試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-213[ツヌ315F-3] JRマーク剥離,行先表示類変更,屋根板振替 (クハ103-259[ラシ317F] 発生品転用)

2017-12-04 21:43:00 | 国鉄/JR103系
錯覚。

KATO製国鉄103系クハ103-214(ツヌ315F-3←元ラシ315F-1)に続きクハ103-213も国鉄仕様への復帰に取り掛かった。
JRマークはKATO製で劣化状況はクハ103-214と同等と思える。
留意点は貼り替えを施す行先方向幕の関連の作業となった。


JR103系クハ103-213(元ラシ315F-1)。

クハ103-213(元ラシ315F-1)もクハ103-260(ラシ317F)との同時入場で分解を終えていた。
先ず車体のJRマークインレタを除去し国鉄仕様へ変更する。
前面用は分解時に触れたらしく[R]の上部が既に崩れかかっていた。
転写糊も伺えず老朽化は深刻だった模様である。
形状を保っていた側面用だが転写力の低下は変わらないと思えた。


入工中のクハ103-213。

初期転写施工車であり状況は拙いものだった。
埃が混入しており剥離は一転して躊躇無く行えている。
崩れかけていた前面用を含め除去にはマスキングテープを用いた。
クハ103-214での結果からセロハンテープ程の粘着力は要さないと判断した。
マスキングテープへの変更はセロハンテープの糊が車体に付着する逆作用を考慮したものである。


剥離されるJRマーク。

JRマークは全てマスキングテープへ貼り付きあっさり姿を消した。
続いて行先方向幕交換に着手した。
前照灯用プリズムを車体へ仮装着し[幕張]幕を貼付している。
切り出したステッカーはクハ103-214に倣い白地行先方向幕セルよりも幅を広く取った。
プリズムの再撤去はステッカーが剥がれないよう注意を要する。
本装着時は行先方向幕が捲れない角度を保ちながら挿入した。


1-3位側から挿入した屋根板連結面寄嵌合爪。

クハ103-259(ラシ317F)から転用となった屋根板は2-4位側の連結面寄嵌合爪が1点支持化されている。
脆くなっていたクハ103-214用では慎重に整形を行った。
予め細工を施した元クハ103-259用とは言え原形の強度を下回っている事実に変わりはない。
施工例のあった細工ながらクハ103-213用も同様の心構えで作業を進めた。
屋根板装着時は先に1-3位側の嵌合爪を車体へしっかり押し込まなければならない。
この後車体1-3位側の嵌合孔を支点に屋根板を撓ませ2-4位側の嵌合爪を挿入する。
完全嵌合時にはクリック感が得られるため一応の目安になった。


痕跡の無い元B形防護無線アンテナ設置部。

念のため屋根板と雨樋の位置関係を基準に嵌合不具合発生状況を確認している。
隙間や歪みは生じておらず無事装着へ至った。
KATO製クハ103形用屋根板の予備品は高運転台ATC車仕様しか持ち合わせていない。
B形防護無線アンテナの撤去を含め破損させずに転用出来たのは何よりの収穫だった。
高運転台非ATC車(ATC準備車),低運転台量産冷房車用屋根板に予備品があれば一連の振替は必要無かった。
引き続きKATO製クハ103形用の予備品拡充は課題と言えよう。


各工程を終えたクハ103-213。

床板関連では前照灯用電球位置を変更し前照灯照度向上策を施す。
クハ103-214の細工で電球用導線を押し出し過ぎてしまった。
ところが点灯試験の結果は良好でクハ103-259,クハ103-260と同様の照度に揃ってくれた。
同時にプリズム押えが電球位置の決定権を握ると思えた。
これが確実な答か確認するためクハ103-214より更に電球位置を前進させている。
特に基準は定めず大雑把にライトユニット前端から電球の直線部が見える程度までとした。
なお位置調節はライトユニットの開口部から導線を押し出す方式を踏襲している。
プリズム押えを嵌め込み床板を嵌合させる。
前照灯用電球は柔軟な導線が用いられており組み込む際の違和感は全く無い。
前照灯電球はライトユニット内に留まっていると予想できた。
実際の動きを見るには屋根板を取り外したまま床板を嵌合させるだけで良かった。
熱耐性に問題が生じなければ順次展開させる。
その際は前照灯用電球前進位置を定める名目で着脱試験を行う予定である。




行先方向幕が程良く収まったクハ103-213。


ステッカー切り出しの基準となったクハ103-214。

行先方向幕ステッカー切り出しの広幅化は入場前のクハ103-213,クハ103-214が切っ掛けだった。
製品付属ステッカーから自作ステッカーへの切り替えた際にたまたま広幅で切り出してしまっただけである。
再度のステッカー切り出しを嫌いプリズムを装着したまま強引に糊面を粘着させた。
この後のKATO製クハ103形低運転台量産冷房車の行先方向幕は狭幅化に進んでいる。
偶然にも広幅ステッカーは行先表示器への収まりが向上しクハ103-259,クハ103-260への転用に繋がった。
ただクハ103-213の[中野]幕は強引さの影響からか経年と共にステッカーの歪みを招いた。
ところが前照灯プリズム撤去時に歪みは収まってくれた。
転用先だったクハ103-259への装着はステッカーを貼付したまま行い捲れを回避できた。
これらの経過を纏めクハ103-213,クハ103-214では行先方向幕ステッカーを再び広幅に戻している。
クハ103-231,クハ103-232(ツヌ325F)では2文字の[三鷹]幕化により行先表示器の窮屈感を拭えた。
広幅ステッカーの採用で錯覚効果は更に高まったと思える。


クハ103-213 点灯試験[45C 幕張]:前照灯(前照灯用電球位置変更試行)。


クハ103-213 点灯試験[45C 幕張]尾灯。


クハ103-214 点灯比較[45C 幕張]:前照灯用電球位置変更試行車。


クハ103-260 点灯比較[05C 中野]:ラシ317F(前照灯用電球位置変更試行車)。

前照灯点灯照度向上策はクハ103-214,クハ103-259,クハ103-260と変わらない効果を得られた。
クハ103形低運転台量産冷房車での初試行車だったクハ103-260と殆ど差は生じていない。
これで前照灯用電球位置は特に気を配らなくて良いと判った。
ただ導線への負荷は軽減したい。
明確に位置を定めた方が無難だと思う。
一方尾灯への施工は再び見送られた。
ライトユニット下部の歪みが試験車には向かない原因だった。
歪部を上手く避けられる策が見い出せれば尾灯も照度向上を図れるだろう。
ここは今後の検討課題にしたい。




国鉄103系クハ103-213(ツヌ315F-3:屋根板振替)。

懸案だった行先方向幕の交換を乗り越えクハ103-213(ツヌ315F-3)が竣工した。
クハ103-214と共に無事国鉄仕様への変更を終えた。
貴重なJRマークインレタを剥離してまでプロトタイプの齟齬解消を図った珍しい入場だったと思う。
これまでとは異なる形でツヌ315F-3は出場する。

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