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歌わせたい男たち・大阪公演

2005-11-24 19:02:46 | 観劇レビュー
歌わせたい男たち(永井愛作・演出、二兎社公演)
2005年11月23日1時からの大阪公演を拝見。
脚本・作劇・演出・キャストすべてがすばらしい舞台でした。
実際に東京都その他で起こっている事態だけに笑っては済ませない深刻なそして重大な警告を含んでいるようです。
なのに、数分に1回は笑いが起こる作劇技術の巧みなこと。あるところは失笑、またあるところは爆笑などなど種類の違う笑いが散りばめられていました。
配役の人々がそれぞれなりに悩み葛藤している様を面白おかしく描いているのですが、舞台が東京都のある高校なので、実際に起こった事態や都知事の発言などが織り込まれているようで真に迫ったところがあります。
教員が見ると身につまされることでしょう。
終盤で校長が長々と「内心の自由」について演説するところは、チャップリンの「独裁者」の最後(方向性は全く反対だが)の演説や小泉の絶叫にも似ているのですが、与田先生なりに一生懸命訴えるのでそれなりに説得力があり、これに説得される人々がいるのもうなずけてしまいます。
「君が代派の言い分」を具現化したもののように思えますが・・・。
だんだん絶叫が極端になるので観客も意図が解ってくるように仕立てられているのが救いですが。
近藤芳正扮する拝島先生の主張は「正論」ではありますが古い“左翼的”『紋切り型』に聞こえてしまい、説得力では校長に負けている様にも思えます。
結局、拝島先生が起立して歌うか否かは観客の想像力に委ねられています・・・。
戸田恵子が最後に「歌ってよ愛を」だったか何かシャンソンを歌いましたが、無伴奏で歌い始め、澄み切った声で適度なビブラートもつけて本当にうまい。歌い終わり頃に音楽が入ってくるのですが、音程が全くずれていない。絶対音感かなにか秘密でもあるのか?
戸田恵子さんはTVでは割と低い声で落ち着いた役柄が多いようですが、この劇ではよく通る高い声で滑舌良く、また可愛く素敵で、もう言うことなし。
出張帰りに観劇
 
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