前回では悪天候の中アウェイで辛勝した東京が、今度は国立に熊本を迎えてのホームゲーム。熊本はとにかく長身の長沢へボールを集めて高さで勝負してくる。また、守備意識も高い。前半をスコアレスドローで終えると厄介な相手だと思われたが……。
試合は前半終了間近にガラリと変わる。43分、谷澤の突破に根占がファウル。これが一発レッドとなり根占が退場。これをセザーが決めて1点リードして前半を終えた。後半は10人となった熊本が東京の連動した動きについていくことが出来ず、東京はほとんどチャンスらしいチャンスを作らせなかった。疲労を増した後半中盤以降の熊本に谷澤、徳永、ルーカスと立て続けにゴールを決めて、守備も無失点。完勝といえる勝利だった。
振り返ってみると、シュート数は東京が22本に対し熊本が3本。コーナーキックも東京が14本に対して熊本は僅か2本。数字の上では圧倒的だ。そして、内容としても圧倒的だった。
だが、PKによるゴール(根占の一発レッドは少々厳しかった気もするが)までは、相手陣内へ攻め込むもののゴールが決まらない。決定的な場面もシュートは枠を捉えられず、CKはゴールの匂いがあまり感じられなかった。羽生が2点目を決めてからは、いつでも追加点を決められる状況でありながら、追加点が奪えない時間が続いた。もちろん、ゲームをコントロールして、ペースを作ることも必要だろう。ただし、3点目というのは、サッカーにおいては致命的な点差だ。いわゆる“トドメ”というヤツだ。それをなかなか獲りにいかない(いけない)のは、今後においての大きな課題だろう。CKもそうだが、FKも選択肢があるというよりもその場の流れで誰が蹴るかという感じがして、“決まりごと”があまりないような気がする。もちろん、これ“しか”ない一本化は相手に対策しやすくさせるが、これ“が”あるというのは強みになるし、脅威になる。心理的にも相手にプレッシャーを掛けられるという効果もあるのだ。
厳しく言えば、前半で3点とは言わないまでも、2点は獲れるチャンスがあった。いつでも有利に試合を運ぶことで、選手の消耗を最小限に抑える工夫も可能となる。リーグも約半分を終え、この消耗の激しい夏を如何に乗り切るかが重要、ということを考えれば、相手次第では早めに試合を決めて勝利する……もう1ランク上の質でプレイし続けることが、結果として自分たちを楽にするという意識を持つべきだろう。
ルーカスのゴールや無失点は、チームにとって大きな推進力となった。驕らずに勝てる試合をしっかりと勝ち切ることが肝要だ。
◇◇◇
Jリーグディビジョン2 第22節
2011/07/24 国立競技場
FC東京 5(1-0、4-0)0 熊本
【得点】
(東):ロベルト セザー(44分、PK)、羽生(48分)、谷澤(67分、PK)、徳永(73分)、ルーカス(87分)
観衆: 18,195人
天気: 晴、弱風
<メンバー>
≪FC東京≫
01 GK 塩田仁史
02 DF 徳永悠平 → 33 DF 椋原健太(76分)
03 DF 森重真人
06 DF 今野泰幸
14 DF 中村北斗 → 34 DF 柳楽智和(85分)
04 MF 高橋秀人
10 MF 梶山陽平
27 MF 田邉草民
39 MF 谷澤達也
22 FW 羽生直剛 → 49 FW ルーカス(72分)
09 FW ロベルト セザー
20 GK 権田修一
19 MF 大竹洋平
32 MF 上里一将
11 FW 鈴木達也
◇◇◇
熊本のみなさん、“俺達の国立”へようこそ。
今日は#49のゴールが見たい!
“ユルネヴァ”中。
ロアッソイレヴンを待ちわびる熊本ゴール裏。
試合前選手整列。
セザーが確実にPKを決める。
FC東京 1-0 熊本。
ハーフタイムにグラウンドを周回するドロンパ。
試合前には、大型ヴィジョンではヤクルトスワローズ石川雅規投手、田中浩康選手からのメッセージ。
(田中からは“バモバモス東京~”のコールも)
今日は、FC東京と東京ヤクルトスワローズのタイアップデー。
ヤクルトスワローズのマスコット、つばみと燕太郎も参戦(つば九郎はオールスター出演のため欠席)。
羽生ゴール!
FC東京 2-0 熊本。
ヤザーゴール!(遠くで今野、田邉との土下座パフォーマンス寸前)
FC東京 3-0 熊本。
徳永弾丸ミドルでゴール!
FC東京 4-0 熊本。
大型ヴィジョン、熊本のメンバーに1行空間が……。
(根占のレッド一発で)
この時点で4-0。
ルーカス!ルーカス!ルーカス!ルーカス!ゴール!
FC東京 5-0 熊本。
FC東京 5-0 熊本で試合終了。
スタンドに愛嬌を振り撒くドロンパ。
後方では熊本ゴール裏に挨拶するロアッソの選手たち。
熊本寄りゴール裏に挨拶する東京の選手たち。
ドロンパと喜びを分かち合う東京の選手たち。
インタヴュー中のルーカス&バックスタンド前を歩く東京の選手たち。
サポーターに手を振るルーカス。
◇◇◇
ルーカス、ゴール!