アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Lost 3-9 "Stranger in a Strange Land" 【前半】

2007年03月02日 | TV: Lost
【アメリカ合衆国での初回放送日 = 2007年2月21日】※ジャックの腕の刺青に関するフラッシュバックが描かれる。タイトルの『Stranger in A Strange Land』はロバート・A・ハインラインのSF小説と同名(火星人に育てられた地球人が地球に戻るという話)だが、旧約聖書の『出エジプト記』でも同じフレーズが使われてるらしい。

(長いので、2つに分けます。)

海上。ソーヤーとケイトがボートを漕いでいる。ソーヤーが鼻歌(映画『ジョーズ』でボートに乗った3人組が歌っていた『Show Me the Way to Go Home』という歌)を歌っていると、ケイトが「やっぱり、ジャックを助けに戻るべきよ」と言い出す。ソーヤーは「たった今、逃げて来たばかりじゃないか。第一、ジャック自身が『俺を助けに戻って来るな』って言ってただろう」と指摘する。

Kate: Stop.
Sawyer: What? You wanna turn steering?
Kate: We have to go back.
Sawyer: What the hell are you talking about?
Kate: Turn the boat around, Sawyer. I mean it.
Sawyer: Have you lost your mind? We just got away!
Kate: Just do it!
Sawyer: You give me one good reason.
Kate: Because we can't leave Jack behind!
Sawyer: Yes, we can, Freckles... because that's what he asked us to do.

眠ってるように見えたカールも「戻ったりしたら、僕たち全員、殺されちゃうよ」と言い、洗脳ビデオの中にあった「神はヤコブを愛したように貴方を愛している」という一節を唱えたかと思うと、再び眠りに落ちる。

Sawyer: You think about it. (If) We go back there, what do you think Captain Bunny Killer is gonna do if he catches us?
Karl: Kill you. "God loves you as he loved Jacob."
Sawyer: Okay, thanks for the input! (Kateに) Sorry, Kiddo, Jack's on his own.

ジャックの独房。トムがジャックを「別の場所に移動」するためにやって来る。ジャックは「俺を処刑するつもりなんだろう?それなら、ハッキリそうだと言ってくれ」とキレる。トムは驚き、「一体、俺たちをどんな人間だと思ってるんだ?」と訊く。ジャックは「妊婦をさらったり、チャーリーを木の上から吊り下げたり、ジャングルから人々を引きずり出したり、子どもを誘拐したりする奴らだ」と答える。

Jack: You just helped me save [Ben's] life. If you're gonna kill me, please at least show me the respect of not calling it "moving."
Tom: Now, why would we kill you?
Jack: Because you're done with me.
Tom: What kind of people do you think we are, Jack?
Jack: Oh, I don't know, Tom. The kind of people that would take a pregnant woman, hang Charlie from a tree, would drag our people out of the jungle... would kidnap children! That's the kind of people I think you are.

だが、ジャックは本当に他の場所…ソーヤーが入っていた檻に「移動」されるのだった。ジャックと入れ違いにジュリエットが独房に連れられて来る。ジャックは知らなかったが、ジュリエットはジャック(&ベン)との約束を果たそうとしてダニー・ピケットを殺したために罪人となってしまったのだ。

トムは「変な気を起こすんじゃないぞ」と釘を刺す。ジャックは「どうせ、あそこのカメラで監視してるんだろう?」と指摘する。トムはニヤリとし、「そういえば、あんた、監視室に入り込んで何かを見たんだってな」と言う。あの日、ジャックは監視モニターを通して、ケイトとソーヤーの檻の中での情事を目撃してしまったのだ。だからこそ、ケイトを諦めて、2人を逃がしてやる決心をしたのだった。

ジュリエットを連行して来たのはイザベルという名の女性で、トムいわく、ここの「保安官」だという。もっとも、正式な保安官などはいないので、あくまでも通称だ。

海上。ソーヤーはメインの島(以下、「A島」)の一番近い場所に乗りつけようとする。そこから陸路でビーチキャンプに戻ろうというのだ。ケイトが「ビーチキャンプまで直接漕いで行った方が早いわよ」と主張すると、ソーヤーは「食い物も飲み物も持ってないんだぜ。それに、暗くなったら迷っちまう」と、またもや指摘するのだった。

Sawyer: Never thought I'd be glad to get back to this rock again.
Kate: What are you doing?
Sawyer: What does it look like? I'm heading into shore.
Kate: Why? If we just keep going, we can circle 'round. Sooner or later, we'll get to camp. We can tell Locke and Sayid what happened...
Sawyer: Oh, we will, huh? You got a map you ain't showing me, Magellan? We've got no food, no water, and I can't steer in the dark.
Kate: Then I'll steer.
Sawyer: No, you'll come ashore. We'll make camp. (If) You want to contribute... you can build a campfire while I carry the kid.
Kate: (無言で睨み返す)
Sawyer: Glad we agree.

A島。夜。ソーヤーとケイトとカールが焚き火を囲んでいる。ソーヤーはマンゴーをケイトに差し出すが、ケイトは頑として拒否する。

Sawyer: (Are you) Sure you ain't hungry?
Kate: No, James, I ain't hungry.

カールは「こうして生きていられるだけでも運が良いんだから、喧嘩なんかすべきじゃないよ」と言う。

ケイトが水を向けると、カールは「アザーズの住居はA島にある」という事、「B島(ジャックが囚われている場所)には仕事(プロジェクト)がある時だけ行く」という事を教えてくれる。

Kate: That island we were on... is that where your people live?
Karl: Just where we work.
Kate: Work on what?
Karl: Projects.
Sawyer: Oh, sure! Like the Steal-a-Kid-off-a-Raft project? That was a humdinger!
Kate: So... you don't actually live on that island?
Karl: Nope.
Kate: Do you live here... on this island?
Karl: Yes, ma'am.

なお、アザーズに誘拐された人たちには「より良い人生/生活」が与えられるらしい。

Kate: What did you do with the people that you took --- the kids?
Karl: We give them a better life.
Kate: Better than what?
Karl: Better than yours.

カールはアレックスとは幼馴染みで、子どもの頃に裏庭で夜空の星を見上げては勝手に星座名をデッチあげたという。そして、「もうそろそろ、あそこに『Ursa Theodorus』が昇って来るよ。『テディ・ベア』っていう意味なんだ」と空の一角を指差す。(「teddy bear」=熊のヌイグルミ。誰かが「テディ・ルーズヴェルト大統領に似てる」と言ったのが始まりらしい。)

ソーヤーは「おまえらの家には裏庭もあるのか?」と驚く。(こういうディテールを聞き逃さないところはさすがだ。)

B島。ジャックの檻。ジュリエットが数人のアザーズを引き連れて現れる。とりあえず釈放されたらしい。ジュリエットは1枚の写真をジャックに見せる。ベンの手術の縫合部分だ。ジュリエットはジャックの表情を窺い、「やっぱり膿んでるのね」と確認する。ジュリエットは「ジャックにベンの手当てをさせる」という条件で殺人罪を赦してもらえるかもしれないのだという。だが、ジャックは協力を断る。

Jack: You want me to help him again?
Juliet: Yes.
Jack: (笑いながら) Are you sure about that, Juliet?
Juliet: Yes, I'm sure.
Jack: And this is because he said that he would let you go home.
Juliet: No... no, it's because I'm in trouble.
Jack: Trouble for...?
Juliet: I just killed someone. It's why they put me in your room.
Jack: Who?
Juliet: It's complicated.
Jack: Well, then, let me simplify it for you. I'm not going to help him. And I'm not going to help you.

夜。ジャックの檻。「保安官」ことイザベルが現れ、外国語で何か言う。ジャックが訝しがると、イザベルは「あなたの刺青を読んでたのよ。『5』と星は可愛いけど、中国語の部分はちょっと皮肉的ね」と言う。ジャックが「何が皮肉的なんだ?」と訊くと、イザベルは「意味はご存知なのよね?中国語は訳すのが難しいけど…」と言うのだった。だが、ジャックは意味をちゃんとわかってるのだと主張する。

Isabel: I was just reading your tattoos. The "5" and the stars are cute, but the Chinese I find a bit ironic.
Jack: You find what ironic?
Isabel: What it says. You do know what it says...?
Jack: Yeah, I know what it says.
Isabel: Are you sure? Chinese is a very complicated language. It's very easy for something to get lost in translation.
Jack: I know what it says!

ジャックはイザベルの執務室(尋問室?)に連れて行かれる。そこにはジュリエットとトムもいた。イザベルはトムに「手術の時、ジャックが『ジュリエットからベンを殺すよう頼まれた』って言ってたのよね?」とあらためて訊いて確認し、ジャックに「それは本当なのかしら?」と訊く。ジャックはしばらく考え、「いや、あれは嘘だ。友だちを助けるためなら何でもするつもりだったからね。混乱を招くにはあんたらを仲間割れさせるのが一番手っ取り早いと思ったのさ」と答える。イザベルはそれこそが嘘だと見抜くが、ジャックは認めず、「檻に戻らせてくれ」と言うのだった。

Isabel: Please... have a seat, Jack. As you may have gathered, we don't live on this little island. In fact, most of us don't really even like coming here. There's been an incident I'm investigating and I need to ask you some questions. So... I was hoping you may help me clear up a few of the inconsistencies. Now, correct me if I'm wrong, Tom, but you said, "In the midst of a surgical procedure, Jack made several comments indicating Juliet has asked him to kill Ben."
Tom: Yeah, that's right.
Isabel: Is that true, Jack? Did Juliet ask you to kill Ben?
Jack: ....
Isabel: The question is simple. Did Juliet ask you to kill Ben?
Jack: No... no, I was lying. I would have done anything to get my friends out... and turning you people against each other was my best chance of creating chaos.
Isabel: Why are you lying for her, Jack?
Jack: .... I'd like to go back to my cage now.

フラッシュバック(まとめて、どうぞ)。

朝。タイのプケット地域の浜辺。ジャックは目を覚まし、小屋(高床式)から出る。良い日和だ。景色も良い。顔馴染みの物売りの少年が「ジャックせんせ、ソーダいるか?」と片言の英語で話しかけて来る。ジャックはソーダを2本買う。

ジャックは「今日は凧揚げでもしよう」と決め、凧を組み立てるのだが、どうも上手くいかない。近くにいたタイ女性がクスクスと笑う。結局、そのタイ女性…アチャラが凧作りを手伝ってくれる事になり、2人は凧揚げを楽しむ。アチャラは凧作りだけでなく、英語も達者だった。(こういうナンパの仕方もあるのね。)

昼。アチャラは兄チェットが経営するレストランにジャックを誘う。アチャラは「どうして、凧揚げの仕方も知らないの?」と尋ねる。ジャックが「子どもの頃、オヤジが忙しくて…」と真面目に答えようとすると、アチャラは「あなたのお父さんの事はあたしにはどうでも良いわ。個人的な事だもの」と遮る。

アチャラは「あなた、プケットに来たのは自分を見つけるため?」と訊く。ジャックが「どうして知ってるの?」と驚くと、アチャラはこともなげに、「だって、アメリカ人だから」と答えるのだった。(これにはウケた。)

1人の男が歩み寄り、アチャラに分厚い封筒を渡す。かなりの額の現金が入ってるようだ。アチャラは封筒をしまい、男と「ナマステ」の挨拶を交わす。男が去った後、アチャラは「あたしには特技(a gift)があるのよ」と言うのだった。

後日。夜。ジャックが眠っているところにアチャラがやって来て服を脱ぎ、ベッドに潜り込む。アチャラは1日の疲れを癒すために海で泳いで来たばかりだという。2人が男女の関係になってから1ヶ月が過ぎていたが、ジャックはアチャラの仕事について何も知らなかった。アチャラは「言っても、あなたにはわからないでしょうから。質問攻めは止めて、楽しみましょうよ」とジャックを誘う。

ある夜、ジャックはアチャラを仕事場まで尾行する。「特技」などともったいぶった言い方をするから、売春か占いか、あるいはもっとヤバイ裏仕事なのかと思っていたら、彼女は刺青師だった。ジャックが拍子抜けしていると、アチャラは引き攣った表情で「あなたはこんな所にいちゃいけないわ」と言う。

実はアチャラの特技というのは「人の本質を見抜いて刺青で表現することができる」能力だった。ジャックが「俺はどんな人間なんだ!?俺にも刺青をしてくれ!」と要求すると、アチャラは「余所者にしてあげてはいけない事になってるの」と断ろうとする。それでもジャックが譲らないでいると、アチャラは「あなたは指導者で偉大な人です。でも、そのせいで孤独や恐怖や憤怒に苛まれます」と言い、「刺青をすると、良くない結果が訪れるでしょう」と警告するが、結局、刺青をしてあげるのだった。

翌朝。ジャックが目覚めて小屋から出ると、いつもの物売りの少年が逃げて行く。厳しい顔をしたチェットが数人の男たちを連れて現れる。彼らはジャックの刺青を確認し、彼を袋叩きにするのだった。やがて、チェットは「この浜辺から…この国から立ち去れ!」とジャックに命じる。その様子をアチャラが涙ぐんで眺めていた。

後半につづく)


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1 コメント

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2つに分けました (ジョウ)
2007-03-02 04:33:31
これまではエピガイが長くなると、削って削って制限(1万文字)内に収めようと努力してたんですが、今回は1万5千文字近くになっちゃったので、「5千文字も削るのは無理」と判断し、2つに分けました。

ただ、フラッシュバックだけは1箇所にまとめた方がわかりやすいだろうと思い、前半部分の最後にまとめて入れてあります。
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