アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

CSI: Miami 4-17 "Collision"

2006年03月08日 | TV: CSIシリーズ
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2006年3月6日】今回はホレイショの生い立ちに加え、ラボ職員のナタリア・ボア・ヴィスタの過去にも言及している。

女性が高速で車を走らせている。彼女は何者かに追われているようだ。やがて車が防壁&並木に正面激突し、正面ガラスが割れる。彼女は頭から血を流し、ハンドルに突っ伏してしまう。

警察が現場に到着した時、女性はすでに事切れていた。彼女の名はアンジェラ・ロス。一見、スピード違反と余所見運転による自動車事故のようだが、ホレイショ・ケイン警部補とフランク・トリップ刑事はトランクから血液が滴っている事に気付く。トランクの中には若い男性の死体が入っていた。アンジェラが急いでいたのは死体を運んでいたかららしい。

しかし、エリック・デルコ捜査官は車の後方にある窪みに着目する。それは正面衝突で発生したとは考えにくい。どうも、後方から他の車に当てられたようだ。だとすると、アンジェラは自分で事故を起こしたのではなく、誰かに殺された可能性がある。

トランク内で見つかった男性は絞殺されたらしい。その両手には赤い染料のようなものが付いていた。また、身体のあちこちに白い繊維のようなものが付着していたが、それは実は羊革のシートカバーの毛で、アンジェラのトランク内にも同じ物があったが、車内には一切、見当たらない。おそらく、男性は他の車の中で殺された後にアンジェラのトランクに移動させられたのではないか?

フランクはアンジェラの運転免許証に書かれた住所を訪れるが、そこは空き地だった。多分、「アンジェラ・ロス」というのも偽名だろう。彼女は当面は「ジェイン・ドー」(身元不明の女性の死体をこう呼ぶ→男性の場合は「ジョン・ドー」)だ。

エリックはジェイン・ドーの車の後方の窪み部分から塗料を採取し、ラボに届ける。その塗料はジェイン・ドーの車のもの(silver frost metallic)とは微妙に異なる銀色(artic silver metallic)で、ライアン・ウルフ捜査官とラボ職員のアーロン・ピーターズが車輌用塗料のデータベースを調べた結果、ポルシェ・ボックススター986(Porsche Boxster 986)専用の塗料だと判明する。

ホレイショとエリックが路上駐車されている銀色のポルシェ・ボックススター986を見つけるのにさほど時間はかからなかった。そして、案の定、前方にぶつけた痕があり、シートカバーも羊革だ。

ポルシェはレンタカーで、借主の名前はラッセル・ミラーだ。ラッセルはカッパー・パームズ・ホテルに滞在しているらしい。

ホレイショたちはラッセルを訪れ、ジェイン・ドーのトランクで見つかった若い男性の死体の写真を見せる。ラッセルは最初はトボけようとするが、襟部分に付着した赤い染料をホレイショに指摘され、「そいつはルイス・レイェズといって、このホテルのヴァレー(valet = ホテル等で車を駐めてくれる係員)だ。娼婦を世話してもらったんだが、あとで手数料を吊り上げやがるもんだから、車の中で喧嘩したんだ。あいつ、ナイフまで出しやがって…。きっと、あの後、ルイスと娼婦の奴が車を盗んだに違いない」と話す。ラッセルは「妻には知られたくない」とおどおどしている。

もし、ルイスがその娼婦のヒモだとすれば、彼女の体液がルイスの身体に残ってる可能性もある。ホレイショはアレックスに電話し、ルイスの死体に性行為の形跡がないかどうかを調べさせる。しかし、ルイスの局部で見つかったのは男性のDNAだった。娼婦なんて最初から存在せず、ラッセルが肉体関係を持った相手は他ならぬルイスだったのだ。

ルイスが「あんたが俺と肉体関係を持ったって、奥さんに教えてやろうか?」と脅迫したため、首を絞めて殺したのだが、その瞬間をちょうど通りかかったジェイン・ドーに見られてしまったので、追跡して事故を起こさせたのだった。

はい、一件落着…と、ここまでCM込みで約16分しか経ってないので、まだ何かありそう…と思ってると、アレックスがホレイショに「ジェイン・ドーは追突された後に頭部を殴られて殺されたらしい」と報告する。つまり、ラッセルが殺したのはルイスのみで、ジェイン・ドーは他の誰かに殺されたのだ。

ライアンがラボを訪れると、ナタリアがヴァレラの代わりを務めていた。ヴァレラは州検事局に行ってるのだという。もしかすると、ヴァレラがスパイなのだろうか?

エリックはカリー・デュケイン捜査官とともにジェイン・ドーの車を再度調べる。彼女を殺した真犯人はどの位置に立っていたんだろうか?運転席のドアは並木に遮られて開かなかったはずだから、前方の割れたガラスの間から手を伸ばしたのではないか?

2人はガラスの破片に紛れて落ちていたダイヤモンドを見つける。どうやら、指輪かネックレスの一部だったようだが、ジェイン・ドーはそれらしい物を持っていなかった。動機は盗難だったのか?

カリーとエリックはダイヤモンドにレーザー刻印されているDIA(Diamond Index of America)番号(写真)を調べる。その登録主はフィールドクレスト宝石店となっていた。クリス・カイザー店長によれば、そのダイヤは昨夜盗まれた4百万ドルのネックレスの一部だったという。

ジェイン・ドーの写真を見せると、クリスは「彼女はうちの店員のバーバラ・ソマーズですよ。まさか、殺されたなんて…」とショックを受けた様子だ。

ホレイショとライアンはクリスからバーバラの住所を聞き出し、訪れる。すると、そこにはダニーという男の子がいた。ダニーはなぜか喋ろうとしない。「お父さんはどこ?」と訊くと、上方を指差す。「天国にいる」という意味らしい。ホレイショたちはダニーをマイアミ・デイド署に保護することにする。

ソーシャル・ワーカーがダニーと話そうとするが、警戒心が強いらしく、なかなか心を開こうとしない。ソーシャル・ワーカーによれば、「喋らないように躾けられているらしい」という。ダニーは虐待でもされてたのだろうか?

そんなダニーの様子をナタリアが痛々しそうな表情で眺めていた…まるで、自分の子どもを思い出してるかのように。ホレイショはナタリアの表情から何かを読み取ったようだ。

ホレイショはアレックスにバーバラの身体を蛍光透視器(fluoroscope)で調べるよう指示する。ホレイショは何が見つかるかをすでに悟っている様子だが、アレックスに「先入観を与えたくない」と、具体的な言及はしない。

エリックがジェイン・ドー…いや、バーバラの車内で見つけた指紋をデータベースで照合する。それは飲酒運転の前歴があるミシガン州のハワード・ベンチリーという男性のものだった。

ハワードはマイアミに息抜きに来ているという。彼はバーバラの事故現場に遭遇して助けようとしたのだが、すでに手遅れだと悟り、立ち去ったのだと主張する。そして、警察に通報はしたが、自分の名前は名乗らなかった。どうやら、その時も飲酒運転をしていたようだ。カリーは何か腑に落ちない思いがしたが、ハワードを拘留しておくだけの十分な根拠は見つからなかった。

エリックは署の廊下でナタリアと遭遇する。ナタリアは今回の事件に多大な興味を示し、いろいろと質問してくる。エリックはつい、「スパイはナタリアなんじゃないか?」と身構えてしまうが、とりあえず、その疑いは捨てることにし、「ダイヤモンドのネックレスを盗んだ奴がバーバラを殺したみたいだ」と現時点での推理について話す。

ナタリアは「もしかすると、彼女の過去と関係あるのかもしれない」と思わせぶりな事を言いながら、それ以上説明しようとしない。エリックは再度ナタリアを疑ってしまうのだった。

バーバラの自宅から金属の削り屑が発見される。それは壊れたペット・ドアの付近にあった。それもただの金属ではなく、純銀(標準銀)だ。実はクリス・カイザー店長は最初からバーバラがネックレスを盗んだ犯人だと睨んでおり、彼女の家に行っていたのだ。そして、ドアを蹴った際、彼の靴に付いていた銀の削り屑が落ちたのである。元々、バーバラを雇ったのはクリス自身だったので、この盗難事件が明るみに出れば、彼自身もクビになってしまうだろうという惧れから、秘密裡に対処しようとしたのだった。

アレックスはホレイショに蛍光透視検査の結果を報告する。バーバラの身体には頭の天辺から足の先まで虐待の痕が残っていた。虐待は何年にもわたって行われたようだ。つまり、バーバラは夫(元夫?)から逃げ回るために名前や住所を頻繁に変え、時には盗みを働いて生活費を確保していたのだ。だから、息子のダニーにだって、自分たちの素性をうっかり喋ってしまわないように沈黙を守らせていたのだ。

ホレイショはナタリアの協力をあおぐ。ナタリアもかつて、夫に虐待された過去があり、そんな女性たちのための地下ネットワークに属していた。そういう類の組織は秘密保持が売り物だが、この事件を解決するためにはバーバラの過去を探る必要がある。

例のダイヤモンドのネックレスを質屋に売ろうとしたリータという女性ライダーが逮捕される。リータは事故現場にオートバイを乗り付けては現金や品物を盗むのを生業としていた。今回もバーバラの事故現場からネックレスを盗んでいたのだ。でも、人殺しまではしていない…自分が現場に到着した時にはバーバラはすでに死んでいたという。

リータは「あたしが着いた時、黒いSUVが走り去って行った」と証言する。

ナタリアが調べた結果、バーバラ・ソマーズの夫の姓は「ベンチリー」だとわかる。そう、他ならぬハワード・ベンチリーだ。しかも、ハワードの愛車は黒いSUVである。

ハワードは「わざわざマイアミまでバーバラを殺しになって来るもんか。俺はダニーを取り返しに来ただけだよ。クレイジーなのはバーバラの方だったんだ」と主張する。

バーバラは後頭部を何度も殴られて死んだのだったが、ハワードの持ち物の中にはそれらしき凶器はなかった。カリーは「銃把で殴ったのだろう」と推理するが、ハワードは拳銃も持っていない。

カリーは質屋の主のへインを問い詰める。実はリータは質屋にネックレスだけではなく、拳銃も持ち込んでいたのだが、へインはネックレスの事だけ通報し、銃の事はトボけていたのだ。

凶器の拳銃はへインによって綺麗に磨かれていたため、表面には指紋等は残っていなかったが、マガジンにはまだ指紋が残っていた。そして、その指紋がハワードのものと一致する。

ハワードはバーバラを尾行しており、彼女がラッセル・ミラーに追跡されて激突する様子も目撃していた。ラッセルが去った後、割れた窓ガラスの隙間から覗くと、バーバラが拳銃を取り出して撃とうとしたが、弾は込められていなかった。ハワードは拳銃を取り上げ、怒りを込めてバーバラの頭部を何度も殴って殺した。

ナタリアの事情を知ったエリックは謝罪する。ナタリアをかつて虐待していた男は今は囚役中だという。(この2人の恋愛がどうやら再燃しそう?)

マイアミ・デイド署の外。ホレイショはダニーに「私の母も父に殺されたんだ」と打ち明ける。そして、「君は1人じゃない。もし、話したくなったら、私は毎日、ここ(マイアミ・デイド署)にいるから、いつでも来て良いんだよ」と勇気付ける。


【今日の一言】
Lt. Horatio Caine: ... being a father is not a right. It's a gift.


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本ではシーズン3が終盤です (伊藤正一)
2006-03-08 12:30:58
えっ?ホレイショの兄が生きている!?そんなのありなんでしょうか。
ホレイショの過去 (ジョウ)
2006-03-09 02:41:37
伊藤さん、まあ、そのあたりは見てのお楽しみということで…。ところで、邦訳版ではレイはホレイショの兄ということになってるんですか?原語版では「brother」としか言わないので、それだけでは兄か弟かわからないんですが…。



ちなみに、第4シーズンではホレイショの過去が次第に明かされて来てますが、そのほとんどのネタは最初からあった設定ではなく、第3シーズンが終了してから考案されたものらしいです。本家『CSI』とのクロスオーバー(『…マイアミ』の事実上の第1話)に代表されるようなホレイショの「子どもへの思い遣り」のバックストーリーを探ろう…というのがキッカケだったとか。