アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Lost 3-17 "Catch-22" 【その1】

2007年04月24日 | TV: Lost
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年4月18日】※島に新しい訪問者が?デズモンドがヴィジョンを成就させるために奔走する。

タイトルの『Catch-22』は「どうにもならない状態」という意味で、Joseph Hellerの同名著書(1961年刊)に由来する。今回、劇中に登場する『Ardil-22』という本は同書のポルトガル語訳(ブラジル刊)。

デズモンド、チャーリー、ハーリー、ジンが雨のジャングルを探索している。チャーリーとハーリーは「スーパーマンとザ・フラッシュが競走したらどちらが勝つか?」という議論を戦わせている。チャーリーはワイヤーを踏みつけ、「何だ、こりゃ?」と言いながら足を上げる。すると、矢が飛んできてチャーリーの首に刺さる。罠にかかったのだ。デズモンドはチャーリーに詫びながら、どうにか救おうとするが、もはや手遅れだった。

Charlie: You're insane, mate. Superman could fly around the entire planet in the blink of an eye!
Hurley: Dude, if we're going by a pure foot race, Supes would get dusted by the Flash.
Charlie: But why would the Man of Steel agree to a sodding foot race?!
Hurley: Um... for charity. And the Flash would totally win 'cause he can... like vibrate through walls and stuff.
Charlie: (皮肉を込めて) Ooh, vibration! And what would Superman do if he came up against a wall?
Hurley: Well, no smashing allowed.
Charlie: No flying, no smashing... any other restrictions I should know about? Perhaps we should fit Superman with a pair of Kryptonite... (ワイヤーを踏む) What the hell?

続いて、様々なイメージや音が浮かび上がる。ハーリーがケーブルを持ち上げる様子。曇り空に光る赤い点。デズモンドとペニーの写真。ジンとチャーリー(死なない?)がパラシュートを持っている様子。ブラブラする足。チャーリーがスーパーマンの話をする声。ペニーの顔…。

気がつくと、デズモンドは海辺で釣りをしていた。ビーチキャンプの方を振り向き、目でチャーリーを探す。チャーリーはまだ生きている!

デズモンドは釣竿を投げ捨ててハーリーの所に走って行き、ワイヤー/ケーブルについて尋ねる。ハーリーは最初、デズモンドが何か悪い物でも食べたのではないかと思ったようだ。

Desmond: Hey, where's the wire?
Hurley: Did you eat those mushrooms Jack warned us about?

デズモンドが「砂の中に埋もれたケーブルがどうとかこうとか」と説明すると、ハーリーは「また未来のヴィジョンを見たんだな」と気付く。デズモンドは「誰かがやって来るんだ」と言うが…?

フラッシュバック。

修道院。デズモンドが小さな部屋で聖書を読んでいるところにキャンベル僧が入って来て、修道服を渡す。デズモンドは1ヶ月にわたる『沈黙の誓い』というイニシエーションの試練を乗り越え、修道僧(brother)として認められたのだった。(デズモンドの口癖である「brother」にこんな裏があったとは!)

Campbell: God tests our faith in many ways. So... as you well know, we have our own test here: a vow of silence that lasts as long as we see fit. This challenges both one's patience and his faith. For some, it may last a week --- those we're less sure about, a month. Personally, Desmond, I never thought you'd last. And so now, I stand corrected. For whatever reason, your path has lead you here... and now, you're one of us. Welcome, brother.
Desmond: Thank you... brother.

現在。

デズモンドはハーリーを連れてジャックの所に行く。デズモンドは「足をくじいた」と嘘をつき、応急セットを借りる。デズモンドは「自分で何度かテーピングした事がある」ので、ジャックに診てもらうまでもないのだと言い繕う。

ジャックがデズモンドに初めて会ったのはこの島に来る前だ。ジャックがサラの治療に悩んで外の空気を吸いに出た際、トレーニング中のデズモンドに励まされたのだった。デズモンドはヨットの世界一周レースに参加していただけあって、応急処置には慣れているというのもジャックには納得できる。

だが、ハーリーはなぜ、ソワソワしてるのだろう?ハーリーは「いや…あの…デズモンドについて来てやっただけなんだ。だって…友だちだから」と、しどろもどろに答える。デズモンドは「もしかしたら、ジャックに怪しまれたかもしれない」と心配する。

でも、一体、何を怪しむといういうのだろうか?ハーリーは「あ、わかった!クレアがおぼれそうになった時みたいに、誰かが怪我するんだろ?おいらかい?」と訊く。デズモンドは「あくまでも念のためさ」と答える。

しかし、ハーリーは「ちゃんと説明してくれなきゃ、ケーブルには案内しないよ」と言う。デズモンドは「これから連続的に起きる、いくつかの出来事を見た」と話す。個々の出来事はジグソー・パズルのピースのようなものなのだが、箱に絵がないので全体像がわからない。でも、ともかく、最初の1ピースが「ハーリーが砂の中からケーブルを持ち上げる」という出来事なのだ。ハーリーはその他のピースについても知りたがるが、デズモンドは「もし話したら、箱の絵そのもの(つまり、未来)が変わってしまう」と言って、教えようとしない。そう、デズモンドはヴィジョンで見た「悪い出来事」を阻止したいのではなく、ヴィジョンそのままの未来を実現させたいのだ。(たとえ、チャーリーを見殺しにしてでも完成させたい「絵」はペニーと関係がある?)

Hurley: Look, dude, [if] you want me to take you to the wire, I want an explanation.
Desmond: I saw a sequence of events... things that are going to happen.
Hurley: What'd you see?
Desmond: It was... it was like I saw a jigsaw puzzle. Only I didn't have the picture on the box... so I don't know how the pieces fit exactly, but one of the pieces, the first one... it was you pulling the cable out of the sand.
Hurley: So what are the other pieces?
Desmond: If I tell you that, it will change the picture in the box.
Hurley: So what? Isn't that the point, preventing something bad?
Desmond: Not this day.
Hurley: So you're not trying to stop something from happening. You actually want it to happen.
Desmond: (ペニーを思い浮かべて) More than anything.

ソーヤーは周りの様子を窺いながら、ケイトのテントに近付き、「ソバカスちゃん、いるかい?」と中に呼びかける。ケイトは「ニックネームは禁止なんじゃなかったの?」と中から答える。ソーヤーは「俺が賭けに負けた時、おめえはいなかったから…」と言いながらテントに入って行く。ケイトは着替え中だった。ソーヤーはケイトの姿態に目を奪われながら、「…例外だ」と結ぶ。

Sawyer: Hey, Freckles, [are] you home?
Kate: [I] Thought you weren't allowed to use nicknames.
Sawyer: Well, you weren't around when I lost the bet so you're... (テントに入りながら) exempt.

ソーヤーはケイトが服を着るのを眺めながら、「ちょっと訊きたい事があってな」と切り出す。その視線はケイトの胸に釘付けだ。ケイトは「あたしはこっちよ(I'm up here.)」と自分の顔を指差す。

ソーヤー:「奴には言ったのかい?」
ケイト:「誰に何を?」
ソーヤー:「だから、ドクターに…俺とおめえの事をさ」
ケイト:「いいえ。でも彼は知ってるわ。監視モニターで見ちゃったのよ」
ソーヤー:「監視カメラは壊れてたんじゃなかったのか?」
ケイト:「あのね、もう1つあったみたいよ」
ソーヤー:「あの変態どもめ」

Sawyer: Did you tell him?
Kate: Did I tell who what?
Sawyer: You know, did you tell the Doc... about you and me?
Kate: No, but he knows. He saw us in one of their surveillance monitors.
Sawyer: I thought you said the camera was broken.
Kate: Well, they had another camera.
Sawyer: Perverts.

まあ、ともかく、ジャックがすでに知ってるのなら話は早い。ソーヤーは「そんじゃ、『午後のお楽しみ (Afternoon Delight)』っていうのはどうだい?」とニヤニヤする。ケイトは相手にせず、ソーヤーを押しのけて、さっさとテントの外に出てしまう。

ソーヤー:「なんだよ?ミックステープでも作ってやんなきゃダメだってのか?」
ケイト:「そうね。そうすれば?」

Sawyer: What? You need me to make you a mix tape?
Kate: Yeah, why don't you do that?
(この島でそんな物を作れるわけがない!?)

海辺。デズモンドとハーリーは「キャンプに行こう」という口実でジンをスカウトする。デズモンドのヴィジョンの中にジンもいたからだ。さあ、あと、もう1人だ。(なんか、『桃太郎』か『西遊記』みたい?)

チャーリーは大きな木に背をあずけ、ギターをつま弾いている。そこにデズモンドたちが現れる。

チャーリー:「おいらをどれだけ間抜けだと思ってんだい?キャンプなんかじゃなくて、またヴィジョンを見たんだろ?今度は何さ?」
デズモンド:「ある人がこの島にやって来るんだ」
チャーリー:「やって来る?つまり、まだ、この島にいない人が…ってことか?一体、どうやって?」
デズモンド:「それは言えない」
チャーリー:「おいら自身には全く関係ないのかい?」
デズモンド:「あ…いや、君も関わっている…ジンやハーリーと同じようにね」
チャーリー:「そうか…でも、こう言っちゃなんだけど、あんた、ジンやハーリーが死ぬっていう予言はしたことなかっただろ?」
デズモンド:「ええと…それは起こらないさ…今回のところはね」

Charlie: How daft do you think I am? This isn't a camping trip. You've had another one of your visions, haven't you? What was it this time?
Desmond: Someone's coming to the island.
Charlie: Coming? As in someone who's not already here? How the hell is that gonna happen?
Desmond: I can't tell you.
Charlie: It's got nothing to do with me?
Desmond: Well, you're a part of it, yeah? As are Jin and Hurley.
Charlie: Right, but... with all due respect, you haven't previously told Jin or Hurley that they're gonna die.
Desmond: Well, that's not gonna happen... not this time.

チャーリーは「ギターを持ってっても良いなら…」と、同行を承知する。

デズモンドら4人は海岸沿いを歩き続ける。チャーリーとハーリーとジンは楽しそうに、『The Colonel Bogey March (クワイ河マーチ)』(※)を口笛で吹いている。

※映画『The Bridge on the River Kwai (戦場にかける橋)』(1957年)の主題曲。

突然、ハーリーが「ここだ!」と言う。地形から思い出したのだ。ジンが砂を探ってみると、案の定、ケーブルが隠れていた。ハーリーはケーブルを引き上げる。デズモンドのヴィジョンそのままの光景だ。

ただ、前回、ハーリーがこのケーブルを辿ってジャングルに入って行った際にはダニエール・ルーソーの罠で危うく串刺しにされるところだった。その話を聞かされたデズモンドはチャーリーの咽喉に矢が刺さるヴィジョンを思い浮かべ、「ジャングルには行かないさ…今はまだね。もう日が落ちるから、今夜はここでキャンプしよう」と言う。ジンは「キャンプ」という言葉を聞いて喜ぶ。

チャーリーが「それで、例の謎の人物はいつ、ここに来るんだい?」と尋ねると、デズモンドは「もうすぐだよ」と答える。

フラッシュバック。

修道院。キャンベル僧とデズモンドがワイン・ボトルにラベルを貼っている。この修道院の僧たちの手による『Moriah Vineyards』という銘柄のワインで、1995年産だ。つまり、これはオーシャニック航空815便が島に墜落する9年前の出来事らしい。

『沈黙の誓い』に慣れてしまったせいか、デズモンドは寡黙だったが、『Moriah (モリヤ山)』という呼称には興味を覚えるのだった。モリヤ山といえば、旧約聖書で神がアブラハムに息子のイサクを殺して生贄に捧げるよう命じたとされる場所である。ワインの銘柄としては少々、剣呑なのではないか?そもそも、デズモンドには、どうして神がアブラハムに自分の息子を犠牲にするように指示したのか、理解しかねるのだった。キャンベル僧は「そうでないと、試練にはならぬであろう?そなたは犠牲というものの価値を甘く見ているのではないかな?」と言う。

Campbell: You do realize you are free to talk again, Brother Desmond.
Desmond: Used to being quiet, I suppose. Moriah. I find the name the brothers have chosen for the wine made here interesting.
Campbell: And why is that, brother?
Desmond: Well, Moriah's a mountain where Abraham was asked to kill Isaac. It's not exactly the most festive local, is it?
Campbell: And yet, God spared Isaac.
Desmond: Well, one might argue that God need not have asked Abraham to sacrifice his son in the first place.
Campbell: Well, then it wouldn't have been much of a test, would it, brother? Perhaps you underestimate the value of sacrifice.

その時、もう1人の僧が「デズモンドを訪れて来た客人」を従えて入って来る。その男はいきなりデズモンドの顔を殴る。デズモンドの鼻から血が出る。男は胸の前で十字を組み、キャンベル僧に謝罪して去って行く。そして、デズモンドもキャンベル僧に向かって「赦したまえ」と言うのだった。

現在。夜。

ビーチキャンプのキッチン。ケイトが1人でオートミールを食べていると、ジャックが食べ物を探しに来る。ケイトは「オートミール、美味しいわよ」と話しかける。ジャックは「そうかい?」と答える。

ケイト:「変じゃない?」
ジャック:「え、何?」
ケイト:「ここでこうしてる事よ。檻を脱出しようとしてるわけでもなく、ジャングルに走り込んで行く理由も見当たらない。どうしたら良いか、わからないぐらいよ」
ジャック:「せいぜい楽しんでおきなよ。そのうち、きっとトラブルが起こるさ」

Kate: It's strange, huh?
Jack: What's that?
Kate: Being back. Not looking for a way out of a cage, not finding a reason to go running off into the jungle again. I almost don't know what to do with myself.
Jack: Well, enjoy it. I'm sure something'll go wrong soon enough.

ケイトは笑い、「あたしにとって、今夜の大危険事といったら、皿洗いをする事よ。海でね」と言う。ジャックも微笑みながら、「気をつけるんだな」と言い、「スプーン借りても良いかな?」と尋ねる。ケイトはスプーンをベロっと舐め、そのまま渡す。ジャックはそれを受け取り、「おやすみ」と言って歩き去る。ケイトは皿洗いの用意をする。

ケイトは笑い声を耳にし、その方向を何気なく見遣る。すると、ジャックとジュリエットが仲良く食事を始めるところだった。

ケイトはソーヤーのテントに直行し、ズカズカと入る。読書をしていたソーヤーは「なんだ?また玄関のベルが壊れちまったか?」と冗談を言う。

Sawyer: What? My doorbell busted again?

ケイトはソーヤーに上にのしかかり、「黙ってなさい!」と叱りつけてキスをする。ソーヤーは「おめえ、泣いてんのか?」と訊く。ケイトは「黙ってなさいって言ったでしょ?」と言い、ソーヤーの胸にキスをあびせる。ソーヤーは応じる。


(【その2】に続く)


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