アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Heroes 1-18 "Parasite" 【後半】

2007年03月09日 | TV: Heroes
(前半はこちら)

モヒンデルはまだ、サイラーを殺すつもりはなかった。その前に脊髄液を採取しなければならないからだ。父シャンドラはサイラーことゲイブリエル・グレイを「患者ゼロ号(Patient Zero)」と呼んでいたが、特殊能力者を特定するための方程式もサイラーのDNAシークエンスから導き出したのだった。そして、その方程式を完成させるためにはサイラーの脊髄液が必要なのだ。モヒンデルは「君も死ぬ前に少しは役に立てるわけだ。これはすごく痛いよ」と言って注射器をサイラーの脊髄に刺す。サイラーは絶叫する。(モヒンデルは拷問が得意?)

ヒロはThe Corinthian Casinoの奥に入って行く。そこはまるで博物館のようだ。リンダーマン氏のコレクションが保管されているのである。アイザック・メンデスが描いた「NYが核爆発で滅びる瞬間」の絵も展示されている。

受付の男が「メンデスの新しい絵を持って来たのか?」と尋ねる。ヒロは「はい」と返事し、背中にくくりつけてあった筒を受付の男に渡す。男は中身を出し、「これは破れている。しかもセロテープでくっつけただけじゃないか」と指摘する。それは刀を構えたヒロが恐竜と対峙している絵だったが、日本からヒロを連れ戻しに来た父カイトに破られてしまったのである。だが、予知絵としての価値は同じだろう。

ヒロは「受領証を下さい」と頼む。受付の男は「ちょっと待ってろ」と言って、別室に行く。その隙に、ヒロは受付のコンピュータを使ってケンセイの刀を見つける。すると、コレクション棚の上の方にある引き出しが開く。

ヒロは可動階段(と言うかどうか知らないけど)を棚に寄せ、ケンセイの刀が入っている引き出しを目指して上って行く。その時、受付の男が戻って来て、携帯用の非常ボタンを見せる。そのボタンを押すと、この建物の中にいる700人以上の警備員たちが一斉に押し寄せて来る仕掛けになっているのだという。

受付の男が非常ボタンを押し、警報が鳴り響く。だが、最初に駆けつけた警備員はなんと、ヒロの親友の安藤マサハシだった。彼は日本に帰るはずだったのだが、リンダーマン氏の警備スタッフに紛れ込んでヒロの来訪を待っていたのだ。(採用審査がいい加減?それとも変装?)

その頃、同ホテル内の客室で待機していたFBIのアロンゾ捜査官とケサダ捜査官がジェシカに殺される。

NY。モヒンデルはサイラーの脊髄液の分析を完了し、「たった4つの単純な遺伝子が全ての答を提供してくれた。これでもっと多くの特殊能力者を見つけてリストを完成させる事ができる」と大喜びする。そして、「もう、用が済んだ」サイラーに向かって、躊躇なく拳銃の引き金を引く。(えっ、サイラーが死んじゃうの!?)

しかし、その弾丸は空中で停止する。サイラーが念力で止めたのだ。サイラーはモヒンデルが研究に熱中してる隙に念力で点滴のスイッチを切る事に成功していたのだ。サイラーは「心配するな。君も死ぬ前に少しは役に立てるよ」(リストの事)と言いながら、念力で自分の戒めを解く。

アイザックのアパート兼アトリエ。アイザックは麻薬中毒を克服したはずだったが、シモーヌの死によって再び麻薬に手を出す。そうやってトランス状態になって描いた絵には自分(?)が頭を切られて死ぬ様子が描かれていた。

The Corinthian Casino。ネイサンの客室。ニキが現れたかと思うと、ネイサンのシャツを脱がし、盗聴ワイヤーを引っこ抜く。ニキは「ジェシカが戻って来る前に」と言って事情を説明する。ニキいわく、リンダーマン氏はネイサンの裏切りをすでに知っているらしい。なにしろ、ここはリンダーマン氏が所有するホテルなのだ。ニキは「とにかく、あたしを信じて」と言う。

オデッサ地域のホテル。「帰宅」したベネット氏はサンドラと今後の相談をする。どうにかしてザ・カンパニーの裏をかき、ザ・カンパニーを叩き潰してでもクレアの安全を確保しなければならない。ベネット氏はサンドラにキスをし、「まさか、君とこんな風に話ができるとは思ってなかった」と安堵した顔を見せる。

ところが、それは本当のサンドラではなく、キャンディスが化けていたのだった。間もなく、トンプソン氏が数人の部下を引き連れて現れる。

The Corinthian Casinoの奥。ヒロはケンセイの刀を背に固定し、安藤とともに瞬間移動を試みる。本物の警備員たちが部屋に雪崩れ込んで来るのと前後して、2人の姿が掻き消える。

ヒロと安藤が到着したのは単に「別の場所」ではなく、「別の時間」だった。未来…核爆発後のNYのデヴォー・ビルの屋上に来てしまったのである。ヒロは破壊された街を見渡し、「爆弾…止められなかった。僕は失敗したんだ」と途方にくれる。(『Star Trek: Enterprise』の第3シーズン・フィナーレのラストシーンを彷彿とさせる。)



NY。ピーターのアパート。クレアはピーターに助けを求めようと、ここまでやって来ていた。ドアをノックすると、見知らぬ女性が顔を出す。女性は「ピーターは留守なの」と言った後、「とにかく、中にお入りなさい、クレア」と導き入れ、ドアを閉める。女性は部屋の奥に向かってフランス語で何か言う。すると、ハイチ人が姿を現し、フランス語で答える。

クレアは呆気に取られ、「あなたは誰?」と尋ねる。女性は「あたしはね、あなたのお祖母ちゃんなのよ」と明かす。そう、彼女はネイサンとピーターの母、アンジェラ・ペトレリなのである。アンジェラは「ずっと守ってあげようとしてたんだけど」とハイチ人の方を一瞥し、「あなたったら、なかなか思うようにさせてくれないもんだから…。あなた、とても頑固ね。お父さんと同じ」と微笑む。

Claire Bennet: Who are you?
Angela Petrelli: I'm your grandmother. And I've been trying to protect you, but you haven't made that very easy. Quite stubborn, aren't you? Just like your father.

アンジェラはネイサンがクレアに会いたがった際、「お金を送るだけで、直接会わない方が良い」と言っていたのだが、どうやら、かなり以前からクレアの事を知っており、こっそりと警護させていたようだ。だが、ハイチ人とはいつからの知り合いなんだろうか?

The Corinthian Casino。ネイサンの客室。ニキは「FBI捜査官たちはすでに始末された」と明かし、「リンダーマン氏は今日、あなたにあるオファーを出すから、それを承諾しなさい」と指示する。ネイサンが「彼の手駒として一生を送るのはゴメンだ」と言うと、ニキは「じゃあ、家族と一緒に逃げなさい」と言う。ネイサンは少し考えてから、「もう1つの選択肢がある。リンダーマン氏を殺す事だ」とつぶやく。

ニキはネイサンに拳銃を渡し、「あたしを殴って気絶させてちょうだい」と頼む。ネイサンが理由を尋ねると、ニキは「ジェシカに、何でも自分の思う通りにはならないって思い知らせるためよ」と答える。ネイサンはニキを殴る。

ネイサンはリンダーマン氏の執務室ではなく、ホテルの厨房に案内される。そこではリンダーマン氏(おっ、Malcolm McDowellではないか!)がポットパイを作っている最中だった。もちろん、カジノ・ホテルの経営者でマフィアのボスでもあるリンダーマン氏には自分で料理をする必要などないのだが、これは彼にとっての「瞑想」なのだという。



リンダーマン氏は「君は『幸せな人生』と『意味のある人生』のどちらを望むか?」と訊く。ネイサンは慎重に「できれば両方を」と答える。しかし、リンダーマン氏は「両立は不可能だ」と断定し、「幸福になるためには過去や未来について考えあぐねてはいけない。だが、意味のある人生は全く逆だ。君はここ数日、いろいろと思い煩ってるのではないかね?」と指摘する。

ネイサンはリンダーマン氏に拳銃を向ける。リンダーマン氏は動ぜず、「その引き金を引けば、私だけでなく君も死ぬ事になるよ」と忠告する。周りには警備員たちがウヨウヨしているのだ。

リンダーマン氏はネイサンの飛行能力についてだけでなく、ピーターや娘(クレア)の事情も知っていた。もちろん、他にも多くの特殊能力者がいるという事実も。リンダーマン氏は近い将来、ネイサンを米国大統領にしてあげるつもりなのだという。つまり、ネイサンはリンダーマン氏の援助を受ける事によって「意味のある人生」を送る事ができるというわけだ。リンダーマン氏は「君の選択次第だ」と言って背中を向ける。ネイサンは拳銃を下ろす。

NY。モヒンデルのアパート。ピーターがモヒンデルを訪ねて来るが、返事がない。しかも、ドアには鍵がかかっていない。壁に大きな地図が貼ってある部屋に入って行くと、頭上から血が滴って来る。見上げると、モヒンデルが天井に貼り付けられていた。

モヒンデルは人形のように口を動かし、「サイラー」とつぶやく。ピーターが後ろを振り返ると、そこにはサイラーが立っていた。(モヒンデルは最後の力を振り絞ってピーターに警告したのか?それとも、彼はすでに死んでいて、サイラーの念力によって喋らされただけなのか?)

サイラーは「おまえには見覚えがある」と言って念力でピーターを壁に押さえつける。そして、「おまえは俺と同じなんだろう?どんな仕掛けになってるのか見てみたいな」と、ピーターの額に向けて人差し指をかざす。

Sylar: I remember you. You're like me, aren't you? I'd like to see how that works.

その指の動きに沿って、ピーターの額が切られて行く。ピーターは悲鳴を挙げる。(髪の毛が床に落ちるところがミソ。)




ぎょえー!!今回のエピソードで「誰かが死ぬ」と言われていたが、それはモヒンデルの事だったのか?それとも、まさかピーターが!?

モヒンデル役のSendhil Ramamurthyは『Sci Fi』誌4月号のQ&Aで「僕のキャラは特殊能力を持ってないからサイラーに殺されないですむ」と言っているんだけど…。

ピーターはプロモ映像に映ってるので、生き延びるのかも?未来から来たヒロが未来のピーターの顔には傷があると言っていたのは今回、サイラーに付けられた傷の事なのか?

次回は4/23放送。今シーズンは第23話まであるので、残り5話は4/23、4/30、5/7、5/14、5/21に放送されるのだろう。5/21(月)というのはおそらく『24』の2時間シーズン・フィナーレと重なるし、ABC系列も昨年のような荒技を使うかもしれないので、できれば5/14に2時間シーズン・フィナーレという形で放送してくれないかなあ?

ところで、キャンディスはシェイプシフターではなく、実はイリュージョニスト(幻覚師)らしい。彼女が「変身」するシーンで背景が揺れるのもこれで納得できる?


★名言・迷言集: (本文中に引用したものを除く)

【その1】
Hiro: (日本語で) You can't stop me! Bigger men than you have tried. I will find a way inside... (用心棒が迫ってくる) ... somehow.

【その2】
Nathan: When I first met you, I thought you were nuts.
Hiro: (英語で) It's OK. I thought you were mean. But now I know... you pretend that you don't care about anyone, but you care too much.

【その3】
(Mr. Lindermanに「野菜は食べるかね?」と訊かれて)
Nathan: I've been known to eat zucchini when the mood strikes, but not as a rule.

【その4】
Mr. Linderman: To be truly happy, a man must live absolutely in the present and with no thought with what's gone on before and no thought of what lies ahead. But a life of meaning... a man is condemned to wallow in the past and obsess about the future. And my guess is that you've done quite a bit of obsessing about yours these last few days.
Nathan: (拳銃を構える)
Mr. Linderman: Now you can't have any of my pot pie.

【その5】
Sylar: (Mohinderに) I wasn't begging for my life. I was offering you yours.


関連記事 (英語→未放送エピソードのネタバレに注意):
- Heroes Redux: A Good Can Opener Is Hard to Find
- Linderman's Pot Pie
- TV Watch: Directory Assistance
- Heroes: A Life of Meaning
- Twisted Sisters: Heroes' Ali Larter Teases a Big Battle
- Genre Producers Distance Themselves From 'Lost'; 'Jericho' and 'Heroes' writers promise actual answers


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7 コメント

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あらたなるHero!? (kenn)
2007-03-09 09:48:58
アンドーくんってよわっちいはずなのに、まさかガードを倒して制服を奪ったの? 一撃でぶっ倒したりしてましたけど。Hiroくんメガネ変わった??

おお!Lindermanが!!って感じでした。すごいなあ、このドラマ。この後にあるThe Black Donnellysって新ドラマ(Studio 60の代わり)の脚本をPaul Haggis(映画"Million Dollar Baby","Crash"の脚本家)が書いているわけなんですが、NBCって業績が悪化しているんじゃあなかったの? 先行投資かな。

Hiroは黒装束を手に入れ、『今』に戻ってこれるのか。PeterはClaireの能力を発動し、Sylarのtelekinesisで対抗できるのか。そしてMohenderの生死は!? 1ヶ月って拷問でっせ。MohenderってなんだかSayidとかぶってません?

楽しすぎます。
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Mohinder (ジョウ)
2007-03-10 02:42:36
kennさん、「Mohinder = Sayid」という説も面白いですね。もしかすると、宗教が同じかもしれませんし…。

ともかく、Mohinderは単なる狂言回しというだけでなく、「特殊能力がないヒーロー」として感情移入してるキャラですから、死なせないでほしいです。

『The Black Donnellys』は第1話を見てみましたけど、5分位で「つまんない」と思ってやめちゃいました。NBCは『Heroes』以外に新しいヒット番組がないので、ミッドシーズンにどうにかしてもう1本のヒット作を出したいんでしょうけど、『The Black Donnellys』は続かないような気がします。
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ちと早い (kenn)
2007-03-10 09:30:35
Mohenderはインド人なので宗教は異なると思いますよ。他の非特殊能力者と違う視点や方法で、メンバーと出会うので是非残しておいて欲しいです。ただ「治療」してしまったら、今度はCompanyの人間に狙われる事になりかねないですけど。

GAの特別企画の所で、ABCのspin-offの話がありましたが、NBCもHeroesで作りたいんじゃないでしょうか。Tim KringはすでにNBCで2本やっていますし、まだシーズン1も終わっていないのでどうなるか分からないですけど、やって欲しいなぁ。Mohenderが能力者を探して世界中を旅したり、Nathanの裏でPeter達が悪を裁くの。

The Black DonnellysはThe Sopranosのファンが流れていくんじゃないかと思います。1シーズン13話くらいで続くかな、というのが私の予想です。
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スピンオフ? (ジョウ)
2007-03-10 10:45:26
インド人の約1割がイスラム教徒らしいので、「ひょっとして?」と思ったんですが、たしかに可能性は低そうですね。

『Heroes』のスピンオフがあったら楽しそう。『CSI』みたいに同時進行でも良いし、時代を変えても良いし…。でも、ただでさえ複雑な話が枝分かれしていくと、マニアック化しすぎて視聴者が離れて行ったりするかも?

『The Black Donnellys』はもしかすると、ケーブル放送にした方が良かったかもしれませんね。
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たしかに (kenn)
2007-03-10 12:37:54
spin-offを作るとファン層が分かれそうですが、Hiro主人公なら大丈夫!? Time Traveller!?

Mohinderで思い出したんですが、Sanjogナントカってファイルはどうなったんでしょうね。彼のマップでは、Sanjo"p" Iyerという人物がカナダにいることになっていますが...
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なるほど (ジョウ)
2007-03-13 06:21:34
そうか、Hiroが主人公なら単独でも行けそうですね。できたら、ドラえもんに似た助手ロボットでも出してほしいです。あと、しずかちゃんもどきのヒロインも…。

私もスペルが微妙に違う「Sanjop Iyer」っていうのは気になってました(笑)。スタッフのミスなのか、あるいは兄弟なのか…?
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インタビュー・ビデオ (ジョウ)
2007-03-16 03:38:22
こちら↓でピーター役の Milo Ventimiglia のインタビュー・ビデオが見れます。

(未放送エピソードのネタバレに注意!)

http://www.eonline.com/gossip/kristin/blog/index.jsp?uuid=ab0a6ada-1e04-461c-8986-6f03aa502601

私自身は未見です。ビデオの内容はここでは明かさないで下さいネ。
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