夕映えに

陽が落ちるまで輝きたい、くさぐさの記録(日々の出来事、読書、スポーツ、友だち)

映画 「名もなく貧しく美しく」 ーテレビBS 

2011-05-09 07:52:35 | Weblog

                 
   映画監督の山田洋次氏が選ぶ「日本の映画100選」NHKBSで
 日曜日の夜放映されます。
昨夜は家族を扱った映画の中からの一作として
 「名もなく貧しく美しく」が放映されました。 ー来週は「無法松の一生」ー
                             
   この映画は
昭和36年の作品で、わたしも昔観てはいます。
 改めて観て、聾唖者同志の夫婦の苦しみを乗り越えての人間愛に感動しまし
 た。昨年亡くなられた高峰秀子さん、小林桂樹さんの夫婦役で、会話は高峰
 さんの方は少し話せますが、小林さんの方は全て手話です。
         

  昭和20年戦中から32年頃までのまだ高度成長期にまでなっていない
 時代でした。靴磨きをしながら貧しい生計を保っていました。

   動く電車(車両が違う)の中で、お互いに手話で意思を伝えるシーンは特に
 印象的でした。聾唖者故に夜半に子どもが泣いていても分からず、勝手に
 這って動き出した子どもを事故で亡くし、子どもは育てられないと言うが、
 「子どもはひとりだけでなく二人のこどもだ。」と・・・・二人目一郎が生まれる。

  しかし子どもは学校へ行けば聾唖者の子と言われ、母を拒否、祖母が説得
 する。原 泉さん演じる祖母の言葉が温かみがありすばらしいでした。

  子どもも6年生の頃には、両親を理解し友達にも紹介するようになりました。
 しかし
卒業式の日、窓越しに卒業式を見ているとき、かつて戦時下で助けた
 アキラが大きくなり尋ねてきたとの報せに急いで帰る道、トラックでの事故
 で命を落としました。 視聴者としては助かっていて欲しいと思いますが、・・・
 これも聾者の一つの運命だったのかなあ・・・と思わざるを得ませんでした。

   祖母、父、息子の3人でのお墓参りで終演でした。

  映画の監督は高峰さんのご主人の松山善三氏です。木下恵介監督の
下で助監督をし、自ら脚本を書き、演出しての映画でした。
 
50年前の作品ですが戦後の貧しい生活の中で障害者夫婦が周りに
気遣いながら、懸命に生きていく、それを支える人々の言葉の温かさも
感じました。

  わたしには親戚に聾者がいます。彼は子供の頃高熱により滲出性中耳炎
となり、徐々に聴覚が失われていきました。話すことは出来ますが、殆ど聞こ
えないようです。しかし音が聞こえないことが如何に危険と聞きます。

  彼は昨年筑波大(工学部)を卒業し一般採用で東芝へ就職したと聞きました。
今は障害者でもノーマザイレーションで健常者との差別が少なくなって
いますから、一般者として生活ができる世の中です。



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