アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Smallville 6-17 "Combat"

2007年03月28日 | TV: Smallville
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年3月22日】※クラークが隕石フリークのファイト・クラブに乗り込む。WWE所属の2人のプロレスラー、 Kane (Glen Jacobs)Ashley (Ashley Massaro) がゲスト出演。

倉庫か格納庫のような建物の中。アングラ・ファイトクラブのファイトが今日も開催されようとしていた。突如、警報が鳴り響く。用心棒のアシーナ(Ashley)らが駆けつけると、超怪力ファイター、タイタン(Kane)が暴れ回っていた。アシーナたちは逃げる。タイタンは黒い革ジャンを着た若者を投げ飛ばす。若者はクラーク・ケントだった。しかも、顔から血を流している。


46時間前。レックス・ルーサー&ラナ・ラングの結婚式の1週間後。

ケント家。クラークが電話でオリヴァー・クィーンと話しながらメモを取っているところにマーサ・ケントが帰宅する。ここ数日の間、正体不明のクライム・ファイターが数件の悪人逮捕に貢献していたが、マーサはそれがクラークだろうと見抜いていた。マーサはクラークが「レックスとラナの結婚によって生じた鬱憤を晴らすためにやってるのではないか?」と心配なのだ。だが、クラークとしては「恋愛などという余計な人間的感情に振り回されずに悪人退治という使命に集中できるようになった」つもりらしい。そもそも、クラークは「人間(地球人)」ではないのである。

Martha Kent: Clark, I know how difficult Lex and Lana's wedding was for you, but ever since that day, it's like you've become another person.
Clark Kent: Why? Because I'm not distracted by my feelings for Lana anymore? That I can finally focus on what I really need to do?
Martha: Sweetheart, you should never consider what you felt to be a distraction. Love is a natural human emotion.
Clark: Then maybe my mistake was having those feelings at all. I'm not human, Mom. It's time I stop pretending to be.

※マーサがクラークに見せる新聞記事の中のメトロポリス警察のマークがスーパーマンのそれと同じ形をしている。

オリヴァーがクラークにもたらしたのは隕石フリークばかりを集めたアングラ・ファイトクラブに関する手掛かりだった。そのファイトクラブのファイトはインターネットで登録会員のみ観戦できるのだが、オリヴァーによれば、開催地はスモールヴィル近辺らしいという。

クラークはクロエ・サリヴァンに協力を頼み、ファイトクラブのサイトにログインする。

Chloe Sullivan: I'm starting to think that... er... super-sleuthing might be my latent krypto-power.
(私もこの説を支持。)

クラークとクロエはコンピュータ画面で、タイタンというファイターがもう1人のファイターを殺す場面を目撃する。タイタンは超怪力を有するだけでなく、右手首の上あたりから鉄のような杭を出して相手を刺し殺す事ができるのである。

クロエの技術をもってしてもウェブ放送の発信地を特定するのは無理だったが、クラークはタイタンの腕にクリプトン星の囚人特有の刺青があるのに気付く。つまり、タイタンは隕石フリークではなく、ファントム・ゾーンの脱走者なのだ。

ルーサー邸。レックスはラナにシャンペンに見立てたアップル・ソーダを渡し、乾杯する。レックスは結婚式以来、ラナに避けられてるような気がして仕方がないのだが、ラナは「短い時間に妊娠とか結婚式とか、いろいろあったから、現実に追い着こうとするのが大変なだけ」と説明する。

タロンの2階。クロエのアパート。クロエがコンピュータで調査を続けているところにクラークが超高速で現れる。クラークが起こした風の勢いで、クロエの机の上にあった紙コップ(階下で買ったコーヒー?)が倒れ、コンピュータからプリントアウトしておいたタイタンのスクリーンショットが濡れてしまう。クロエは写真をゴミ箱に捨てる。

クラークは気が短くなっており、クロエの調査がなかなか進展しないと苛立っている。だが、クロエは何も手掛かりを得ていないわけではなかった。ファイトクラブで死んだ隕石フリーク・ファイターの1人は元々、ベル・リーヴ(Belle Reve)収容所の患者で、死体もベル・リーヴに戻されていたのである。

突然、ロイス・レインがアパートに入って来る。彼女は『インクィジター(The Inquisitor)』紙向けの記事のネタが見つからず、クビになりそうなので、「何かネタはない?」というわけだ。クロエは咄嗟にコンピュータを(多分)オフにする。

Lois: Is that a story?
Chloe: No.
Lois: Okay, normally, I would be hands-off, but this puppy needs a bone. Please, cuz. I'll owe you big time.
Chloe: There's no story for the Inquisitor here, Lois. It's just a dead end.
Clark: I'm sure after a shower and a cappuccino, you'll come up with something in no time.

クラークとクロエが部屋を出た後、ロイスは自分の紙コップを捨てようとして、ゴミ箱の中にあったタイタンのスクリーンショットを見つける。

ロイスはタイタンの後方の壁に書かれたアルファベット+数字から、その場所が空軍の第44格納庫だという事に気付く。彼女の父は軍人なので、ロイスにも馴染みがあるのだ。

第44格納庫。真っ赤なジャンプスーツに身を固めたロイスは用心棒のアシーナに「雇ってほしい」と持ちかける。アシーナが色目を使うと、ロイスは「あたしはダンサーで、ウィンゲート・クラブでストリッパーをしてたこともあるのよ。よかったら、披露して差し上げるわ」と微笑む。アシーナは「準備が出来たら呼んでちょうだい」と言って別室に行く。

Lois: Come on, help a girl out? I'll leave your name at the front door. You can watch my act. I do a killer Stars-and-Stripes routine.
Athena: I've always been a sucker for a girl in boots.
Lois: Lucky me.

ロイスはデジタル・カメラを出し、格納庫内の写真を撮り始める。床のあちこちに血がこびり付いている。やはり、ここでアングラ・ファイトが行われているに違いない。ロイスが写真を撮るのに夢中になっていると、アシーナがいつの間にか戻って来ていた。ロイスはアシーナをどうにか倒すが、リング・アナウンサーに拳銃を向けられ、観念する。

一方、クロエは「リング・アナウンサー = ベル・リーヴのリクター・マドックス院長」だと突き止める。マドックスは自分の施設の患者たちをアングラ・ファイトクラブで戦わせていたのである。

Chloe: So I think I found our Vince McMahon wannabe.

※Vince McMahon というのはWWE (World Wrestling Entertainment) の筆頭株主の名前。

クラークは「腕の刺青からすると、タイタンは戦士で、戦闘向けに改造されたようだ。だから、奴は地球に来てからずっと、戦う相手を求めていたんだ」と説明する。そんなタイタンにとって、隕石フリークが集まるファイトクラブはうってつけだったというわけだ。

Clark: The tattoo on Titan's arm. From what I could tell, it said he was a warrior, enhanced for combat. Ever since he's been here, he's been looking for a fight.
Chloe: Then what better challenge for a brawl-loving Zoner than a rumble at a krypto fight club?

クラークはマドックスにアプローチし、ファイターとして潜入することにする。クロエが「殺されちゃうかもしれないわよ」と心配すると、クラークは「こっちが先に殺せば良いだけの話さ」と言う。

Chloe: Clark, he can kill you.
Clark: Not if I kill him first.

ルーサー邸。レックスはコンピュータで世界各地の秘密施設(おそらく第33.1研究所だろう)の状況を確認する。そのうちの1つ…コルト・マルテーズ(※)の拠点がグリーンアローによって破壊された事がわかる。

※『コルト・マルテーズ (Corto Maltese)』というのはDC Comicsのヒーローの名前だが、『バットマン』シリーズや当『Smallville』では地名となっている。

レックスはラナが床に倒れて苦しんでいるのを見つける。腹部が痛むのだという。ラナは間もなく気絶し、レックスは助けを呼ぶ。

病院。ラナが目覚めると、レックスと見知らぬ女医(実はベル・リーヴのオルブライト医師→第5シーズンの『Mortal』以来の登場)が見守っていた。ラナは「ラングストン先生はどこ?」と訊く。レックスは「ポケベルに応答しないんだ」と答える。(自分で殺したくせに…。)

ラナが「赤ちゃんは無事なの!?」と言うと、レックスは医師を外に出し、「残念だけど、流産したんだ」と告げる。(おそらく、本当はまだ生きていて、第33.1研究所あたりにでもいるのではないか?)

夜。ベル・リーヴ収容所の駐車場。マドックス院長が車に乗ろうとしたところにクラーク・ケントが現れ、ファイトクラブに参加させてくれるよう頼む。マドックスは最初、知らばっくれるが、クラークに投げ飛ばされ、さらに拳銃の弾を手で受け止められるとコロッと態度が変わる。マドックスはクラークを第44格納庫に連れて行く。クラークのリングネームは『鋼鉄の男 (The Man of Steel)』(スーパーマンのニックネーム)だという。

Richtor Maddox: You scared me. Where did you come from?
Clark: You wouldn't believe me if I told you.
------------------------
Clark: I know about the fight club. I know you're not only using patients from Belle Reve. I want in.
Maddox: Oh, okay, look. The only place I could get you into is a psychiatric facility.
------------------------
Maddox: Hey, what do you think of the name "The Man of Steel"?
Clark: "Man of Steel"?
Maddox: Yeah, I give all the fighters their monikers. Trust me, kid, it's a name that no one's ever going to forget.

やがて、インターネット中継が始まり、リング・アナウンサーのマドックスがファイターたちを紹介する。クラークの最初の戦闘相手はなんと、ロイスだった。クラークとロイスはとりあえず、戦うフリをする。

Clark: I'm not going to punch you, Lois.
Lois: Fine. Then you take the dive. (Clarkの腹部をパンチし、拳を傷める) That is not just a six-pack under your shirt, is it? That's a steel case under there.

クラークはロイスが後ろを向いた隙に目から熱光線を放ってコンピュータ等の機器を破壊する。インターネット放送が中断され、スタッフたちは慌てる。そして、カル・エル(クラーク)の存在に気付いたタイタンが飛び込んで来る。

タイタンは止めに入ったマドックスを突き飛ばして殺し、クラークに迫る。クラークはロイスに逃げるように言うが、ロイスも突き飛ばされ、気絶する。(ロイスはマドックスよりもタフ!?)

Clark: You don't belong here.
Titan: You are the one that doesn't belong.

タイタンは圧倒的なパワーでクラークを叩きのめす。警報を聞いて駆けつけたアシーナらも現場の惨状に驚き、逃げ出して行く。タイタンは得意の杭でクラークにトドメを刺そうとするが、どうにか力を振り絞ったクラークに突き飛ばされ、自分の杭で自分を刺してしまう。タイタンは死に際、クラークの戦いぶりを褒める。

ルーサー邸。レックスは部下から「ファイトクラブを見つけました」という報告を受ける。ところが、無敵だったはずのタイタンは殺されてしまったという。しかも、解剖の結果、タイタンは人間(地球人)ではなかったと事が判明したのだった。

ケント農場の納屋。クラークはゾーナー(ファントム・ゾーンの脱走者)が落下したと思われる各地のクレーター写真を見ている。ゾーナーはまだまだいるのだろうか?そこにマーサが現れる。

クラークはマーサに「ゾーナーたちをファントム・ゾーンに戻す方法がわからない以上、殺すしかないんだ」と言う。タイタンの死は事故のようなものだったが、どちらにしろ、殺すしかなかっただろう。そうでなければ、こちらが殺されていたのだ。

「それじゃ、ボクも奴らと同じじゃないか」と悩むクラークに、マーサは「そうやって、良心の呵責を覚える点が彼らとは違うわ。それこそ、人間的な感情なのよ」と指摘する。

クラークは遂に、自分の怒りの原因がラナの結婚にある事を認め、「何者かがラナにレックスとの結婚を強要したんじゃないか?」と言う。マーサは「時にはあきらめる事も必要よ」とアドバイスする。(ちょっと考えれば、「何者か」=「ライオネル・ルーサー」だって想像がつきそうなもんだけど…?)

ルーサー邸。ラナはレックスに「ラングストン先生は自動車事故で亡くなったんだそうよ…しかも、あたしたちの結婚式の日に」と言う。胎児だけでなく、担当医も死んでしまうなんて、一体、どうして、こう悪い事が続けて起こるのだろう?(だから、みんな、レックスのせいだってば!)

ラナは「赤ちゃんが死んだのはあたしのせい」だと思ってるようだ。レックスは「君のせいじゃないよ」と慰める。(レックスは真相を知ってるはずなので、「ラナのせいじゃない」というのは本当だろう。)

ラナは胎児の死の原因を突き止めるために、ラングストン医師の医療ファイルを取り寄せたいと主張する。レックスは「そうしてあげるよ」と約束する。

夜。ルーサー邸の居間。レックスは電話でオルブライト医師と話し、「これでラナのファイルは全部なんですね?」と確認する。そして、「ラナ・ルーサーという名前は忘れてしまって下さい」と言いながら、カルテや胎児の超音波写真等を暖炉の火にくべるのだった。

------------------------

今回、ライオネル・ルーサーの出番はなし。

------------------------

【備考】


☆Athena:

ギリシャ神話で「戦い」(軍神アレス/マルスのような激しい戦いではなく、平和のための戦い)、「狩猟」、「叡智」、「織物/編物」、「工芸」等を司る女神。オリュンポス(オリンパス)の12神の1人。大神ゼウス/ユピテル(Zues/Jupiter)の娘。一般的な日本語表記は「アテナ」。ギリシャの首都アテネ(英語表記は「Athens」)はアテナ由縁の町。「パルテナ」(「Athena Parthenos」=「処女神アテナ」という意味)と呼ばれることもあり、アテナを祀っているパルテノン宮殿(The Parthenon)の名称もそこから来ている。ローマ神話のミネルヴァ(Minerva)と同一視されている。

ルネッサンス芸術等では彼女の聖なる象徴とされるフクロウやオリーヴ、そして弓矢&盾とともに描かれていることが多い。盾にはメデューサ(Medusa=ゴルゴン<Gorgon>3姉妹の1人)の頭があしらわれているが、それはメデューサを退治した英雄ペルセウス(Perseus)が持ち帰った頭部をそのまま付けたもの。アテナはペルセウスの他、ヘラクレス(Heracles/Hercules)、ジェイソン(Jason)、オデュッセウス(Odysseus)といった英雄たちを助けた。また、アテナが海鷲に化けたという逸話もある。

当エピガイでは人名ということで、英語発音のカタカナ表記「アシーナ」を用いた。

ちなみに、「ヘラクレス」とは「ヘラの栄光」という意味。大神ゼウスが人間の女に産ませた半神半人の英雄だが、ゼウスの正妻ヘラに恨まれ、虐められた。(ディズニーのアニメ版とは事情が異なる。)


☆Titan:

ギリシャ神話に登場する巨人族で、オリュンポスの12神が誕生する前の「金の時代」(「The Golden Age」)の神々。一般的な日本語表記は「ティターン」。ティターン族には天空神ウラヌス(Uranus)&地神ガイア(Gaia/Gaea/Ge)、以上2人の子である農耕の神クロヌス/クロノス(Cronus/Cronos/Kronos)、その妹兼妻であるレア(Rhea=雷神ゼウス、海神ポセイドン<Poseidon/Neptune>、豊穣の女神デメテール<Demeter/Ceres>、家庭生活の女神ヘラ<Hera>、冥界の神ハデス<Hades/Pluto/Orcus>らの母)、人間に火(つまり文明?)をもたらしたプロメテウス(Prometheus=「先に考える者」という意味)、天の蒼穹を支えるアトラス(Atlas)らがいた。

当エピガイでは人名(地球人じゃないけど)ということで、英語発音のカタカナ表記「タイタン」を用いた。

ちなみに、クロノスは父ウラヌスを殺して神々の王の座に着いたが、「あなたも自分の子に殺されるでしょう」と予言され、自分の子どもたちを生まれるそばから呑み込んでしまった。ただ、末っ子のゼウスだけは母レアの機転によって助かり、後に成長してクロノスを倒し、呑み込まれていた兄や姉たちを救った(これが『七匹の子やぎ』の元ネタになった?)。ゼウスはこの功績により、「長兄」に格上げされ、神々の王になった。

なお、クロノスはルネッサンス時代に「時」を意味する「chronos」と混同され、「時の神」としても扱われるようになった。

「Titan」は土星の衛星タイタン(Titan)、チタン/チタニウム(titanium)等の語源にもなっている。(ギリシャ&ローマ神話の神々の名を冠している惑星&衛星は多い。)


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なんだか (kenn)
2007-03-28 09:28:05
クラークもイライラしてましたね。クロエに何の情報もなしかいな、と問い詰めるなんて。いつもお世話になってるのに。こういう時、HEROESのハナのような存在がいると便利ですよね。

それに、どうしてバートとかと共に行動しないのだろう。他にやる仕事があるのかな。ゾーナーと知ってクラークに情報を与えているわけではないので、仲間と共に行ってもいいんじゃないかと思いました。スケジュールの問題!?

悪事と言えばルーサー家、という定義をしているクラークが、一切ライオネルを疑わないのは、秘密を知られているからでしょうか。。。
返信する
ゾーナー退治 (ジョウ)
2007-03-29 03:38:57
そうですね、他のヒーローたちにゾーナー退治を手伝ってもらっても良いですよね。でも、クラークは「ゾーナーは自分の責任なので他人の助けを借りたくない」と思ってるのかも?

ところで、「Titan」と「Athena」に関する解説を「備考」として書き足しておきました。
返信する