インストアといっても、コクーンプラザはショッピングモールのギャラリー中庭という感じで、上空には太陽と青空が輝いていた。予定開始時刻の12時よりやや遅れて、5分後の12時5分よりイヴェントがスタート。清水マネージャーが音のヴォリュームを上げて「Intro」を流してやおら、太陽の眩しさに目を薄めながらメンバーがステージ・イン。
プレリリース・イヴェントで数多くのステージをこなしてきた彼女らゆえ、5人体制前後に散見された落ち着きや自信のなさは見えない。堂々としているというよりも、言葉としては、覚悟を決めているという感じが近いか。失敗や不安を考えだしたらキリがない、1000人規模の大きなステージでも集客がそれほど多くないイヴェントでも、与えられたステージや時間のなかでやれるだけのことをやるだけという信念が確実に芽生えている。だからといって、初々しさが全くないという訳でもないのが不思議なところで、それが彼女ららしさでもあるのだろう。
新作『Primera』の楽曲はもちろんフレッシュだが、既存曲でも「きらめきシーサイド」は新たなリミックスを施したヴァージョンで披露。このように、もはや“遊び心”という言葉だけでは物足りないような展開をEspeciaサイドは仕掛けてくるから、ブラック、フュージョン系あたりの好事家たちも“過去曲を過去曲として済ませられない現在進行形の遊び”に後れを取らぬよう追って“いかざるを得ない”のだと思う。
この日も大勢という訳ではないが、「We are Especia~泣きながらダンシング~」で“ゴッソ!ゴッソ!”という声が響き渡る。この気持ち良さが初見の人たちに少しでも伝わればいいのだが。
終演後の特典会の様子を見ていたギャラリー2階にいる子供といる主婦層や中高生あたりの若者たちからは、「AKBみたいなのじゃん?」などという声が耳に入ってきた。そうコアなファンや彼女らに近しい人たちにとっては大きなトピックだろうが、一般的な認識ではその程度というのが妥当なところだ。だからといって恐れることはない。ここからが真のスタート。驕らず足許をしっかりと見据えながらも、やり遂げてきた経験を糧にして力強く前へ進む。インディ時代以上に地道な活動が結果に繋がるのだと信じて、一瞬一瞬にベストを尽くしてもらいたい。
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<SET LIST>
00 Intro(from GUSTO)
01 Sweet Tactics(*)
02 アバンチュールは銀色に
03 さよならクルージン(*)
04 きらめきシーサイド(12inch vinyl remix)
05 We are Especia~泣きながらダンシング~(*)
(*):song from Album『Primera』
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他のメンバーに比べて三ノ宮ちかの表情がやや暗めというか俯きがちだったのが多少気になった。調子がイマイチだったのだろうか。単に陽射しが眩しくて“渋め”の顔になっていただけかもしれないが。(笑)
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Especia「We are Especia ~泣きながらダンシング~(ショート ver.)」
Especia「シークレット・ジャイヴ (90sec. Ver)」