*** june typhoon tokyo ***

YS横浜 vs FC東京 @ニッパツ【LeVain Cup】



 小柏、ジャジャ・シルバの今季初ゴール含む4発で、YS横浜の“ジャイキリ”封鎖。

 今季から一発勝負のトーナメント方式に様変わりしたルヴァンカップ。出場クラブもJ3まで拡大し、原則としてカテゴリー下位のクラブのホームゲームとなり、番狂わせ、いわゆる“ジャイアントキリング”が起きる可能性を高めた大会となった。J1のFC東京は2回戦から登場。対戦相手は、J2・水戸を倒して勝ち上がってきた、J3のYS横浜。試合開始直前から雨に覆われたニッパツ三ツ沢球技場には、ミッドウィークのナイトマッチながら、4000人超の観客が詰めかけた。ホームチームのサポーターは下剋上を、ビジターサポーターは初戦の順風満帆な船出を、それぞれ胸に抱きながら、ピッチへ視線を集中させていた。

 FC東京は、左SBに徳元、右SBに安斎を起用したほか、ボランチは小泉と原川、トップ下に寺山を配置。前線はジャジャ・シルバ、小柏、遠藤と、リーグ戦ではレギュラースターターではない面々を先発にした。ベンチには岡、佐藤龍之介、野澤零温というフレッシュな面々も顔を揃えた。
 一方、YS横浜は、J3リーグでの近2試合は大宮、金沢に連敗し、14位となかなか波に乗れないでいる。ただ、J2・水戸戦で見せた粘り強さと少ないチャンスをものにする術ももっており、カップ戦、特に天皇杯でカテゴリー下位のクラブに例年苦戦しているFC東京にとっては、しっかりと勝ち抜いていかなければならない。

 FC東京は、13分という早い段階に右サイドの原川のFKから小柏がニアサイドでヘッディングシュートを決めて、先制。小柏の移籍後初ゴールというのも大きかった。その後、寺山のヘディングが枠外、YS横浜のGK岡本がキャッチミスしたボールを奪ったジャジャ・シルバがシュートを外すなど、決定機を逃していると、30分にYS横浜の最大のチャンスが訪れる。左サイドのスローインをペナルティエリアで受けた奥村が後ろ向きにパスを出すと冨士田がふわりとしたクロスを上げる。そこへ大竹がドンピシャで合わせたヘディングシュートをGK児玉が防ぐと、そのこぼれ球をオニエ・オゴチュクウがオーバーヘッドで狙ったところで足を出した森重のクリアはクロスバーを叩き、そのこぼれ球を大竹が左脚で振り抜くも、ゴールライン上を固めていた土肥がブロック。さらに、そのこぼれ球を三度大竹がヘディングで詰めようとするも態勢が崩れて右へ流れると、難しい体勢から振り向きざまにオニエ・オゴチュクウがボレーを狙うも空振り。ジャジャ・シルバが大きく蹴り出して、FC東京は難を逃れた。

 ここで同点に追いつかれていたら、試合の流れが変わり、勝敗は別として、0-4という大勝という結果にならなかったのかもしれない。ただ、FC東京は39分に左サイドの徳元からのパスを受けた原川が、YS横浜の選手に当たりながらもミドルシュートを決めて追加点を挙げて流れを渡さなかった。

 YS横浜は後半開始からオニエ・オゴチュクウをピーダーセン世穏に代え、いくつかチャンスも生んだが、61分に途中交代の佐藤のシュートを弾いたボールを遠藤がそのままゴールへ突き刺し3点目と突き放す。それでもYS横浜は諦めずにいると、74分に左サイドの橋本からの低い弾道のクロスに脇坂が滑り込むが、GK児玉が防ぎ、得点を許さない。攻めるFC東京、耐えてカウンターを狙うYS横浜という図式で試合が進み、アディショナルタイムにFC東京がカウンターから抜け出したジャジャ・シルバが右脚の強烈なミドルシュートを突き刺して、ジャジャ・シルバのチャントを重ねたFC東京サポーターとの歓喜の瞬間を演出。YS横浜を完封して、ルヴァンカップ初戦を終えた。

 個を含めて、寄せるタイミングのスピードやパスの精度など、やはりJ1とJ3という差はあったのは確か。だが、FC東京もYS横浜に詰められて引っ掛ける場面が散見され、球離れなりパススピードなり、やや相手に合わせた反応をしてしまったところもあった。このパフォーマンスが同カテゴリーの相手であったなら、果たして大差で勝利出来たかといえば、はなはだ疑問ではある。もちろん、相手が異なり、トーナメントは結果が全てゆえ、容易に比較は出来ないが、この大勝で好調と捉えるのは、非常に危険だ。

 当初は雨に降られたニッパツも、YS横浜の「まずは1点」という気持ちで挑み続けた奮闘と、点差がついても声を止めずにチャントを歌い続けるYS横浜サポーターという光景もあって、大差ながらも緩むことのない、観客としては面白い試合になったと思う。FC東京はYS横浜の諦めない精神を忘れず、逆境でこそ奮闘する意識を高めて、次の戦いに挑んでいきたい。

◇◇◇

JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第2回戦
2024年4月17日(水)19:03KO
ニッパツ三ツ沢球技場
入場者数:4,083人
天候:雨のち曇 / 気温:19.5℃ / 湿度:82%
主審:御厨貴文
副審:野村 修、手代木直美
第4の審判員:松澤慶和

YS横浜 0(0-2 / 0-2)4 FC東京

【得点】
(Y):
(東):小柏 剛(13分)、原川 力(39分)、遠藤渓太(61分)、ジャジャ・シルバ(90+3分)

〈試合経過〉
03分  得点 東京 小柏 剛
33分  警告 YS 冨士田康人
39分  得点 東京 原川 力
44分  警告 東京 寺山 翼
46分*  交代 YS オニエ・オゴチュクウ → ピーダーセン世穏
60分  交代 東京 小泉 慶 → 白井康介 / 小柏 剛 → 佐藤龍之介
61分  得点 東京 遠藤渓太
65分  交代 YS 小島秀仁 → 端野拓馬 / 大竹優心 → 菊谷篤資
69分  交代 東京 遠藤渓太 → 野澤零温 / 寺山 翼 → 岡 哲平
82分  交代 YS 中里崇宏 → 山本凌太郎
87分  交代 YS 脇坂崚平 → 藤島樹騎也
88分  警告 YS 奥村晃司
90+3分 得点 東京 ジャジャ・シルバ
90+5分 警告 YS 山本凌太郎


【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
GK 01 児玉 剛
DF 38 安斎颯馬
DF 03 森重真人
DF 32 土肥幹太
DF 43 徳元悠平
MF 17 寺山 翼
MF 37 小泉 慶
MF 40 原川 力
FW 11 小柏 剛
FW 22 遠藤渓太
FW 70 ジャジャ・シルバ

〈控えメンバー〉
GK 13 波多野豪
DF 30 岡 哲平
DF 49 バングーナガンデ佳史扶
DF 99 白井康介
MF 23 佐藤龍之介
MF 08 高 宇洋
FW 28 野澤零温
FW 33 俵積田晃太
FW 39 仲川輝人

〈監督〉
ピーター・クラモフスキー



◇◇◇

【Jリーグ YBCルヴァンカップ FC東京試合日程】
1stラウンド
2回戦 2024年04月17日(水)19:00〇FC東京 4-0 YS横浜(A・ニッパツ

3回戦 未定

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