鉄コン筋クリート
2006
マイケル・アリアス
これは凄いです。
アニメとか実写とか関係なく面白い。
ストーリーもちゃんと展開してて、映画としても素晴らしい。
もの凄い作り込みです。
この「鉄コン」、ここ数年のアニメ作品の集大成みたいな作品です。
到達点のために、ちゃんと技術が選ばれています。
背景はもちろんアナログの手書きだし、それを張り込んだ町並みは3次元のCGで組み込まれています。
かといって、技術自慢には全くなっていない。バランスが凄く良いです。
できちゃうからと言って、全部をデジタルでやらない。大変だからと言って、デジタルに逃げてない。
基本的に全てアナログ感覚。
最近は割と良いアニメが多かった気がしますが、どれも後一歩な感じがしていたました。画へのこだわりが強すぎてストーリーがどっかへ言ってしまったり、もともとストーリーが無かったり、そのストーリーにメッセージがなかったり。結構偏った作品ばかりでした。
ジブリ作品でさえもここ数年の作品は偏りすぎててどうも見てて爽快感が無かったし、現実に即しすぎた動きや技術のおかげでかえって空想の幅が減ってしまっていた感があります。
本作ではそういう後一歩感はありません。むしろ、行き過ぎてんじゃないの?くらいの作品。
実写作品と比べたって、この作品以上のクオリティの作品はなかなかあるモンじゃありません。
やはりアニメーション作品は国産が抜群にセンスが良いですね。
先日見た「ベルヴィル・ランデブー」も、確かに凄い密度なのですが、画の書き込みが激しすぎてたり、話の不条理さが作者の独善だったり。
作家性は確かにありますが、それが割と投げっぱなしという感がありました。
本作の監督はマイケル・アリアスという監督。
元はハリウッドのVFXアーティストだったとのこと。
古くは「アビス」に関わっていたとのこと。あのVFXは凄かった。水の擬人化(モーフィング)が綺麗で、もの凄い透明感ある美しい映像を創っていました。作品としても好き。
「クルックリン」でもCGIを担当してたらしいんですが、アレ、CGIどこに使っていたのか思い出せません。
本作では、最先端の技術屋であるアリアス監督の願う、一歩先の未来というものが描かれているんだと思います。
ストーリーとか設定のことではなく、全体の表現として。
いつの時代でも、一歩先に出られるのはギリギリの最先端でやっている人たちですね。
私の考えですが、古くはその技術者たちを芸術家と呼んでいたんだとおもいます。ダ・ヴィンチとかガウディとか、そういう人たち。
今ではその人達のことを技術屋や科学者と呼び、彼らが未来を描き、実現することができるんですね。
稚拙な技術や理解の上では、表現もイマイチぱっとしませんし、響いてきません。
根本に技術と理解があって、その先に表現があるんだと思っています。
そういうバックグラウンドがあって創り出さされたものは、絵画・建築・文学・音楽・数学、どんな分野であったとしても、美しさを持っています。
2006
マイケル・アリアス
これは凄いです。
アニメとか実写とか関係なく面白い。
ストーリーもちゃんと展開してて、映画としても素晴らしい。
もの凄い作り込みです。
この「鉄コン」、ここ数年のアニメ作品の集大成みたいな作品です。
到達点のために、ちゃんと技術が選ばれています。
背景はもちろんアナログの手書きだし、それを張り込んだ町並みは3次元のCGで組み込まれています。
かといって、技術自慢には全くなっていない。バランスが凄く良いです。
できちゃうからと言って、全部をデジタルでやらない。大変だからと言って、デジタルに逃げてない。
基本的に全てアナログ感覚。
最近は割と良いアニメが多かった気がしますが、どれも後一歩な感じがしていたました。画へのこだわりが強すぎてストーリーがどっかへ言ってしまったり、もともとストーリーが無かったり、そのストーリーにメッセージがなかったり。結構偏った作品ばかりでした。
ジブリ作品でさえもここ数年の作品は偏りすぎててどうも見てて爽快感が無かったし、現実に即しすぎた動きや技術のおかげでかえって空想の幅が減ってしまっていた感があります。
本作ではそういう後一歩感はありません。むしろ、行き過ぎてんじゃないの?くらいの作品。
実写作品と比べたって、この作品以上のクオリティの作品はなかなかあるモンじゃありません。
やはりアニメーション作品は国産が抜群にセンスが良いですね。
先日見た「ベルヴィル・ランデブー」も、確かに凄い密度なのですが、画の書き込みが激しすぎてたり、話の不条理さが作者の独善だったり。
作家性は確かにありますが、それが割と投げっぱなしという感がありました。
本作の監督はマイケル・アリアスという監督。
元はハリウッドのVFXアーティストだったとのこと。
古くは「アビス」に関わっていたとのこと。あのVFXは凄かった。水の擬人化(モーフィング)が綺麗で、もの凄い透明感ある美しい映像を創っていました。作品としても好き。
「クルックリン」でもCGIを担当してたらしいんですが、アレ、CGIどこに使っていたのか思い出せません。
本作では、最先端の技術屋であるアリアス監督の願う、一歩先の未来というものが描かれているんだと思います。
ストーリーとか設定のことではなく、全体の表現として。
いつの時代でも、一歩先に出られるのはギリギリの最先端でやっている人たちですね。
私の考えですが、古くはその技術者たちを芸術家と呼んでいたんだとおもいます。ダ・ヴィンチとかガウディとか、そういう人たち。
今ではその人達のことを技術屋や科学者と呼び、彼らが未来を描き、実現することができるんですね。
稚拙な技術や理解の上では、表現もイマイチぱっとしませんし、響いてきません。
根本に技術と理解があって、その先に表現があるんだと思っています。
そういうバックグラウンドがあって創り出さされたものは、絵画・建築・文学・音楽・数学、どんな分野であったとしても、美しさを持っています。
表現の方法まで話が及ぶことは今まであまりなかったと思うよ。
とは言っても、最終的にはお話で心が動かされるかというものなので、表現に頼らない往年の名作にはまだ敵わないね。