The Nine 1-1 "Pilot"

【アメリカ合衆国での初回放送 = 2006年10月4日】※ザ・ナインといっても野球とは関係ない。銀行強盗事件の人質として知り合った9人の物語だ。舞台はロサンジェルス。

銀行の支店長とその娘、銀行員、刑事、外科医とその恋人の看護婦、検察官、自殺願望の男…といった8人の善良な市民に強盗一味の1人をあわせた9人が主人公。たった5分で終わるはずだった銀行強盗が52時間にも及ぶ立て籠もり事件に発展してしまう。

強盗が銀行に入ったところから、いきなり52時間後に話が飛ぶところが面白い。つまり、立て籠もり中に何があったのかは視聴者にはすぐに明かされず、毎回、徐々に明らかにして行くという趣向らしい。

SWATチームは銀行強盗の1人を撃ち、もう1人を逮捕することに成功するが、その際に活躍したのがなんと自殺願望のイーガン・フット（ジョン・ビリングズリー）だった。事件後、イーガンは英雄に祭り上げられる。

一件落着して銀行の外に出た人質たちの1人、ニック・キャヴァナー刑事（ティム・デイリー）はFBIの交渉人を殴りつける。「おまえが失敗しなければ、もっと早く解放されたはずなのに！」ということらしい。『Standoff』のマット＆エミリーに交渉させれば良かった！？

ニックが好意を抱いていた女性銀行員、エヴァ・リアスが重傷で病院に担ぎ込まれるが、結局、手術の甲斐もなく、死んでしまう。エヴァとともに働いていた妹のフラニーはやはり人質だったジェレミー・ケイツ医師（スコット・ウルフ）と恋におちる。

事件前までジェレミーの恋人だったリジー・ミラーの心はこの事件がきっかけでジェレミーから離れて行く。実はリジーはジェレミーの子を妊娠している事に最近気付いたばかりで、その日はそのニュースを彼に伝えるつもりだったのだが…。

ロサンジェルス郡検察局のやり手検察官、キャスリン・へイル（キム・レイヴァー）はどうやら、ニックに恋をしたらしい。また、ニックもキムに興味を抱いてるようだ。

銀行の支店長、マルコム・ジョーンズ（チャイ・マクブライド）はSWATチームに救われた際、しばらくボーっとして座っていた。その娘はなんと、立て籠もり時の記憶が全てスポーンと抜け落ちている。自分が丸2日間にわたって人質に取られていたことはわかっているのだが、具体的に何があったのか、まるで思い出せないのだ。

エヴァの葬儀の一週間後、人質たち（支店長の娘と犯人を除いた7人）がレストランに集まる。彼らは長い人生の中でたった2日を共に過ごしただけだったが、その間には表現しようのない仲間意識が芽生えていたのだ。もっとも、ジェレミーとリジーのように、逆に心が離れてしまったケースもあるのだが…。

突然、「ガシャン！」という音がし、7人全員が飛び上がる。だが、ウェイトレスが食器を落としただけだと悟ると、笑いが込み上げて来るのだった。彼らは事件以来、こういう音に過敏に反応してしまうようだ。

こんな感じで、事件を境にして変わってしまった9人の新しい人生を描きながら、「一体、立て籠もりの最中に何が起こったのか？」という謎解きを行っていくというのがこのドラマだ。新しい趣向の番組なので今後に期待したいが、話が複雑になり過ぎるようだと疲れるので、そのあたりのバランスが大事だろう。


★名言・迷言集

【その1】
Egan Foote: It's Egan Foote, with an E, not at the beginning of the Egan but at the end of the Foote.

【その2】
Ricky Rios: Are you the cop?
Nick Cavanaugh: Yep.

Ricky Rios: Then why didn't you save my mom?