大阪・堀江系ガールズ・グループ“Especia”のメジャー・デビュー日までの“完全自己満足身勝手カウントダウン企画”、過去作CDレヴューの第1弾は、2012年11月に発表された彼女らの初EP『DULCE』（ドゥルセ）を採り上げたいと思います。
まずは、Especiaのプロフィールを軽くご紹介。
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■ Especia（エスペシア）
2012年6月1日に結成された大阪・堀江を拠点に活動するガールズ・グループ。グループ名はスペイン語で“スパイス”を意味し、音楽性、ファッション、メンバーの個性などのさまざまな要素がグループを作り上げるスパイスとなることに由来。
メンバーは冨永悠香（リーダー）、三ノ宮ちか、三瀬ちひろ、脇田もなり、森絵莉加。結成当初は10名でスタートしたが、脱退などメンバーチェンジを経て、2014年10月より5名編成となった。80年代から90年代初期のディスコ・ブギー、ニュージャックスウィング、AORとリンクする楽曲とファッションをコンセプトにしたアーバンなスタイルで活動を展開。また、2014年夏にはNegiccoと期間限定ユニット“Negipecia”を結成。
群雄割拠するアイドル・シーンにおいて、異色のテイストと楽曲の質の高さとのギャップもあり、“楽曲派”アイドルとも呼ばれているが、アイドルの枠を超えた楽曲やライヴ・パフォーマンスによってブラック系やフュージョン系サウンドの好事家の耳目を集めている。
2015年2月、ミニ・アルバム『Primera』でメジャー・デビュー。同作のリード曲「We are Especia～泣きながらダンシング～」は若旦那（湘南乃風）がプロデュースしたことで話題となっている。
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それでは、第1弾のレヴューへといきましょう。
『DULCE』（2012/11/28）
01 ナイトライダー
02 FunkyRock
03 きらめきシーサイド
04 Twinkle Emotion
05 ナイトライダー -Instrumental-
06 FunkyRock -Instrumental-
07 きらめきシーサイド -Instrumental-
08 Twinkle Emotion -Instrumental-
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2012年11月に発表された大阪・堀江系ガールズ・グループの初のEP。発表当時は7人組だったため、直後に脱退した井立田優香のヴォーカルも含まれている。なお、森絵莉加は“絵莉加”名義でクレジットされている。
70～80年代のディスコ、ブギー・ファンクを軸に、AORやフュージョンなども加えたアーバンなサウンドを展開。チャカポコと鳴るワウ・ギターとファンキーなホーン・セクションをバックにメロウな彩りをまとったアーバン・ディスコ「ナイトライダー」で幕を開け、パーカッシヴなドラムからスティーヴィー・ワンダー「迷信」を想起させるクラヴィネットの導入で一気に惹き込むアーバン・ファンク「FunkyRock」が続く。
ファンキーなソウル2曲の後は、多少色合いを変えて、軽やかでリズミカルなカッティング・ギターと夏の開放感が漂うホーンが華やかなリゾートのムードを生む「きらめきシーサイド」へ。フックでのハーモニーとファルセットが、背伸びした恋やひと夏のアヴァンチュールを思わせるディスコ・ポップだ。
4曲目の「Twinkle Emotion」は、カラフルなホーンとグルーヴィなギター・リフに包まれながら、センチメンタルなヴァースからエモーショナルなコーラスへと展開するAOR寄りのシティ・ポップ。ポコポコとした打ち込みも陰で好演出。終盤のホーンが哀愁を漂わせ、艶やかな刹那へと導くアダルトな風合いも絶妙だ。
全曲において横山佑輝を中心としたプロジェクト“Schtein&Longer”（シュテイン＆ロンガー）が関わっており、そのブラック・ミュージック嗜好が大きく反映した作風。ヴォーカルにはまだ不安定なところも散見されるが、いわゆる80年代のリゾート＆シティ・ポップ感覚を踏襲したスタイリッシュな詞世界ゆえに、大人への憧憬や成長がいい具合に表現されていると好解釈出来なくもない。
時代錯誤を逆手に取って、80年代への追懐を2010年代へアップデートしたアーバン・ポップ作だ。
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Especia／ナイトライダー
“結局やっぱりかけ違えてる”直後の首をすくめるポーズがキュート。
