kaimakaniの寄り道

ハワイアンファブリックショップ店主の寄り道日記

帰る場所が

2008-08-28 19:12:06 | Weblog
1つ減ってしまいました。


いつかお稽古を復活して精進し、大好きな先生からお名前をもらう事を夢見ていました。来年にはいよいよ復活を予定していたのですが、先生は8月23日に旅立ってしまいました。

いつか帰ろうと思っていた大切なその場所が、一つ無くなってしまいました。

時折電話を下さって、「たまにはお顔を見せてくださいな…。寂しいわ~。」とおっしゃっていたのは、今思えば、病状を理解なさった上でのお言葉だったのかもしれません。その時は先生の「私は大丈夫ですよ!元気になりましたから!」という明るい言葉を鵜呑みにしてしまい、自分自身の忙しさの中で先生のお身体を案じる事もなく日々が過ぎてしまいました。
お稽古をしていた年月よりも長い10年という期間お休みをいただいていた非常識な私を忘れることなくいつも気にかけて下さった先生の気持ちに、結果的に応える事が出来なくて本当に心から後悔しています。
せめてもう一度、美味しいお茶をいただきながらお話したかったです…。

「貴女は立派な三味線弾きに慣れるわよ!」、と言って稽古用三味線しか持っていない私に舞台用の高価なお三味線を惜しげもなく貸して下さったり、
「香さんお好きでしょ」と言ってお稽古の時に必ず美味しいお菓子を用意して下さったり、
「香さんに似合うと思うのよ。」と、お洋服を下さった事も数知れずです。

とにかく、誰に対しても与える努力を惜しまない方でした。
朗らかで時には少女のような可愛らしさも溢れる先生でしたが、お稽古は厳しく何時間も続く事もありました。
三味線のお稽古は1対1ですから、先生との相性がすべてです。
漂う空気の感じを共有出来ないと、上手くいきません。
振り返れば、私は本当にのびのびとお稽古させていただいていました。
もうその日は永遠に来ないのだと思うと、涙が止まりません。

せめて先生のお人柄を少しでもシェアしていけるように、日々精進して行こうと思います。
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