JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

新語登場 【駆け込み退職】 制度変更の問題を問わず、職員を非難するのは「お門違い」

2013-01-24 23:59:29 | 雇用・労働
2013年1月24日(木)

 2・3日前から、教職員や警察官の 【駆け込み退職】 が話題となっている。

退職金減る…埼玉の教員110人が駆け込み退職
 (読売新聞) - 2013年1月22日(火)07:53


 迂闊にも最初は、「何のこっちゃ」 と思っていたが、大体事情が解った。

 法改正やそれを受けた地方自治体の条例等の法令改悪によって、退職金の削減が

義務付けられ、その実施期限が今年の2月末であることが事態を混乱させた、

と云う訳である。

駆け込み退職、9府県で450人超 教師や警官に広がる
 (朝日新聞) - 2013年1月23日(水)21:11


 マスメディアの多くが、「任務を放棄して早期退職するのはケシカラン」

という意見や「公務員だけ逃げ得はゆるさん!」などの声を紹介している。

 しかし、西日本新聞では、上記のような声と共に次のような話も紹介。

【財政難とはいえ、一方的に減額した国がおかしい。教師や警察官は生活防衛しただけであり、責めるのは酷だ】

【駆け込み退職者が一概に悪質とはいえない。夫が同じ境遇だったら退職を勧めると思う】


定年全う=手当大幅に減額… 駆け込み退職 私なら
 (西日本新聞) - 2013年1月24日 14:36


 そうなのだ!

メディアの報道には 【一方的に減額した国がおかしい】 という視点が抜けている。

 この退職金減額は全く一方的な処置であり、「謂わば文句があるなら早く辞めろ」

と云う恫喝を含んだような制度改悪である。早期退職勧奨措置の一つだ。

そういう究極の選択を職員に強いておいて、最小限の自己防衛として「早期退職」

を選ぶと文科相が、「決して許されざる(ことだ)」と批判するとは!

「決して許されない」=教員の駆け込み退職―下村文科相
 (時事通信) - 2013年1月24日(木)13:02


 「職業の自由」は憲法で保証されており、いつ辞めるかの選択は「自由」

のはずである。 事実上の早期退職誘導政策のもと社会通念上も問題は無い。

 解雇はいつでも自由だが、「退職時期の選定は自由ではない」と云う考え方は

雇う側の一方的な考え方ではないか?!

 百歩譲っても、本来ならば制度開始を4月1日付けにするべきであったのだ。

そうすれば、今問題になっているような、受験・卒業式を控えたこの時期に

大量退職という事態だけは避けられたはずである。

 制度転換の時期を何故2月末にしたのかは極めて疑問である。

誰が、こんな無茶苦茶な制度を設計し、だれが承認したのか?

 マスメディアは、そういうことこそ問題にすべきなのに、そういうスタンスの

メディアは少ないようだ。

 そういう事態を受けて、一旦退職はさせて、3月末まで臨時雇用や非常勤で

仕事を続けてもらうと云う現実的な処置を進めようとしている自治体も

出てきたようで、それはそれで一歩前進である。 

駆け込み退職「公認」の動き…3月限定で再任用
 (読売新聞) - 2013年1月23日(水)17:25


*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************

退職金減る…埼玉の教員110人が駆け込み退職
 (読売新聞) - 2013年1月22日(火)07:53
 

 埼玉県職員の退職手当が2月から引き下げられるのを前に、3月末の定年退職を待たず今月末で「自己都合」により退職する公立学校教員が、県採用分で89人に上ることが21日、わかった。

 県費で退職手当が支払われるさいたま市採用の教員も、21人が同様の予定という。県教育局の担当者は「例年、定年退職者が年度途中で辞めることはほとんどない。異例の事態だ」としている。該当教員がいる学校では後任の確保の対応に追われている。

 県によると、今年度の県の定年退職者は約1300人(県警を除く)。このうち1月末での退職希望者は教員が89人、一般職員が約30人の計約120人となっている。

 改正国家公務員退職手当法が昨年11月に成立し、総務省が自治体職員の退職手当引き下げを自治体に要請。埼玉県では県議会が昨年末に改正条例を可決し、2014年8月までに平均約400万円が段階的に引き下げられる。改正条例は2月1日から施行され、今年度の定年退職者は3月末まで勤務すると、平均約150万円の減額となるという。2月1日の施行について、県人事課は「速やかな実施が必要」と説明している。




定年全う=手当大幅に減額… 駆け込み退職 私なら
 (西日本新聞) - 2013年1月24日 14:36

 全国で次々と明らかになっている公務員の「駆け込み退職」。官民格差是正をうたって国家公務員の退職金手当を段階的に減額するのに伴い、国が地方公務員の退職手当も引き下げるよう自治体側に要請したことが発端となり、問題化した。福岡県では今のところ駆け込み退職の申し出はないが今後、退職希望者が出てくる可能性は否定できない。公務員の職責を全うするか、自らの生活を守るか-。その是非を市民に聞いた。

 福岡県は行政職や教職員、警察官の退職手当に関し、本年度から数年かけて段階的に引き下げる条例改正案を、2月開会予定の県議会に提案することを検討中。県人事課によると、今後数年で現在に比べ、平均約400万円減額されることになるという。

 「公務員の世界は逃げ得を許すのか」と怒るのは、福岡市中央区の団体役員男性(40)。「駆け込み退職なんて民間では考えられない。社会の厳しい目を公務員は自覚すべきだ」と強調した。

 他県では警察官の退職も広がる。福岡県警OBの男性(62)は「目先の利益のために辞めるのはいかがか」と語り、「人生設計とかきれいごとじゃない。採用や拝命したときに抱いた『社会のために働く』という覚悟を忘れたのか」と憤った。

 一方、小学生の子どもがいる北九州市八幡西区の主婦(35)は「もし子どもの担任が駆け込み退職したら『えっ』と戸惑うと思う」。ただ、「退職金が下がるというのであれば、その前に辞めようという気持ちも分かる」と、理解を示した。

 福岡県宮若市の元中学校校長の男性(61)は「世間では職場放棄という批判もあるが、子どもを見捨てようと思って退職する教員はいない」と力説。県教職員組合の男性幹部は「個人としては職責を果たしたいと思う。しかし、教職員それぞれに人生設計があり、仕方がない側面もある」と、おもんばかった。

 福岡市南区の会社員男性(46)は「財政難とはいえ、一方的に減額した国がおかしい。教師や警察官は生活防衛しただけであり、責めるのは酷だ」と指摘。福岡市内の女性(55)も「駆け込み退職者が一概に悪質とはいえない。夫が同じ境遇だったら退職を勧めると思う」と語った。

=2013/01/24付 西日本新聞夕刊= 



駆け込み退職「公認」の動き…3月限定で再任用
 (読売新聞) - 2013年1月23日(水)17:25

 駆け込み退職を“公認”し、対策を講じる動きもある。

 京都府警の場合、条例改正案が施行される3月1日以降に退職した場合、退職金は前年度の退職者より百数十万円安くなる。

 府警ではこれに伴い、今春の定年退職予定者154人に対し、引き下げ前の2月末で駆け込み退職した場合に、3月の1か月間限定で「再任用」する案を提示している。定年退職予定者には署長ら管理職も含まれているため、府警は「駆け込みが相次げば警察業務の運営に支障をきたす」と判断したという。

 再任用後は原則として退職前と同じ職場でフルタイム勤務するが、給与は減額される。早期退職、再任用の希望人数は現在取りまとめ中という。警察官の再任用は、後継者の指導や育成のために任期は1年とするのが一般的という。



駆け込み退職、9府県で450人超 教師や警官に広がる
 (朝日新聞) - 2013年1月23日(水)21:11
 

 国家公務員の退職金減額に伴い、自治体でも条例改正で退職金が引き下げられるなか、退職金の減額前に早期退職する教職員や警察官が増えている。朝日新聞の調べでは、9府県で少なくとも450人にのぼった。学校教育や治安に影響が出ないか、文部科学省や警察庁が調査を始めた。

 「(引き下げ前に)駆け込むために職務を途中で引き揚げていくのは残念としか言いようがない」。23日、全国知事会の記者会見で、会長の山田啓二京都府知事は述べた。

 2月から退職金が約150万円減るのを前に、教員ら100人以上が1月末で退職することが明らかになった埼玉県のほかにも、教職員の早期退職が各地で目立つ。 



駆け込み退職、警察官も…「150万減るのは」
 (読売新聞) - 2013年1月24日(木)08:00

 自治体職員の退職手当引き下げを盛り込んだ改正条例施行を前に、駆け込み退職を希望する警察官が相次いでいる。

 年度内に改正される見込みの愛知、兵庫両県警では、少なくとも約230人の警察官と警察職員が早期退職の意向を示している。条例施行前に退職すれば退職金は施行後より平均140万~150万円多くなるためだが、治安維持に影響が出かねないとして、人事異動の前倒しなどを検討する動きも出ている。

 退職手当を巡っては、国家公務員の手当を減額する改正国家公務員退職手当法が昨年11月に成立したことを受け、総務省が全国の自治体に対しても、職員の退職手当の引き下げを要請。これを受け、東京や徳島など少なくとも7都県では既に改正条例が施行されたほか、兵庫県や愛知県などで3月までに条例が改正される見込みだ。埼玉県では公立学校の教員ら約120人が早期退職を希望したことが判明している。

 3月1日から職員の退職金が引き下げられる愛知県警では、退職予定の約290人のうち約140人が早期退職の意向を示している。2月中に退職した場合の退職金は、施行後と比較して、平均で約140万~150万円の差が生じる。3月分の給料を差し引いても、約100万円多くもらえる見込みだ。

 通常の定期異動は3月中~下旬のため、2月中に退職する警察官や警察職員が殺到すれば、約1か月弱の空白ができる可能性もある。県警は、署長などの重要管理職や1人勤務の駐在所など、空白が生じると業務に影響が出かねないポストについては、臨時の異動などで対応する方針だ。

 県警は「正規に決まった制度を利用しての退職であれば、止めることはできない。本人の意向に委ねるしかない」としている。

 早期退職を決意したある警視は「重要な仕事との自負はあるが、自宅マンションのローンもある。あてにしていた退職金が150万円分も減るのは苦しい」と打ち明ける。 



駆け込み退職、佐賀・徳島も…後任確保急ぐ埼玉
 (読売新聞) - 2013年1月24日(木)10:29

 自治体職員の退職手当引き下げを盛り込んだ改正条例施行を前に、駆け込みで自己都合退職を希望する教職員らが相次いでいる問題で、佐賀と徳島の2県でも、教頭や学級担任を含む教員32人が、削減実施前に退職していたことが23日、読売新聞の調査で分かった。

 47都道府県と20政令市に聞き取り調査をした。2県のほか、3月1日に条例が施行される高知県でも、退職を希望する動きがある。

 佐賀県は退職手当を引き下げる改正条例を1月1日に施行し、昨年12月末で教員25人が退職。9人は学級担任で、うち8人を臨時教員として任用し、引き続き担任を続けさせている。同県教委は「保護者や子どもに無用の混乱を招くので、説明はしていない」とする。

 徳島県も1月1日で条例を改正。昨年12月末で教員7人が退職した。うち1人が教頭で、1人は担任を受け持っている。同県教委は臨時教員5人を採用して対応しているが、「現実に空席は生じており、授業に影響が出ないように配慮したい」としている。

 一方、今年度で定年退職する公立学校教員110人が駆け込み退職を希望している埼玉県は、県教育局が後任の手当てに追われる。臨時教員採用までに「面接や健康診断で1週間はかかる」(県教育局担当者)ことから、退職希望者が増えた場合、補充が追いつかない可能性もある。
 



「決して許されない」=教員の駆け込み退職―下村文科相
 (時事通信) - 2013年1月24日(木)13:02

 下村博文文部科学相は24日の記者会見で、全国の公立学校教員が定年を待たず、退職手当減額前の年度途中に「駆け込み退職」をしている問題について、「決して許されざる(ことだ)」と批判し、文科省として各教育委員会などへの指導に乗り出す考えを示した。

 同相は「(特に)クラス担任ら責任ある立場の先生方は、最後まで誇りを持って仕事を全うしてほしい」と述べた。 



*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************






コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。