遺言・相続

遺言や相続手続きをわかり易く

遺言書の作成

2015-11-12 14:09:29 | 遺言・相続
新聞で平成14年末までに遺言信託をする人が9万7千人になったという記事を読みました。
遺言書を書こうと思って準備を始めたが、いざ書こうとするとどういう書式でどの様に書いたらいいのか、自分の思いを文章にしたがこれで意味が伝わるのかとか、又、ある程度自分で内容はまとめたが、実際遺言が執行された場合、相続人や受遺者にどのような影響が生じるかなど、色々な心配な点がでることも多いかと思います。
そこで、信託銀行などの説明会に参加し、一つの方向性をアドバイスされるとその流れで契約するということもあるのではないでしょうか。
それも一つの方法ですが、手数料もけっして安いものではありませんし、自分が遺言したいことと合致しているかどうか、メリット、デメリット、契約内容をよく知ったうえで選択することが必要です、途中解約や内容の変更等により違約金や追加費用が必要になる可能性もあります。

よく利用される一般的な遺言書の作成方法には、
遺言書を自身で作成される「自筆証書遺言」と公証人に作成してもらう「公正証書遺言」がります。
どちらの方法によって作成されても、有効な遺言書の取扱いに違いはありませんが、それぞれ良い点、」悪い点がありますので、遺言の内容、相続人の状況などを勘案したうえでどの方法によるかを決められるのがいいと思います。

相続対策Ⅱ

2015-07-08 15:47:57 | 遺言・相続
前回、税のためだけを考えた相続対策は避けた方がいいと書きました。
これは、節税対策はしない方がいいということではなく、本来考えている相続の形を相続税対策だけのために無理な対策を行うことは避けた方がいいということです。
確かに、相続税の基礎控除額が4割引き下げられたため、平成26年までは課税対象にならなかったが、平成27年から課税対象となるケースも出てきますが。
最近、遺言書の作成等に際して相続税のことを気にして、無理に金銭を減らすことや、借金で賃貸物件を取得することを考えている方もみえます。
この場合、金銭から不動産などへ財産を変更することによって財産の評価という点から有利になることもありますが、金銭から他の財産への変更は、換金性の点で納税資金、手続き資金等が十分確保されないというリスクもあるということも考慮する必要があります。
また、借金による賃貸物件の取得の場合、その後の債務返済、賃貸物件の収益性等も考慮することが必要です。

又、税対策をされた結果、遺産分割に際し、賃貸物件が共有となっており売却に支障がでた、また、相続以後、維持管理費の負担割合等で親族間においてもめているなどのケースもあります。

相続対策は税負担のみを考えるのではなく、相続財産を相続人等が有効に活用できる長期的観点から考える必要があるのではないでしょうか。

建設業許可申請について

2015-05-09 15:57:04 | 許認可
行政書士の業務の一つに建設業許可申請業務があります。
行政法上「許可」とは、禁止されている行為に対し解除を
求めるということです。

では、建設業は許可が無いと営業できないかというとそうではありません。
建設業法上1の請負代金が500万円(建築一式工事は除く)以上となる建設業を営む場合は許可が必要とされています。
つまり、1つの請負代金が500万円未満の建設工事のみを営む場合は許可を受けないで建設業を営業することができるということです。
逆にいうと、1つの請負代金が500万円以上となる建設工事を営むことは行政上禁止されており、許可を受けた業者が許可を受けた業種で行うことができるということです。

具体的には、電気工事の許可を持っている場合、電気工事については2千万円の工事を請け負うことができますが、
一緒に又は別途に700万円の内装工事を請け負うことは禁止されています。

建設業の許可を受けるためには、
・建設業の経営管理責任経験
・常駐の専任の技術者の配置
・請負契約等に関する誠実性
・財産的基礎(又は金銭的信用性)
その他一定の審査基準を満たさなければなりません。
又、許可をうけても永続的なものではありませんので、毎年度工事経歴他の届をしなければなりませんし、許可の有効期限は5年間ですから有効期限の前に更新の許可を受ける必要があります。
この様に、一定規模の建設業を営む場合は、許可の基準を維持、継続する必要があります。
許可は受けたが、その後基準を満たすことが出来なくなり
廃業(建設業法上の廃業で許可が無い状態を含む)ということになるケースもあります。

建設業許可をはじめとして、許可申請を行う場合、許可を受けることだけでなく、その後の管理体制や人材育成なども考えていく必要があります。

遺言の話2

2015-02-02 14:14:38 | 遺言・相続
通常用いられる遺言には別項で書きましたが、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があります。
各遺言はそれぞれ法律で定められた方式で適法にされたものであればその効力には違いはありませんし、どの方式によって遺言をするかは遺言者が自由に選ぶことができます。
遺言は誰でも15歳になればすることができますが代理人によってすることはできません。
未成年者であっても親の同意は必要ありませんが、親が代わりに遺言したりすることはできません、又、売買契約のようにその遺言を親が取り消すこともできません。
逆に成年であっても遺言をするとき自分の行為(遺言)の結果が判断できないような場合は遺言をしても無効となる恐れがありますので、遺言はいつでも出来るといっても、事故や認知症などにより遺言ができなくなったりすることを考えておくことも必要です。

遺言はどの方式でもいいといっても遺言をする目的、遺言者の年齢、推定相続人の数や状態、財産の内容などを考え方式を決めないと後で遺言の内容や効力などで争いになることもあります。

遺言は遺言者が亡くなって効力が発生するものです、円滑な相続を考えて選択するのがいいと思います。

相続と相続税

2014-12-15 17:53:57 | 遺言・相続
相続というと相続税が思いうかぶ方が多いと思います。
それで、相続税と関係ないから相続手続きは必要ないと考えがちですが、
そうではありません。
相続税の課税があるから相続手続きがあるのではなく、相続が行われ、その結果一定の場合に相続税が課税されるということになるわけです。
相続税が課税されないなら、不動産の売却などしなければ
相続手続きを全部完了しなくても支障がない場合が多いのですが、
課税される場合には、相続が開始してから10ヶ月以内に
相続手続きを完了し、相続財産が分割されている、いないにかかわらず相続税を計算し、納税額を確定することになります、その意味で
相続=相続税
となるのではないかと思います、
平成26年12月31日までは、相続税が課税されるのは、全相続の2~4%程度といわれていました。
つまり、大半の相続は相続税の対象にならなかったわけですが。
改正相続税が施行される平成27年度からは対象となる割合は増加すると思われます、しかし、不動産評価額が高いとされる都市部であっても、相続全体の50%以上が課税対象になるようなことにはならないでしょうから、相続税対策だけを中心に相続を考えることは費用等の面からも避けた方がいいかと思います。
税対策からだけの相続対策は、思っていた相続と異なった承継となったり、かえって相続人に負担を強いたりする結果となったりすることもあります。
相続について色々な事が言われていますが、まず自分にあった条件を正しく理解することが重要です。情報を正しく選択することも必要な対策かと思います。
ただ、課税されないので相続手続きや対策は必要ないかと言えば
そうではありません。
人が死亡した場合、何もしなくとも相続は開始します。
その意味からの相続対策は必要ではないでしょうか。