*** june typhoon tokyo ***

THE BRAND NEW HEAVIES@duo MUSIC EXCHANGE

■ ブラン・ニュー・ヘヴィーズ@duo MUSIC EXCHANGE

Brandnewheavies_2013

 7年ぶりの新作『Forward』をリリースしたザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズの来日公演“GREENROOM FESTIVAL presents
The Brand New Heavies JAPAN TOUR 2013”を観賞。ヘヴィーズの前回は確か2011年11月のビルボードライブ東京だったと思うが(その時の記事はこちら。記事内に過去に観賞した公演のレポート記事のリンクあり)、今回は渋谷のduo MUSIC EXCHANGE。5月18日、19日に横浜赤レンガ倉庫で行なわれる、ビーチを守りたいというコンセプトを掲げたサーフカルチャーやビーチカルチャーをルーツに持つ音楽とアートのカルチャーフェスティヴァル“GREENROOM FESTIVAL”への参加の一環という形での単独公演だ。前回公演では急遽、メイン・ヴォーカルがエンディア・ダヴェンポートではなくハニー・ラロシェルを迎えての新生“ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ”としたこともあり、思ったより客足が伸びなかったことが、ビルボードライブからduoへの会場を移したことの遠因になったのかもしれないが、どうだろう。
 duoはジャミロクワイのJKがプロデュースしたというライヴハウスでなかなか洒落ているのだが、このフロアは決定的な欠点が存在するので、個人的にはあまり喜べない会場ではあった。というのも、2~4階のO-EAST、5階のO-Crestというライヴフロアを支えるための4本の太い支柱のうち、3本がフロア中央のスペースにあることでステージ全体を見渡すことが出来るのは、前列から数列のごく限られたスペースのみとなってしまうからだ。観辛さという意味ではかなり上位に入る会場といえる。

Brandnewheavies_jacket だが、そんな気持ちも吹き飛ばしてくれるのが、ブラン・ニュー・ヘヴィーズのファンキー・ミュージックだった。セット・リストも新作『フォワード』からの楽曲に定番のヘヴィーズ・クラシックを織り込んだという驚くものではないが、彼らが醸し出す“お祭り野郎”的なムードが、あっという間にフロアを侵食して全体に強烈なグルーヴを練り上げていくのだ。もちろん、アラフォー以上が中心という客層からも窺えるように、80年代半ばから90年代当時のアシッド・ジャズやクラブ・ムーヴメントで青春を謳歌した人たちがかつてを懐かしむという側面も多いにあるが、それでも彼らが生み出すグルーヴは“懐古”のみにとらわれることなく、常に時代の先端の空気を感じながらも、時代や環境を異なれども普遍な人間の根源にある活力を刺激するようなグルーヴを創り、心を焚きつける。
 
 そして、エンディアの復帰。これは前回の公演で寂しい思いをした人には待ちわびていたことだろう。今回は“featuring N'dea Davenport”名義ではないから、ヘヴィーズに正式に復帰したのだろうが、もう3人とエンディアとは腐れ縁のような関係であるし、些細なことで躓くことがあっても、一度ステージで同じヴァイブスを感じあえば問題ないのだろう。で、一度エンディアがステージの中央に立てば、そこは彼女が女王のごとく君臨し、メンバーやオーディエンスを“ファンキーな宴”へと煽る。メンバーは女王のご機嫌ぶりを見ながら楽しみ、時にはからかい、ステージで“ファンク”というマジックを駆使して極上のグルーヴを編み出していく。

Brandnewheavies_livelondon 演奏(かつては“巧い!”といえるかは微妙だったし…笑)や環境、その他さまざまな部分で、神経質な人であれば“拘り”を放つ人もいるだろう。だが、ヘヴィーズはそれ以前に、音楽をエンジョイするということを明確に知らしめてくれる。体感させてくれる。細かなこと、頭でっかちなことは抜きにして、大いに今この時にしか流れないグルーヴを楽しもうぜ! というメッセージが、彼らが演奏するサウンドや歌唱から常に放たれているのだ。そして、知らぬ間に、そのジョイフルなグルーヴの波にフロアすべてが乗せられているという訳だ。

 気付くと、duoという会場のハンデなどどこへやら。調子乗りのサイモン、クールに決めるアンドリュー、ジョイフルなサウンドにのめり込むヤン、そして、ステージ狭しと駆け巡り躍動するエンディアがハッピーにエキサイティングしているステージに、心躍らせていた。また、ホーン・セクションやパーカッションらを配してくれたことも大きかった(これはGREENROOM FESTIVAL仕様ということだったのだろう。「ステイ・ディス・ウェイ」あたりでは、間奏にマイケル・ジャクソン「スタート・サムシング」のフレーズを組み込んだりもしていた)。

 凝り固まった頭に、音を純粋に楽しむことの素晴らしさを教えてくれた、そんな歓喜な一夜となった。



◇◇◇
 
Brandnewheavies_2013duo


<SET LIST>

01 Forward (except N'dea Davenport) (*)
02 Back To Love
03 Never Stop
04 Dream On Dreamer
05 Midnight At The Oasis
06 Sometimes
07 Sunlight (*)
08 Heaven (except N'dea Davenport)(*)
09 Gimme One Of Those (except N'dea Davenport)
10 Spend Some Time
11 Addicted (*)
12 Daybreak
13 Stay This Way
≪ENOCRE≫
14 You Are The Universe
15 Dream Come True

(*) Song from New Album『Forward』


<MEMBER>

Jan Kincaid(Drums)
Simon Bartholomew(Guitar)
Andrew Levy(Bass)
N'dea DAVENPORT(Main vocals)

Lily Gonzalez(Backing Vocals/Percussion)
Matt Steele(Keyboards)
Dan Carpenter(Brass)
James Hunt(Brass)

DJ:
沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)


◇◇◇


新作『FORWARD』から2曲。
 
Sunlight


Addicted



やはり、ファンの一番人気はこの曲ですかね。

You Are The Universe



個人的にはこの曲が聴けたのが良かった。 

Daybreak

2011年、ロンドンのジャク・クラブ“ロニー・スコッツ”でのパフォーマンスの模様。
アルバム『BROTHER SISTER』のラストに収録されている曲です。 

こちらは、最近(2013年4月)のオランダ・ユトレヒトでの公演。
ヴォーカルがエンディアではないですが。 


 
 
 
 
  
 



 

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