映画【アイズ・ワイド・シャット】

アイズ・ワイド・シャット
1999
スタンリー・キューブリック

遺作ですね。
名作ですね。
あんまりエロくないですね。
全て映像的に、です。

以前友人から貰って読んだ黄昏に歌え（なかにし礼著）の終盤、社会的に成功した私（主人公）がエロい女に誘われて上流セックス結社にハマッていくというのを思い出しました。
ほぼ同じお話です。

同じトム・クルーズが出ているのであればマグノリアの方が全然おもしろかった。あっちでは下世話なセックスマスター役でしたが、割と似たようなもんです。
私、生粋の日本人だからかは知りませんが、バタ臭い裸のモロ出しはあまり好みではありません。偉くなったらそういう世界も有るのかもしれませんが、遠慮しておきます。旅館でしっぽりいきましょう。どうでも良いですか。そうですか。

ところで、お話自体はあまりそそられなかったのですが、画が凄い。言うまでもないですが。
どうしたらあそこまで計算し尽くせるのかしら。それとも偶然なのか。偶然なわけありません。
基本的に広角レンズで人物の表情がきっちり分かる程度に寄り、なおかつ背景との調和。結構なパンフォーカスだったので照明もバッキバキに当てて絞り込まないとあそこまでの画は撮れません。全体にあれだけむら無く当てて、しかも演技まぜ計算して、陰も変に落とさない。
普通の監督どれか一個で精一杯でしょう。キューブリック、変態ですね。そりゃ制作が長期になりすぎて死にますよ。おかげで全く飽きません。
1カットではなく、1フレームどこを取り出しても完成されている気がして、試しにテキトーに一時停止てみたんですが、やっぱり綺麗な画でした。

映画っておもしろいですね。