば、捜査は進む。

何かのネタを持ってゆすりをしていたのか。

それとも、上手く使われた後に殺されたのか。。。

いや揺すっていたのだろう。

そうでなければ、あのマンションを購入できるわけが無い。

殺す相手にそんなマンションなど与えないだろう。

そのネタは、牛島のものかそれとも藤間のものか。

多賀木はいろいろと考えながら、ぼんやり社内を見渡した。

車両には、お年寄りばかりだ。

しかも一人でぽつんと座っているのが多い。

だんだんと集団から追い出されていくのだろう。

これも寂しい光景だ。

その中で古い新聞紙で包んだ焼き芋を広げるお婆さんを見た。

多賀木は目が釘付けになった。

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