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映画【ブレイブ ストーリー】

2007-07-17 01:36:42 | 映画
ブレイブ ストーリー
2006
千明孝一


テーマは凄く良いです。
「ぼくの願い、ぼくは世界を変えてみせる。しかし、ぼくはこの世界で生きている」というもの。
勝手な解釈ですが。

ただ、表現が全てに於いてチープすぎる。決して安く制作しているわけではないのは分かります。制作費10億円らしいですし、その労力は分かりますが、その労力とテーマが釣り合ってない。
アニメーションと3次元のCGを組み合わせて、多分適材適所で配置しているのでしょうが、動画(メインキャラ全般)と3次元CGとのバランスが異常に悪い。
もの凄くもったいないです。
ストーリー展開にも問題はあったのかもしれませんが、コレじゃ狙っているゾーンが全く分かりません。
序盤があまりにもつまらなくて、3回に分けて鑑賞しました。

この方法がポケモン以降の世代にも通用するのか分かりませんが、少なくともアニメで育ってきた我々の世代にはいちばんやってはいけないアプローチです。
アニメはアニメであって、そこに動きのリアルさなんて求めてなくて、むしろそれを脳内で補完して楽しむものだと思っています。
秒4フレームであってもそこに不満を持ったことはありません。リミテッドアニメーションであってもそれはストーリーが補います。
いやー、もったいない。


ストーリー自体はある出来事の中での少年の成長期のお話で、自分だけの願いと、それを実現する力を得たときに、その自分だけの願いとは本当に正しいことなのかという葛藤の中、で正しい答えを導き出せるか、というものです。
ジャンルとしては大人向けアニメーションという位置づけです。内容についてそれは間違いないものの、表現がそっち側じゃない。

「Road of the Ring」やら「ハリー・ポッター」を日本で本気でやるには?というところから出発しているのかもしれません。
アニメーションでやったというのは正解だったんですが、その中での方法がちょっとねぇ・・・。

世界としてはドラゴン・クエストで育った身としては共感できることも多々。
しかし、そのゲーム的な要素は映画としては成立しがたい。広告戦略だけでは映画は作品として成り立たちません。
勉強になりました。


あらゆるそれまでの展開を無視しないで終盤でカタルシスにブッ込んでくる手腕としては、宮崎駿監督作品にはとうてい及ばない作品です。
良いお話なので、お暇があったらどうぞ。


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